約466億円でE・フェルナンデス、ムドリクなど8名を獲得【チェルシー2022-23シーズン冬の移籍市場まとめ】

約466億円でE・フェルナンデス、ムドリクなど8名を獲得【チェルシー2022-23シーズン冬の移籍市場まとめ】

2023年1月31日23時(※日本時間2月1日8時)にプレミアリーグの冬の移籍市場が終了した。チェルシーは、怪我人続出に加え、ポッター監督の初の移籍市場ということもあり、新オーナーのトッド・ベーリー氏のもと、積極的に補強を行った。

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昨シーズンの冬は、トラビス・アコメア、ディラン・ウィリアムズ、メイソン・バーストウという3選手の獲得に止まり、大きな補強はなかったが、今冬はエンソ・フェルナンデス、ミハイロ・ムドリクなど8名の選手を獲得。移籍金の総額は3億3200万ユーロ(約466億円)と冬の移籍市場においてクラブ最高額。昨夏の422億円を超える金額を投じた。

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また退団選手は2名で、ローン移籍選手は5名となった。獲得選手、退団選手、ローン移籍選手の詳細は下記に掲載している。

《獲得選手》

【DF】

ブノワ・バディアシル←モナコ(3800万ユーロ・約54億円)

マロ・ギュスト←リヨン(3000万ユーロ・約42億円、今シーズンはリヨンにローン)

【MF】

エンソ・フェルナンデス←ベンフィカ(1億2100万ユーロ・約171億円)

アンドレイ・サントス←ヴァスコダガマ(1500万ユーロ・約21億円)

【FW】

ダビド・ダトロ・フォファナ←モルデ(1200万ユーロ・約17億円)

ミハイロ・ムドリク←シャフタールドネツク(7000万ユーロ・約97億円)

ノニ・マドゥエケ←PSV(3500万ユーロ・約49億円)

ジョアン・フェリックス←アトレティコマドリード(※半年間のローン、1100万ユーロ・約15億円のレンタル料金)

わずか1カ月の移籍市場で、実に8人の移籍を成立させたチェルシー。将来への投資という位置付けもあるが、今冬は10代後半~20代前半の選手のみを獲得するなど、ビジョンを明確にした補強が行われた。

バディアシルは21歳。ASモナコから約54億円の移籍金で獲得し、2030年夏までの契約を結んだ。既にプレミアリーグのクリスタルパレス戦、リヴァプール戦に先発出場し、クリーンシートに貢献するなど、今後もレギュラーとして活躍していく可能性が高い選手。

サントスは18歳。ヴァスコダガマから約21億円の移籍金で獲得。現在開催中の南米ユース選手権にブラジル代表として出場しているサントス。グループステージのペルー戦、アルゼンチン戦、コロンビア戦、エクアドル戦で得点をマークするなど、大活躍でチームをけん引している。その活躍もあり、チェルシーはサントスの就労許可を取得するために動いており、トップチームに残る可能性が出ている。

D・フォファナは20歳。モルデから約17億円の移籍金で獲得し、2029年夏までの契約を結んだ。フォファナは、ペース、スキル、強さを兼ね備えた万能のストライカー。ゴールを決める能力もあるが、特にボールを保持し、プレッシャーを受けながらボールを保持することに長けているという特徴を持ち、モルデでは24ゴール10アシストを記録していた。チェルシーではFAカップ3回戦のマンチェスターシティ戦で45分間プレーをするなど、今後の活躍が期待される。

ムドリクは22歳。シャフタールドネツクから約97億円の移籍金+アドオンで獲得し、2031年夏までの契約を結んだ。彼は、左ウイングを主戦場とするアタッカーで、一瞬で相手を置き去りにする加速とテクニックが強みとなっている。1月21日のリヴァプール戦でプレミアリーグデビューを果たしたムドリク。後半10分からの途中出場となったが、今季リーグ最速となる時速36.63kmを記録し、強烈なインパクトを残すなど、今後チェルシーの攻撃の軸になっていきそうだ。

