トゥヘル前監督は何位?2004年以降にチェルシーで指揮を執った歴代監督の在籍日数ランキング

トゥヘル前監督は何位?2004年以降にチェルシーで指揮を執った歴代監督の在籍日数ランキング

2003年、ロマン・アブラモヴィッチ氏がチェルシーのオーナーに就任後、暫定監督を除き11人がチェルシーの監督に就任。

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2022年の夏にはアブラモヴィッチ氏の体制が終わり、トッド・ベーリー氏を含むコンソーシアムがチェルシーの買収に成功。しかし、新体制になり100日後に『ビジョンの共有不足』という理由で、トーマス・トゥヘル監督をあっさり解任。新監督として、ブライトンで実績を残したグレアム・ポッター氏を招聘した。

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ポッター監督は、2027年までの長期契約となっているが、果たしてどこまでチェルシーで指揮を執ることができるのか。結果をすぐに出さなくてはいけないクラブに来たことで、早くも注目が集まっている。

そこで今回は、クラウディオ・ラニエリ氏からジョゼ・モウリーニョ氏が監督に就任した2004年以降にチェルシーで指揮をした歴代監督の在籍日数をランキング形式で紹介。前監督を務めたトゥヘル氏は何位に入るのか?

1位:ジョゼ・モウリーニョ(第1次政権)

在籍日数:1176日(2004年7月1日~2007年9月20日)

ポルト時代にリーグ優勝、チャンピオンズリーグ優勝と好成績を残したモウリーニョ氏が、その勢いのままチェルシーの監督に就任。最初のシーズンでは、当時の最多勝点記録95で50年振りにリーグを制し、フットボールリーグカップも優勝。翌シーズンもリーグ優勝を果たすなど、5つのタイトルをチームにもたらした。しかし、2007年9月18日に行われたチャンピオンズリーグのローゼンボリ戦で引き分けたことにより解任。結果的には、アブラモヴィッチ体制になり、初めて監督を務めたモウリーニョ氏が一番長くチェルシーで指揮をした監督になった。公式戦184試合で指揮を執り、124勝38分22敗という好成績を残している。

2位:ジョゼ・モウリーニョ(第2次政権)

在籍日数:899日(2013年7月1日~2015年12月17日)

2007年にチェルシーの監督を解任されたモウリーニョ氏は、その後インテル、レアルマドリードで指揮を執り多くの栄光を手に、満を持してチェルシーに復帰することが決まった。2013-14シーズンは無冠に終わったものの、2014-15シーズンは5シーズンぶりに5度目のリーグ優勝を果たした。しかし、2015-16シーズンは開幕当初から不振が続き、16節の時点で4勝3分9敗の16位と低迷する中で解任されることになった。第2次政権では公式戦136試合で指揮を執り、80勝27分29敗。モウリーニョ氏は第1次、第2次政権を合わせて、計2075日間チェルシーに在籍。これ以上長くチェルシーで指揮をする監督はもういないのでは?と思ってしまう。

3位:アントニオ・コンテ

在籍日数:742日(2016年7月1日~2018年7月13日)

2015-16シーズン10位に低迷したチームを立て直すために、コンテ氏が監督に就任。リーグ開幕当初は4バックで戦っていたが、アーセナルに惨敗した後に3バックを採用。マルコス・アロンソ、ビクター・モーゼスを両ウイングバックで起用する采配が功を奏し、そこからリーグ戦13連勝を記録。リーグ史上初となる月間最優秀監督賞を3カ月連続で受賞した。その勢いのまま2017年5月12日のウエストブロム戦でリーグ優勝。しかし、翌シーズンはFAカップで優勝したものの、上層部やディエゴ・コスタ、ウィリアンなどとの関係が悪化している状況もあり、チームを去ることになった。公式戦106試合70勝15分21敗、2つのタイトルをチェルシーにもたらした。

4位:カルロ・アンチェロッティ

在籍日数:690日(2009年7月1日~2011年5月22日)

監督就任1年目から、アンチェロッティ氏は本領発揮しリーグ&FAカップで優勝。このままの勢いを維持すると思われた2年目は、怪我人が続出し苦しい状況に。それを打破するべく、冬の移籍市場ではダビド・ルイス、フェルナンド・トーレスを獲得し巻き返しをはかったが、トーレスが上手くフィットせず、無冠で終わり解任となった。公式戦109試合68勝17分24敗、3つのタイトルを獲得した。

5位:トーマス・トゥヘル

在籍日数:589日(2021年1月26日~2022年9月7日)

ランパード氏の後を引き継ぐ形で、2020-21シーズン途中に監督に就任することになったトゥヘル氏。引き受けた当初チェルシーは9位という順位で、チャンピオンズリーグ出場権が危ぶまれる状況だったが、守備を立て直し、最終的4位。加えて、チャンピオンズリーグ決勝ではマンチェスターシティを下して、2度目のビッグイヤーをクラブにもたらした。翌シーズンは、ロメル・ルカクを獲得したものの上手くチームにフィットせず、怪我人、コロナウイルス陽性者が続々と出る中、上手くマネジメントし、UEFAスーパーカップ、クラブワールドカップと2つのタイトルを獲得。また、アブラモヴィッチ氏の資産が凍結されるなど、チームも制裁を受け、厳しい状況にあったが、リーグ戦を3位で終えチャンピオンズリーグ出場権を獲得。しかし、今シーズンは新オーナー陣との関係が上手くいかず、成績も安定しない状況となり解任。公式戦100試合63勝19分18敗という成績で、3つのタイトルをもたらした。

