「競争を恐れたことは一度もない」19歳のレスリー・ウゴチュクが明かすチェルシー移籍の理由と熾烈なポジション争い

「競争を恐れたことは一度もない」19歳のレスリー・ウゴチュクが明かすチェルシー移籍の理由と熾烈なポジション争い

2023年8月2日に、レンヌからチェルシーに完全移籍したレスリー・ウゴチュク。移籍金は2700万ユーロ(約42億円)で、契約は7年+1年の延長オプション付きとなった。

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ウゴチュクはレンヌの下部組織出身で、主に守備的なミッドフィルダーとしてプレー。17歳でトップチームデビューを飾り、昨シーズンは公式戦35試合に出場するなど、自身の価値を高め今夏ブルーズへ加入。そんな彼が、19歳という若さでチェルシーに移籍した理由、トップチームでのポジション争い、マウリシオ・ポチェッティーノ監督との再会などについて初めて話をした。

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「チェルシーが勝ち取った全てのトロフィーと、語り継がれてきた伝説を見てほしい。私は彼らがやりたいと思っていること、そして彼らが私の中に見ていたものに惹かれたんだ。努力してすべてがうまくいけば、素晴らしいミッドフィルダーになれると言われている。

長期的に自分の居場所を確保できることを証明できるかどうかは自分次第。これほどの規模のクラブがオファーをしてきた場合、断るのは非常に困難だったし、新たな一歩を踏み出したかった。若いのに、どうしてチェルシーに移籍したの?と聞かれたら、『2度通らない電車があるんだ』と答えるよ」

ウゴチュクはフランス北西部のレンヌで生まれ育ったが、両親はナイジェリア人。叔父は、ナイジェリア代表として2008年、2010年のアフリカネーションズカップに出場した経験を持つオニェカチ・アパム。そのようなことから、幼少時代はジョン・オビ・ミケル氏に憧れを持ちながらサッカーをプレーしていた。そして、そのルーツがイングランドでの生活に役立っているという。

「適応は順調に進んでいるよ。まだホテルに住んでいるけど、もうすぐ家を持つ予定。両親はナイジェリア出身なので英語を話すのも簡単だし、フランス人選手も多くいる。今は誰とでも打ち解けるようにしているよ。

チェルシーのようなクラブと契約することは、家族にとっても意味がある。ナイジェリアでは誰もが応援するビッグクラブの一つ。家族にこのような良い知らせを届けられたことは素晴らしいこと。両親は、私や兄弟のためにたくさんのことをしてくれたから、その恩を返すことが重要なんだ」

と両親や家族のため、そして自身の成長のためにチェルシーへ移籍したことを明らかにした。

-ポチェッティーノ監督との再開-

当初ウゴチュクは、チェルシーを買収したコンソーシアム「BlueCo」が株主となったストラスブールにローン移籍する可能性があったが、ポチェッティーノ監督はリーグ開幕戦となったリヴァプール戦で途中起用。カラバオカップ2回戦のAFCウィンブルドン戦では先発フル出場を果たすなど、ここまで公式戦3試合に出場。監督から評価され、チームに残留することになった。

しかし中盤には、モイセス・カイセドやロメオ・ラヴィア、コナー・ギャラガー、エンソ・フェルナンデスという選手がおり、ポジション争いは熾烈なものになることが予想されている。

「どのチームにいても、プレーをできるかどうかは分からないし、競争を恐れたことは一度もないよ。自分の地位を示し、多くの出場時間を獲得できるかどうかは僕次第なんだ。

フェルナンデス、カイセド、そして私と同い年のラヴィアのような非常に優れた選手たちから学ぶこともできるし、自身の資質や自分のできることに大きな自信を持っている。物事を正しく行えば、すべてが計画通りに進むことを知っている。そして、クラブやスタッフからも信頼されているから、それが『頑張る』原動力になっているんだ」

最後に、リーグアン時代、既にポチェッティーノ監督にインパクトを与えていたことを話した。

「レンヌでの最初の先発出場は、ポチェッティーノ監督が率いていたPSG戦だった。私が米国でのプレシーズンに到着すると、彼はすぐにアシスタントコーチに『彼のせいで我々がチャンピオンシップに勝てなかったことを覚えている?』と話してくれたんだ。当時17歳で、PSGと1対1で引き分けて優勝を阻止したからね。彼がそれを覚えていたことは、僕にとってとても大きかった。

コーチとの関係は非常にうまくいっている。私が到着して以来、ポチェッティーノ監督は私に本当に大きな自信を与えてくれている。彼は『遠慮をしないで自分に自信を持つこと。そして資質があるからこのクラブにいることができる』と言ってくれる。

プレミアリーグでプレーをすることは子供の頃からの夢だった。しかも世界最大のクラブの一つであるチェルシーでプレーをしているんだ。ボールを奪い返したり、タックルをしたりすると、四方八方から歓声が上がる。スタジアムの雰囲気は素晴らしいし、これがプレミアリーグなんだ」

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ブルーズでチャンピオンズリーグを勝ち取ったミケル氏のように、ウゴチュクもこれからブルーズの中盤を支え、トロフィー獲得に大きく貢献していく選手の一人になるはずだ。

Source:Chelsea FC、Le Parisien