後半ATにパルマーの2得点でマンチェスターUに劇的勝利を収めたチェルシー。パルマーの素晴らしいところは?

後半ATにパルマーの2得点でマンチェスターUに劇的勝利を収めたチェルシー。パルマーの素晴らしいところは?

2024年4月4日に、2023-24シーズンのプレミアリーグ29試合目が行われ、チェルシーはホームでマンチェスターユナイテッドと対戦。結果は、4対3でチェルシーが勝利した。

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スターティングメンバーは、ペトロヴィッチ、ギュスト、ディサシ、バディアシル、ククレジャ、カイセド、フェルナンデス、ギャラガー、パルマー、ムドリク、ジャクソンでフォーメーションは4-2-3-1。

サブメンバーは、ベッティネッリ、シウバ、ギルクリスト、チャロバー、カサデイ、タウリアイネン、スターリング、マドゥエケ、チュクエメカ。

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【前半4分・チェルシーゴール(ギャラガー)

中盤でのボール奪取から、フェルナンデスの右足アウトにかけたスルーパスを右サイドへ。それをギュストが受けると低い弾道のクロスを供給。これがヴァランに当たりコースが変わるとボックス中央にいたギャラガーがダイレクトシュート。相手GKのオナナが反応するがボールはわきの下を抜け、早々に先制成功する。

【前半19分・チェルシーゴール(パルマー)

ムドリクからボックス左でパスを受けたククレジャが、ペナルティーエリア内に侵入。勢い良く走り込んでいたククレジャを、アントニーが倒しPKの判定。これをキッカーのパルマーがゴール右隅へ冷静に蹴り込み、2対0とリードを広げた。

【前半34分・マンチェスターUゴール(ガルナチョ)】

右サイドのスペースに抜け出しかけたアントニー。そのトラップをカイセドに奪われるが、内側のバディアシルへの軽率な横パスがずれてしまい、それをガルナチョがカット。そのままボックス内に持ち込まれると、体勢を崩しながらも左足で右隅に流し込まれ失点。ミスをしたカイセドは頭を抱えた。

【前半39分・マンチェスターUゴール(B・フェルナンデス)】

コーナーキックのチャンスから、マンチェスターUにカウンターを許したチェルシー。右から左サイドに展開すると、ボックス左角のダロトが入れたクロスをファーに走り込んだブルーノ・フェルナンデスにフリーでヘディングを許し、同点に追いつかれる。カウンター時、ククレジャが右サイドまで流れて守備をしていたため、左サイドに守備者がいなかったことが失点の要因となった。このまま前半が終了。2点を先制したチェルシーだったが、ミスとカウンターという2つのチャンスで同点に追いつかれてしまう。

【後半22分・マンチェスターUゴール(ガルナチョ)】

ハーフウェイライン付近でバディアシルがボールコントロールをミス。ラッシュフォードのスルーパスで右サイドのスペースに抜け出したアントニーが早いタイミングで、左足アウトにかけたクロスを入れると、ボックス左に走り込んだガルナチョが、ペトロヴィッチに寄せられる寸前でバウンドしたボールをヘディング。ディサシが最後まで追うが…ボールは非情にもゴールに吸い込まれ逆転を許してしまう。

【後半45分+10分・チェルシーゴール(パルマー)

スタンフォードブリッジは敗戦濃厚の中で、徐々にサポーターたちが家路に着こうとしていた。しかし、後半45分アディショナルタイム7分が経過したときに、ボックス内で仕掛けたマドゥエケ(※後半44分にギャラガーと交代)がバランスを崩したダロトに後ろから倒され再びPKを獲得。これをキッカーのパルマーが再び右隅に突き刺して同点に追いつく。

【後半45分+11分・チェルシーゴール(パルマー)

