「バルセロナを離れていなければ、ここにはいない」 ククレジャが明かすチェルシー移籍の理由は?

「バルセロナを離れていなければ、ここにはいない」 ククレジャが明かすチェルシー移籍の理由は?

2022年8月5日、チェルシーはブライトンからマルク・ククレジャを獲得したことを発表した。移籍金は5500万ポンド(約90億円)+700万ポンド(約11億円)、6年間の契約を締結。マンチェスターシティも獲得に向け動いていたが、チェルシーが約100億円の移籍金を用意したことで、実現したビッグディールだ。

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ククレジャは、2012年にバルセロナの育成組織ラ・マシアに入所。2016年にプロ契約を結び、バルセロナBに配属していた。その後、エイバルやヘタフェに所属し、2021年夏にヘタフェからブライトンに移籍することが決まった。

プレミアリーグ初挑戦となったククレジャだったが、公式戦38試合に出場し、1ゴール・2アシストを記録するなど見事に適応し、チームのMVPに選出。チェルシーは、マルコス・アロンソの移籍やベン・チルウェルが大怪我から復帰したばかりということもあり、左サイドを任せられる選手を探していた経緯があったため、獲得に動いた。

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チェルシーに移籍した翌日には、プレミアリーグ開幕戦(エヴァートン)に途中出場、そして次節のトッテナム戦に先発出場するなど、加入したばかりだが早くも存在感を示している。そんなククレジャが、チェルシー移籍後初のプレスカンファレンスで、移籍した理由などについて話をした。

「まず、バルセロナのアカデミーでプレーをしていた時、トゥヘル監督に会ったことがあるんだ。その時は、とても大きな驚きだったね。なぜ彼が自分に会いにきたのか分からなかったけど、ここに来ることができて嬉しいし、自分に大きなチャンスをくれたので、彼のために一生懸命プレーしたい。そして、アスピリクエタはスペイン語を話せるので、家のこと、学校のこと、子供のことなど、いろいろと助けてもらっている。キャプテンがスペイン人であることは、僕にとってとても良いこと。彼はこの地のレジェンドであり、毎試合プレーをしている、重要な選手。チェルシーでは大きな責任がかかるけど、トッド・ベーリー氏も監督も獲得にとても興味を持ってくれていた。‟クラブのために良いプレーをして勝つ”この意志を持ち続けたい」

とユース時代にトゥヘル監督と会っていたエピソードを話した。また、同郷のアスピリクエタやケパがいることもチームに早く慣れるために、心強いと明かした。加えてククレジャは、自身のキャリアについて『鍵』となった場面を2つ話してくれた。

「私の人生でおそらく最良の決定の1つは、バルセロナを離れて小さなチームに参加することだったと思う。彼らは私にチャンスを与えてくれた。もしバルセロナを去らなければ、私は長い間ベンチにとどまっていただろうし、ここチェルシーには絶対に来ていなかっただろうね。

そして、2つ目はブライトンでの最初の試合となったブレントフォード戦。チームは勝ったけど自分はうまくプレーができなかったから、試合が終わったとき、とても悔しかったし、チャンスを逃したのではないかと思った。次の週のレスターシティ戦では、ベンチからだと思ったけど、ポッター監督は再びチャンスを与えてくれた。これが私にとっての鍵だと思います。私はこの試合、本当に良いプレーをした。これはおそらく私の人生を変えた瞬間かもしれない。なぜなら、もしコーチが私をベンチに置いていれば、私は自信を失っていたと思うんだ」

自身が決断してバルセロナを離れたことやブライトンでのセカンドチャンスをものにしたことで、今のキャリアがあると赤裸々に話してくれた。

チルウェルとのポジション争いを歓迎している

最後に同ポジションには、イングランド代表のチルウェルがおり、今後レギュラー争いが激しくなることが予想される。しかし、そのことについても前向きな気持ちを持っている。

「彼は最初の数日間、僕を助けてくれたよ。とてもいい人で、この競争を歓迎しているんだ。こういうビッグクラブでは常に競争があるし、ポジションのパートナーもレベルが高い。良いプレーをすれば、もっと自信を持ってハードワーク、ハードトレーニングをするようになる。一人だと練習ができなくてもいつもプレーしているから問題ないと思ってしまうかもしれない。だから、激しい競争があったほうが僕にとっても彼にとってもチームにとっても良いこと。1つのポジションに2人の選手がいて、良い方の選手が先発になれるんだ」

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ククレジャのベストポジションは、4バックの左サイドバックだが、左サイドの3つのポジションを起用にこなすことのできる彼の能力は、トゥヘル監督にとって大きな戦力になる。既にトッテナム戦では1アシストを記録。怪我も少なく、シーズンを通して計算できるククレジャ。背番号32番が、チェルシーの勝利に貢献してくれることは間違いないだろう。