マウリシオ・ポチェッティーノ前監督は何位?2004年以降にチェルシーで指揮を執った歴代監督の在籍日数ランキング
2022年の夏にロマン・アブラモヴィッチ体制が終わり、トッド・ベーリー氏を含むコンソーシアムがチェルシーを買収。しかし、新体制になり100日後に『ビジョンの共有不足』という理由で、トーマス・トゥヘル氏を解任。新監督として、ブライトンで実績を残したグレアム・ポッター氏を招聘したが、結果を残すことができず昨年4月にクラブを去ることになった。
そして昨年7月にマウリシオ・ポチェッティーノ氏が新指揮官に任命。怪我人などが相次ぎ、シーズン序盤はかなり苦戦していたが、徐々に結果を残しながら、最終的にはリーグ6位(18勝9分11敗)という成績で、欧州のコンペティション出場権獲得まで押し上げたが…わずか1シーズンでチームを去ることになった。
今回は、クラウディオ・ラニエリ氏からジョゼ・モウリーニョ氏が監督に就任した2004年以降にチェルシーで指揮をした歴代監督の在籍日数をランキング形式で紹介。前監督を務めたポチェッティーノ氏は何位に入るのだろうか?
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1位:ジョゼ・モウリーニョ(第1次政権)
在籍日数:1176日(2004年7月1日~2007年9月20日)
ポルト時代にリーグ優勝、チャンピオンズリーグ優勝と好成績を残したモウリーニョ氏が、その勢いのままチェルシーの監督に就任。最初のシーズンでは、当時の最多勝点記録95で50年振りにリーグを制し、フットボールリーグカップも優勝。翌シーズンもリーグ優勝を果たすなど、5つのタイトルをチームにもたらした。
しかし、2007年9月18日に行われたチャンピオンズリーグのローゼンボリ戦で引き分けたことにより解任。結果的には、アブラモヴィッチ体制になり、初めて監督を務めたモウリーニョ氏が一番長くチェルシーで指揮をした監督になった。公式戦184試合で指揮を執り、124勝38分22敗という好成績を残している。
2位:ジョゼ・モウリーニョ(第2次政権)
在籍日数:899日(2013年7月1日~2015年12月17日)
2007年にチェルシーの監督を解任されたモウリーニョ氏は、その後インテル、レアルマドリードで指揮を執り多くの栄光を手に、満を持してチェルシーに復帰することが決まった。2013-14シーズンは無冠に終わったものの、2014-15シーズンは5シーズンぶりに5度目のリーグ優勝を果たした。しかし、2015-16シーズンは開幕当初から不振が続き、16節の時点で4勝3分9敗の16位と低迷する中で解任されることになった。第2次政権では公式戦136試合で指揮を執り、80勝27分29敗。モウリーニョ氏は第1次、第2次政権を合わせて、計2075日間チェルシーに在籍した。
3位:アントニオ・コンテ
在籍日数:742日(2016年7月1日~2018年7月13日)
2015-16シーズン10位に低迷したチームを立て直すために、コンテ氏が監督に就任。リーグ開幕当初は4バックで戦っていたが、アーセナルに惨敗した後に3バックを採用。マルコス・アロンソ、ビクター・モーゼスを両ウイングバックで起用する采配が功を奏し、そこからリーグ戦13連勝を記録。リーグ史上初となる月間最優秀監督賞を3カ月連続で受賞した。
その勢いのまま2017年5月12日のウエストブロム戦でリーグ優勝。しかし、翌シーズンはFAカップで優勝したものの、上層部やディエゴ・コスタ、ウィリアンなどとの関係が悪化する状況もあり、チームを去ることになった。公式戦106試合70勝15分21敗、2つのタイトルをチェルシーにもたらした。
4位:カルロ・アンチェロッティ
在籍日数:690日(2009年7月1日~2011年5月22日)
監督就任1年目から、アンチェロッティ氏は本領発揮しリーグ&FAカップで優勝。このままの勢いを維持すると思われた2年目は、怪我人が続出し苦しい状況に。それを打破するべく、冬の移籍市場ではダビド・ルイス、フェルナンド・トーレスを獲得し巻き返しをはかったが、トーレスが上手くフィットせず、無冠で終わり解任となった。公式戦109試合68勝17分24敗、3つのタイトルを獲得した。
5位:トーマス・トゥヘル
在籍日数:589日(2021年1月26日~2022年9月7日)
ランパード氏の後を引き継ぐ形で、2020-21シーズン途中に監督に就任することになったトゥヘル氏。引き受けた当初チェルシーは9位という順位で、チャンピオンズリーグ出場権が危ぶまれる状況だったが、守備を立て直し、最終的には4位フィニッシュ。加えて、チャンピオンズリーグ決勝ではマンチェスターシティを下して、2度目のビッグイヤーをクラブにもたらした。
翌シーズンは、UEFAスーパーカップ、クラブワールドカップと2つのタイトルを獲得。また、アブラモヴィッチ氏の資産が凍結されるなど、チームも制裁を受け、厳しい状況にあったが、リーグ戦を3位で終えチャンピオンズリーグ出場権を獲得。しかし、新オーナー陣との関係が上手くいかず、成績も安定しない状況となり解任。公式戦100試合63勝19分18敗という成績で、3つのタイトルをもたらした。
6位:フランク・ランパード
在籍日数:571日(2019年7月4日~2021年1月25日)
