チェルシーの新監督に就任したマウリシオ・ポチェッティーノ氏。新シーズンの目標や選手に期待することは?

チェルシーの新監督に就任したマウリシオ・ポチェッティーノ氏。新シーズンの目標や選手に期待することは?

2023年7月1日に、マウリシオ・ポチェッティーノ氏がチェルシーの監督に正式に就任。その2日後には、コブハムに到着しチェルシーでのファーストインタビューに応じた。

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そこで、チェルシーの監督に就任した理由、クラブの常勝文化の構築、選手に期待すること、プレシーズン&開幕戦(リヴァプール)、サポーターとの関係、新シーズンの目標などについて話をした。

「自分にとって、今のチェルシーに関われることは喜ばしく、名誉なこと。チェルシーは世界で最も偉大なクラブのひとつだから、もちろんここに来る決断を下すのは簡単なことだったよ。オーナーとスポーツディレクターは最初からプロジェクトについてとても明確で、自分たちはこのプロジェクトに参加できるのが楽しみだった。

今のチェルシーは非常に若いチームで、これまでとは異なるアプローチで仕事ができることは、エキサイティング。だけど、今後数年間でチームの成功を築くためには、本当に必死に努力し、トレーニングピッチでは非常に良い雰囲気を作らなければならないことを全員理解する必要がある。

自分たちはクラブとファンのためにここにいる。サッカーで最も重要なことは、彼らが満足でき、自分たちコーチ陣の取り組みに誇りを感じてくれること。この10年、12年、15年、チェルシーはイングランドで最も偉大なチーム。プレミアリーグのことはよくわかっているし、チェルシーの文化が何を意味するかも知っている。このクラブの目標は常に頂点に立つこと、ファンは再び勝利への道を歩むことを楽しみにしているんだ」

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と新生チェルシーで仕事ができることやオーナーのプロジェクトが決め手となり、監督を引き受けたという。マテオ・コバチッチやエンゴロ・カンテ、ジョルジーニョなど経験豊富な選手たちが去っていく中、ミハイロ・ムドリク、エンソ・フェルナンデス、ノニ・マドゥエケ、アンドレイ・サントス、カーニー・チュクエメカといった10代後半~20代前半の選手が多く加入したチェルシー。ポチェッティーノ監督は彼らに何を期待しているのだろうか。

「期待するのは、彼らが心を開き、自分たちにマネジメントを任せてくれること。まず、彼らがここで快適に過ごせるようなプラットフォームを作る必要がある。選手は自分たちの居場所を持ち、チームにとって重要な存在であると感じる必要があるんだ。

選手たちが成功するために、個人&チームとして向上させていきたい。自分たちには経験があり、ともに素晴らしい旅を創り出すことができると感じている。チームがひとつになれば強くなるし、このクラブには素晴らしい選手たちがいる。(今後も)その一員になりたいと願う献身的な選手たちが加入してくるはずだ。そして、私たちもそれを望んでいるし、このコーチ陣とともにこのクラブでプレーしたいと思っている選手、クラブが掲げる目標に向かってオープンでいられる選手が必要なんだ」

-勝つことを目標に戦う-

ポチェッティーノ氏は、現在51歳。現役時代にアルゼンチン代表でセンターバックとして活躍。現役引退後は、2009年1月に在籍していた古巣のエスパニョールの監督に就任。以降はサウサンプトン、トッテナムとプレミアリーグで指揮を執り、トッテナムでは2018-19シーズンにチームをチャンピオンズリーグ決勝まで導いた経験がある。

長年ロンドンのライバルクラブで指揮していたポチェッティーノ氏だが、今はチェルシーのサポーターと良い関係を築いていくことが重要だと話した。

「ファンと良い関係を築かなければならないことはよく分かっている。過去は過去であり、みんなそれを尊重し、誇りに思っている。だけど、今は新しいクラブのファンと一緒に築き上げていく時間だ。新しいファンと良い関係を築くのが自分たちの責任。できるだけ早く、良いフィーリングを作り出せることを願っている。

一体感を示し、クラブを大切にし、ファンを大切にし、エンブレムのために最後まで戦うチームになる必要があるし、それが一番大事だと思っている。約束できるのは、しっかり努力して最後までこのユニフォームを守り抜くこと。ファンが誇りを感じ、自分たちが本当にこのクラブを大切にしていることを示すために、あらゆることをしていきたい。それを約束したいんだ」

と過去を尊重しつつも、今はブルーズのために全てを捧げたい気持ちがあることを明かした。昨年に続き、2023-24シーズンもプレシーズンを米国で行うことになったチェルシーは、7月19日~8月2日までに合計5試合を行うことが決定している。その重要性&リヴァプールとの開幕戦(8月13日)についても言及した。

「まず、プレシーズンは目的が異なるんだ。結果を出す必要があるのは、プレミアリーグなどのコンペティション。だから、選手たちが成長し、調子を上げ、万全のコンディションでプレシーズンを迎えられるよう、最高のツールを提供していきたい。まだチームは構築中で、クラブはできるだけ早く一緒にトレーニングできるように選手たちをここに集めている。(プレシーズンは)みんなで一緒にトレーニングに励んで、ピッチで自分たちを活かす方法を見つけるための完璧な環境になるだろうね。

そして、スタンフォードブリッジでのプレミアリーグ初戦は、相手がリヴァプールだということもあってとても楽しみなんだ。非常に優れたチームと対戦することになるし、今はスタンフォードブリッジでプレーをする自分たちをイメージすることが重要。スタジアムのことはよくわかっているし、ファンと一緒にいい雰囲気を作り出したい」

最後に今シーズンの目標を聞かれると、

「サッカーは勝つためにあるのだから、目的は勝つこと。良い時間を過ごし、良い人間関係を築き、良い環境と人間関係を持つことも大事だけど、最終的に最も重要なのは勝つことだ。勝てば、他のすべてのことが発展する。サッカーは結果を出すものだ。だけど、どうやって勝つかも大事にしたい。

最終的には勝つこと、他のクラブと競えること、毎週、毎試合猛獣のように闘っていくことが最大の目標になる。だけど、そのためには、練習場でのトレーニングでの姿勢が大事だ。ライオンや狼、どんな動物でもいいけど、そういう態度が必要となる。そういったメンタリティと、自分たちは誰にでも勝てるという感覚を作り出すために、本当に自分たち自身に厳しくなる必要があるんだ」

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昨シーズン12位と不甲斐ない成績を残した中、アカデミー出身のメイソン・マウントやルベン・ロフタスチークがクラブを去り、CLで決勝点を挙げたカイ・ハヴァーツ、キャプテンのセサル・アスピリクエタも退団。このようなネガティブな状況の中、ポチェッティーノ新監督は、選手たちがチェルシーで快適に過ごせるようなプラットフォームを作ること。そして、常に勝利を目指すことのできる集団を作り出していきたいと意気込みを語った。

ポチェッティーノ監督と共に新メンバーたちで、どこまで戦うことができるのか。もちろん多くの主力選手が退団したことで不安があることは事実…しかしそれ以上に、新体制でどのようなサッカーを披露してくれるのかに期待をしたい。

※Source:ChelseaFC