このまま終了かと思われたが、チュクエメカのシュートが相手ディフェンダーに当たり、右コーナーキックを獲得。守備陣の体制が整ってないと感じたパルマーはボール受けるためにペナルティーエリア内に走り出すと、フェルナンデスがショートパスを供給。これをボックス手前右で受け左足を振り抜くと、ゴール前のマクトミネイにディフレクトしてコースが変わったシュートがゴールイン。終盤の終盤に追いつき、勝ち越しに成功。4対3で勝利を手にした。

【まとめ】

支配率57%、28本のシュート(枠内10本)を打ち、4対3の打ち合いを制しマンチェスターユナイテッドにリーグ戦で6年半ぶりに勝利したチェルシー。土壇場で大きな勝点3を獲得することができた。

【試合後のポチェッティーノ監督】

逆転勝利について

「それ(勝利)に値するものだったから、素晴らしかった。今日は我々の方が優れたチームだったから土壇場で得点したのは当然。すべてを見れば、試合を本当にうまくスタートできたと思う。試合は2-0でコントロール下にあった…しかしその後、私たちは大きな間違いを犯した。

精神的に大きな影響を受け、その影響に対処するのは簡単ではなかった。しかし、後半はゲームをコントロールできたが、トランジションで失点した。もちろん、3ゴールを許したことにはがっかりしているし、もっと改善すべきなんだ。ただ試合を分析すると、勝点3という結果は妥当だったと思う。そして、このような形で終えられたことはとても良いこと。チームとファンがお互いを信頼するターニングポイントになるはずだよ」

後に感情的になった理由

「試合の展開のせいで最後はとても感情的になってしまった。負けているときは本当に不公平だと感じていたし、なぜ負けるのかを考えていたので、あまり良い気分ではなかった。サッカーとはこういうものだが、最後まで常に信じ続けた。同点ゴールを決めたとき、選手たちにはまだ2分あるし、まだ決勝ゴールを決められると信じていると話したんだ。

このような試合に勝って勝点3を獲得したので、最後はとてもうれしかった。私たちにとって、上のチームとの差を縮めるためには勝たなければならない試合だった。この試合は本当に重要だった。ピッチ上の選手が走り、ボールを奪い返して得点しようと必死になっているときに、チームの情熱が見える。それが私たちのファンが見るべき情熱。私は冷静でいなければならない。私は非常に臨床的かつ分析的になる必要があり、試合を見て、試合のあらゆる面で彼らを助けようと努める必要がある。

もちろん、試合の終わりに、私が今日示したように情熱を示すことは素晴らしいこと。しかし、それはサーカスではない。落ち着いて、非常に集中して努力する必要がある。コーチングスタッフは冷静になって、分析し、助けられるようあらゆる言葉を発するよう努める必要があると思っているんだ」

ットトリックのパルマー

「彼の最高のスキルの一つは、メンタルとプレッシャーに対処する能力だ。彼は若く、安定してプレーするのは初めてのシーズンだけど、プレッシャーへの対処法は素晴らしいと思う。それは彼が非常に優れた選手になれることを示している。今日のプレーを見れば彼がトップ選手であると言わないわけにはいかないだろう?だが、彼にはまだ改善する余地がある」

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【今後の試合と感想】

リーグ28試合12勝6分10敗で10位に浮上したチェルシー。前節のバーンリー戦では1人少ない状態で引き分けるなど…不甲斐ない結果となっていたが、今節のマンチェスターユナイテッド戦では、パルマーが奇跡を起こし勝利することができた。

ただ守備面については、相当な問題を抱えたままであることは間違いない。前半早々に2点をリードしておきながら、3失点を喫してしまう不安定な状態を解決しなければ、この先もシーソーゲームが続き、攻撃陣が悪ければ簡単に連敗してしまう可能性がある。バディアシルをこのまま起用し続けていくのは、かなりのリスクがあるはずだが…チャロバー、シウバが復帰している中で、他のセットを試すことを願いたい。

次戦は、4月7日にシェフィールドユナイテッドと戦う。アウェイではあるが、最下位の相手だけに、勝利を必ず掴みたい一戦だ。