主力選手だったエデン・アザールがレアルマドリードに移籍。加えて、チェルシーは補強禁止処分となり、選手を獲得できない厳しい状況にあった中で、クラブのレジェンドだったランパード氏を監督に抜擢した。補強は出来なかったもののメイソン・マウント、リース・ジェームズ、タミー・エイブラハムなど、ローンで他クラブに出ていた若手選手を積極的に起用し、リーグ4位という結果を残した。しかし、ティモ・ヴェルナー、カイ・ハヴァーツ、ハキム・ツィエクなど大型補強をした翌シーズンは、12月ごろから成績が低迷。順位が9位まで落ちた2021年1月に解任されることになった。公式戦84試合44勝15分25敗という成績に終わった。
7位:マウリツィオ・サッリ
在籍日数:351日(2018年7月14日~2019年6月30日)
初のイタリア国外での指揮となったサッリ氏。4-3-3でジョルジーニョをアンカーに据える形をとり、当初は好調な成績を残していた。しかし、ジョルジーニョ対策を相手チームに取られ始めてから成績が徐々に下降。2019年2月のマンチェスターシティ戦では6対0で惨敗するなど、進退問題が浮上していたが、そこから持ち直しリーグ3位。ヨーロッパカップのタイトルを獲得するなど、結果を残したがサッリ氏自身がイタリアへ戻ることを希望したため、1年という短い期間でクラブを去ることになった。公式戦63試合40勝11分12敗という成績だった。
8位:マウリシオ・ポチェッティーノ
在籍日数:325日(2023年7月1日~2024年5月21日)
トッテナム、PSGで指揮をしていたポチェッティーノ氏。コミュニケーションが上手く、若手選手の成長に一役買ってくれることを期待して、昨夏に彼を招聘した。シーズン序盤は怪我人なども続出し、中々結果を出すことが出来なかったが、最終的にリーグ6位まで押し上げ、ヨーロッパのコンペティション出場(ECL or EL)を掴んだ。
しかし、夏の補強の関与などについてポチェッティーノ氏とクラブ側の意見が一致しなかったことが原因となり、双方合意の上で契約を解除となった。成績は公式戦51試合27勝10分14敗。カラバオカップ決勝、FAカップ準決勝までチームを導いたが、タイトル獲得には至らなかった。
9位タイ:アンドレ・ビラス・ボアス
在籍日数:247日(2011年7月1日~2012年3月4日)
ポルトで結果を残し、2011年夏に33歳と8カ月という若さで監督に就任したビラス・ボアス氏。しかし、選手との確執や成績不振などが理由になり、翌年の3月に解任。公式戦40試合で指揮を執り、20勝10分10敗だった。
9位タイ:アヴラム・グラント
在籍日数:247日(2007年9月20日~2008年5月24日)
2007年にチェルシーのフットボールディレクターに就任したグラント氏。同年9月20日にモウリーニョ氏が辞任したことにより監督に抜擢。チャンピオンズリーグにおいて、クラブ史上初となる決勝進出を果たしたが、マンチェスターユナイテッドに敗れビッグイヤーを獲得することができず、4季ぶりに無冠となり解任された。公式戦55試合36勝12分7敗という成績を残した。
11位:ルイス・フェリペ・スコラーリ
在籍日数:223日(2008年7月1日~2009年2月9日)
ブラジル代表、ポルトガル代表で監督をしていたスコラーリ氏。2008年夏に欧州クラブ(チェルシー)で初めて指揮を執ることを決断した。開幕から12試合(9勝3分)負けなしと素晴らしい成績を残していたが、リヴァプール、マンチェスターユナイテッド、アーセナルとライバルチームとの戦いで敗れる結果が続き解任。公式戦36試合20勝10分6敗という成績でチームを去った。
12位:グレアム・ポッター
在籍日数:206日(2022年9月8日~2023年4月2日)
ブライトンで2022-23シーズンをスタートさせたポッター氏だったが、トゥヘル氏が解任されたことにより、チェルシーがオファー。それを受け入れ、シーズン途中でチェルシーの監督に就任することになった。就任当初は、公式戦9試合(6勝3分)負けなしと勢いに乗っていたが、その後リーグ戦4連敗(ブライトン、アーセナル、マンチェスターシティ、ニューカッスルユナイテッド)と結果を出せないままカタールW杯へ。
ブレイク期間で立て直しを期待されたが、W杯明けも結果を出すことができず、2023年4月1日にアストンビラに負けた後に解任された。公式戦31試合12勝8分11敗と成績は不振だったが、CLではチームをベスト8に導くことに成功していた。
13位:ロベルト・ディマッテオ
在籍日数:161日(2012年6月13日~2012年11月21日)
2011年に古巣であるチェルシーのアシスタントコーチに就任したが、12年3月にビラス・ボアス氏の解任に伴い、暫定的に監督に昇格した。リーグ戦では順位を上げられず6位に終わったが、国内外でのカップ戦では順調に勝ち進み、FAカップで優勝。チャンピオンズリーグ決勝でもPK戦の末にバイエルンミュンヘンに勝利するなど、チェルシーにとって初のビッグイヤー獲得に貢献した。シーズン後に、正式に監督として2年契約を結んだが、同年11月に成績が下降し解任。正式・暫定と合わせて、公式戦42試合25勝8分9敗という成績でチームを去った。
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ポチェッティーノ氏は在籍日数325日間で、ランキング8位という結果だった。オーナー変更後ポッター氏、ポチェッティーノ氏と短命が続いているチェルシー。長期プロジェクトに最適な人材はいるのだろうか。それが、次の監督であってほしいと…切に願いたい。
Source:Transfer Markt ※2024年5月22日時点
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