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6位:フランク・ランパード

在籍日数:571日(2019年7月4日~2021年1月25日)

主力選手だったエデン・アザールがレアルマドリードに移籍。加えて、チェルシーは補強禁止処分となり、選手を獲得できない厳しい状況にあった中で、クラブのレジェンドだったランパード氏を監督に抜擢した。補強は出来なかったもののメイソン・マウント、リース・ジェームズ、タミー・エイブラハムなど、ローンで他クラブに出ていた若手選手を積極的に起用し、リーグ4位という結果を残した。しかし、ティモ・ヴェルナー、カイ・ハヴァーツ、ハキム・ツィエクなど大型補強をした翌シーズンは、12月ごろから成績が低迷。順位が9位まで落ちた2021年1月に解任されることになった。公式戦84試合44勝15分25敗という成績に終わった。

7位:マウリツィオ・サッリ

在籍日数:351日(2018年7月14日~2019年6月30日)

初のイタリア国外での指揮となったサッリ氏。4-3-3でジョルジーニョをアンカーに据える形をとり、当初は好調な成績を残していた。しかし、ジョルジーニョ対策を相手チームに取られ始めてから成績が徐々に下降。2019年2月のマンチェスターシティ戦では6対0で惨敗するなど、進退問題が浮上していたが、そこから持ち直しリーグ3位。ヨーロッパカップのタイトルを獲得するなど、結果を残したがサッリ氏自身がイタリアへ戻ることを希望したため、1年という短い期間でクラブを去ることになった。公式戦では63試合で指揮を執り、40勝11分12敗だった。

8位タイ:アンドレ・ビラス・ボアス

在籍日数:247日(2011年7月1日~2012年3月4日)

ポルトで結果を残し、2011年夏に33歳と8カ月という若さで監督に就任したビラス・ボアス氏。しかし、選手との確執や成績不振などが理由になり、翌年の3月に解任。公式戦40試合で指揮を執り、20勝10分10敗だった。

8位タイ:アヴラム・グラント

在籍日数:247日(2007年9月20日~2008年5月24日)

2007年にチェルシーのフットボールディレクターに就任したグラント氏。同年9月20日にモウリーニョ氏が辞任したことにより監督に抜擢。チャンピオンズリーグにおいて、クラブ史上初となる決勝進出を果たしたが、マンチェスターユナイテッドに敗れビッグイヤーを獲得することができず、4季ぶりに無冠となり解任された。公式戦55試合36勝12分7敗という成績を残した。

10位:ルイス・フェリペ・スコラーリ

在籍日数:223日(2008年7月1日~2009年2月9日)

ブラジル代表、ポルトガル代表で監督をしていたスコラーリ氏。2008年夏に欧州クラブ(チェルシー)で初めて指揮を執ることを決断した。開幕から12試合(9勝3分)負けなしと素晴らしい成績を残していたが、リヴァプール、マンチェスターユナイテッド、アーセナルとライバルチームとの戦いで敗れる結果が続き解任。公式戦36試合20勝10分6敗という成績でチームを去った。

11位:ロベルト・ディマッテオ

在籍日数:161日(2012年6月13日~2012年11月21日)

2011年に古巣であるチェルシーのアシスタントコーチに就任したが、12年3月にビラス・ボアス氏の解任に伴い、暫定的に監督に昇格した。リーグ戦では順位を上げられず6位に終わったが、国内外でのカップ戦では順調に勝ち進み、FAカップで優勝。チャンピオンズリーグ決勝でもPK戦の末にバイエルンミュンヘンに勝利するなど、チェルシーにとって初のビッグイヤー獲得に貢献した。シーズン後に、正式に監督として2年契約を結んだが、同年11月に成績が下降し解任。正式・暫定と合わせて、公式戦42試合25勝8分9敗という成績だったが、初のビッグイヤー獲得という歴史的快挙を成し遂げた。

12位:グレアム・ポッター

在籍日数:29日(2022年9月8日~)

ブライトンの監督を務めていたポッター氏だったが、トゥヘル氏の解任に伴い、シーズン途中でチェルシーの監督に就任することを決断した。就任後3試合を戦い、ここまで2勝1分とチームの調子を上げてきている。

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その他に、暫定監督としてラファエル・ベニテス氏(在籍期間220日・48試合28勝10分10敗)、フース・ヒディング氏(在籍期間331日・49試合26勝16分7敗)などが指揮を執ってきたチェルシー。

新たなスタートを切ったポッター監督は、どこまで在籍期間を延ばせるのか?モウリーニョ氏の持つ偉大な記録を抜くことを期待したい。

(※データはTransfermarktなどを参照、2022年10月7日時点)