マドゥエケは20歳。PSVから約49億円で獲得し、2030年夏までの契約を結んだ。彼は、テクニックに優れ、スピードのある左利きのアタッカーで、中央でもプレーが可能。普段はサイドで攻撃的な役割を担い、ゴールに加え、アシストでもチームに貢献してくれる選手。PSV時代には、公式戦80試合に出場し20ゴール・14アシストを記録するなど、まだ20歳ながら多くの経験を積んでいる。

ギュストは19歳。リヨンから約42億円で獲得し、2030年夏までの契約を結んだ。ギュストは、スピードと豊富な運動量を売りとする攻撃的な右のサイドバック。リヨンの下部組織出身で、2021年1月にトップチームデビューを果たした。2021-22シーズンからレギュラーに定着し、ここまで公式戦54試合に出場し6アシストを記録している。なお、2022-23シーズン終了までは、現在のリヨンでプレー(ローン)をし、2023-24シーズンからチェルシーに加入することになっている。

フェルナンデスは22歳。移籍市場最終日にベンフィカから約171億円で獲得し、2031年夏までの契約を結んだ。フェルナンデスは、リーベルプレートでプロキャリアをスタート。2022年夏にベンフィカへと完全移籍で加入し、今シーズンはここまで公式戦29試合に出場し、4ゴール・7アシストを記録するなど、中盤の選手でありながらもゴール・アシストを量産できるタイプとして注目。加えて、カタールW杯ではアルゼンチン代表として優勝に貢献し、大会最優秀若手選手賞にも選出。ジョルジーニョ+カンテのハイブリッド型セントラルミッドフィルダーとして、チェルシーでフル稼働しそうだ。

フェリックスは23歳。アトレティコマドリードから半年間のローンで加入、レンタル料は約15億円となっている。1月12日のフルハム戦に出場したフェリックスだったが、後半にレッドカードをもらい3試合の出場停止。2月11日のウエストハムユナイテッドから出場が可能となる。フルハム戦では素晴らしいパフォーマンスを見せていただけに、復帰後の活躍も十分に期待できる。

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《退団選手》

ジョルジーニョ→アーセナル(1100万ユーロ・16億円)

ジュード・スーンサップ=ベル→トッテナム(未公開)

《ローン移籍選手》

【GK】

エディ・ビーチ→チェルムスフォードシティ

テディ・シャーマン=ロウ→ハヴァント&ウォータールーヴィル

マックス・メリック→ハンウェルタウン

【DF】

バシール・ハンフリーズ→パーダーホルン

【MF】

チェーザレ・カサデイ→レディング

副キャプテンがアーセナルに移籍

移籍市場の最終日にアーセナルに移籍したジョルジーニョ。副キャプテンという立場にあったが、今夏で契約満了を迎えることもあり、チェルシーはアーセナルからのオファーを受け入れた。ナポリから移籍したジョルジーニョは、チェルシーで4年半プレーし、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、クラブワールドカップ、スーパーカップの優勝に貢献。公式戦213試合に出場し、29ゴール・8アシストを記録。29ゴールのうち、27ゴールがPKとプレッシャーのかかる場面で、頼りになる存在だった。

一方、将来に期待がかかるハンフリーズ、カサデイはローンでチームを離れることになった。ハンフリーズはドイツのパーダーホルン。カサデイはババラーマンも在籍するレディングに行き、ステップアップを目指す。また若手ゴールキーパーのビーチ、シャーマン=ロウ、メリックの3選手は経験を積むため、下部リーグに所属するシニアチームにローン移籍した。

なお、ハーヴェイ・ヴェイル(ハルシティ)、ルーカス・バーグストローム(ピーターバラユナイテッド)、ブライアン・フィアベマ(フォレストグリーンローバーズ)、イーサン・ワディ(ウォキングFC)、ジェイデン・ウェアハム(レイトン)は、ローンを半年で終え、チェルシーに戻った。

1月の移籍市場で超大型補強を行ったチェルシー。チャンピオンズリーグ優勝、プレミアリーグ4位以内を目指し、ポッター監督の手腕が試されるシーズン後半になる。

(※移籍情報は2023年2月1日時点。移籍情報&移籍金などは、海外メディアのBBC、Sky Sports、The Athletic、Goal、Evening Standard、Fabrizio Romanoなどを参照。また移籍金は、アドオンのない状態の金額を記載)