「リース・ジェームズもここに来るように言ってくれたんだ」オマリ・ハッチンソンがチェルシーで叶えたい最終目標は?

「リース・ジェームズもここに来るように言ってくれたんだ」オマリ・ハッチンソンがチェルシーで叶えたい最終目標は?

2022年夏に、アーセナルからチェルシーに移籍したオマリ・ハッチンソン(20・WG)。昨シーズンは、主にU-21に所属しプレミアムリーグ2では7ゴール・8アシストを記録するなどの活躍を見せ、今年1月にはマンチェスターシティ戦でプレミアリーグデビューを果たし、注目を浴びていた。

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そして今夏には、チャンピオンシップのイプスウィッチタウンにレンタル移籍。ここまで公式戦19試合に出場し、2ゴール・3アシストを記録するなど、シニアチームでも着実に成長する姿を見せている。そんな彼が、アーセナルを離れてチェルシーに移籍した理由、リース・ジェームズとの繋がり、今シーズンの目標、チェルシーでの最終目標について話をした。

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「僕は、11歳からU-23でプレーするまでアーセナルに在籍していた。そこには友達もたくさんいるし、コーチングスタッフにも恵まれていたから、いつも愛されていると感じていた。ファンのみんなも、僕がトップチームに押し上げられるのを待っていた…。でも、ある理由でうまくいかなかったから、それを乗り越えなければいけなかったんだ。

そして、チェルシーの人たちと話をして、彼らが僕のために用意してくれた道筋を見ることができた。そこのスタッフや何人かの選手も知っていたし、ジェームズもここに来るように言ってくれた。彼は、“イプスウィッチで自分の力を発揮して、戻って来て(チェルシーへの)準備をするんだ”と、今回のレンタル移籍についてもアドバイスをくれた。

ジェームズもアカデミーからチャンピオンシップ(ウィガンアスレティック)へのレンタル移籍を経験し、今はトップチームでプレーをしている。昨シーズン、シニアチームと練習したとき、彼はいつも僕のチームにいたから相手をすることはなかった。だから、近いうちに対峙したいね。誰もがチェルシーをポジティブに評価していたし、ここまではうまくいっていると思う」

現在、チェルシーでキャプテンマークを巻いてプレーをしているジェームズ。その足跡をたどる機会に魅力を感じ、チャンピオンシップへの挑戦を決意。また父親同士も仲が良かったことから、昔から親交のあったジェームズとハッチンソン。彼からの連絡がチェルシー移籍の決め手になったようだ。

-マンチェスターC戦での苦い思い出-

2023年1月に行われたホームでのマンチェスターシティ戦でシニアデビューを飾ったハッチンソン。プレー時間は22分だったが存在感を示すことができず、リーグ初戦はほろ苦い思い出になったようだ。

「正直言って、出番があるとは思っていなかった。『よりにもよってマンチェスターシティ戦に出るなんて!』と感じていた。緊張していたし、考えすぎていた。U-21の本拠地・キングスメドウでは数百人の観客の前でプレーをしていたのに、スタンフォードブリッジでは4万人、テレビの生中継もあるんだよ。ピッチに立った瞬間から、何百試合もこなしている25歳の大人のプレーを期待されたけど、すぐにスイッチを入れることはできなかった。

でも、それが普通だし、人生にはそういう時もある。でも、もしまたシティと対戦することがあれば、僕は違う選手になるだろうね。(プレミアリーグは)子供の頃から夢見ていたことだし、大きな経験と自信になったんだ」

イプスウィッチタウンでは、観客が多くスウォンジーシティ戦(11月11日)には、約3万人の観客前でプレー。本人も多くのファンの前でプレーをすることに慣れてきているという。そして、そのパフォーマンスにも変化が表れてきている。

「チェルシーU-21にいたとき、監督は僕のプレーを見て、プレッシングが得意だと言っていたけど、必要以上にプレッシングをかけなかったんだ。でも今は、だいぶ上達したよ。サディオ・マネやモハメド・サラーのクリップも見て、それを自分のプレーにも取り入れている。キーラン・マッケナ監督(イプスウィッチタウン)も、“今まで見てきた中で最高のプレッサー”だと言ってくれた。それを強みにしているんだ。

そして、試合を読む力も必要になっている。ボールがピッチの反対側にあるときは、次に何が起こるかを予測するようにしている。相手がミスをしたら、いいポジションで飛び出したり、右サイドバックを助けるために先読みしたり、今はそんな感じなんだ。でも僕はそれを楽しみ始めている。自分が行きたいところに行くためには、自分がやらなければならないんだ」

彼が話すように、シニア初ゴールは9月のサウサンプトン戦で、ピッチの高い位置でのタックルに勝ったことから生まれるなど、前線からの守備を意識し始めたハッチンソン。マッケナ監督も彼のプレッシングが、チャンスに繋がっていると評価。加えて、ここ2、3カ月の間に背後への動き出しが格段に良くなったと明かしてくれた。最後に、今シーズンの目標&チェルシーでの究極の目標について明かしてくれた。

「17歳のときに達成したいことのリストを作り始めたんだ。当時は、ただアーセナルの23歳以下のチームに入り、そこで良い結果を残すことだけを考えていた。だけど今は、どのチームにいても、ゴールやアシスト、マン・オブ・ザ・マッチ賞の数などを目標にするようにしている。イプスウィッチタウンでは、シーズン10ゴール・10アシスト、クラブのヤング・プレーヤー・オブ・ザ・シーズンの受賞など、新しい目標を課している。

そして、その先もある。それはチェルシーで成功すること、究極の目標は“チャンピオンズリーグ優勝”なんだ。スマホのスクリーンセーバーにCLのトロフィーの写真を設定しているから、毎日見ているよ。高みを目指しているのは分かっているけど…それは悪いことじゃない。リストのすべてを達成しなければ、(CL優勝は)達成できないけど、それをモチベーションにしている。僕は自分を信じているし、自分が何をもたらすことができるかは分かっている。ハードワークするし、自信もある。何も怖くないよ」

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チェルシーでの競争はもちろん厳しいものになる。同ポジションには、ラヒーム・スターリング、コール・パルマー、ミハイロ・ムドリク、ノニ・マドゥエケといった選手がいる。加えてローン移籍している中には、アンジェロ・ガブリエル(ストラスブール)やディエゴ・モレイラ(リヨン)などいったライバルがいる。

しかし、チャンピオンズリーグ優勝という最終目標のために、闘志を燃やしているハッチンソン。まずはチャンピオンシップで自身の掲げた目標を達成して、キャプテンのジェームズと共に来シーズンはスタンフォードブリッジのピッチに立つ姿を心待ちにしたい。

Souce:The Athletic、Ipswich Town FC