「僕はバーンリーで特別な役割を担っている」イアン・マートセンがコンパニ監督から学び成長できている理由は?

「僕はバーンリーで特別な役割を担っている」イアン・マートセンがコンパニ監督から学び成長できている理由は?

2018年夏にPSVからチェルシーに移籍した21歳のイアン・マートセン。今シーズンは、チャンピオンシップのバーンリーにローン移籍中だが、その中で目覚ましい成長を遂げている。

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マートセンは、左サイドバックや左ウイングバックを主戦場とする攻撃的な選手として、チャールトン、コベントリーシティなどでプレーを行いながら、イギリスのフットボールに馴染んでいくと、今シーズンはバーンリーでその才能が開花。ここまで公式戦31試合に出場し、4ゴール・5アシストを記録するなど、シーズン途中だが既にプロキャリアで最高の成績をマークしている。

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そんなマートセンが、バーンリーへの移籍、ヴァンサン・コンパニ監督から学んでいること、得点・アシストを多く記録できている理由、マンチェスターユナイテッドとの戦い(カラバオカップ)で得た事などについて話をした。

「シーズンが始まる前に、できるだけ早くローンの状況を整理して、最初からここ(バーンリー)にいたかった。そうすることで、プレーをしている間に自分自身を適応させる必要がないことを確認したかったし、新しいプレーヤーと新しい場所だから、シーズン初日からいたかったんだ。

最初の試合前には、チームと一緒に 1 週​​間ほどトレーニングしただけだったから、ほとんどの選手のことをまだ知らなかった。でもこの試合は、特別なものになったんだ。今シーズン最初のチャンピオンシップの試合(ハダースフィールド戦)は、金曜の夜でみんなが見ていて、幸運にもゴールを決めることができ、いいプレーができた。その瞬間、自分のパフォーマンス、プレーの方法、ピッチ内外での振る舞い方を継続する必要があると考えたよ。だから、今はシーズンの終わりまでそれを維持したいんだ」

とバーンリーへのローン移籍の裏側、そして初試合でゴールを決められたことが自信となったことを明かした。その後もレギュラーとして出場を続け、チームの勝利に貢献していくと、今年1月にはチャンピオンシップ月間最優秀選手賞に選出するなど、好パフォーマンスを維持している。

「良い賞を獲得できたね。すべてのローン経験を通して、これが今までで最高のローン移籍だと思うので、本当に嬉しかったよ。今シーズン達成できた数字(4ゴール・5アシスト)にも驚いているし、僕はこのチームで特別な役割を担っている。コンパニ監督が求めるプレーは、ボールを持ってポゼッションをする、そしてチームメイトと協力すること。そうすることで、プレーをするための自由な空間を与えてくれたんだ。もし僕が間違ったことをしたり、もっとうまくやらなければならないことを指導する必要があれば、コンパニ監督は私を横に置いて『こうする必要がある』と言ってくれる。だから、あとは自分のやることを続けるだけだよ」

と元マンチェスターシティでキャプテンを務めた経験もあるコンパニ監督の指導が、自身の成長に大きな影響を与えていることを明かした。

「現時点で、私にとってこれ以上のマネージャーはいないと思っているよ。それはピッチの中だけではなく、プロとしての生き方や自分が満足できない場合にピッチ外でどのように対処するかなども含まれている。だから本当に助かっているよ。また、選手として今シーズン何を達成したいのかについて、彼と話をしたことがあるんだ。僕は向上し、成長し、次のステップに進みたいと正直に伝えた。そして、それは私と彼の間で本当にうまくリンクしているんだ」

-3回のローン移籍で順調にステップアップ-

バーンリーはコンパニ監督の元、現在首位に立っており、2位のシェフィールドユナイテッドとも勝点10差となっていることから、プレミアリーグ昇格の可能性が高まっている。リーグワン(チャールトン)、チャンピオンシップ(コベントリーシティ)、そして今はバーンリーで優勝を目指して戦う日々。順調にステップアップしている状況について、満足をしていると話した。

「1回目、2回目のレンタルではシニアサッカーを経験するためのものだったし、2回目のコベントリーシティではシーズンの全体像を把握したいと思っていたんだ。そして今回は、次のステップで自分がどのような存在になれるか、自分の成長に焦点を当てているんだ。自分にかかるプレッシャーが違う中で、より多くの経験を積むために、チャンピオンシップでもう1年プレーすることを選んだのが、今のところ上手くいっている。

カラバオカップ4回戦では、マンチェスターユナイテッドと対戦することもできた。プレミアリーグのトップチームと対戦するのは初めてだったから、自分自身にとってもチームにとっても、どこまで進歩しているかを確認する良いテストだったと思う。結果(2対0で敗戦)は十分なものじゃなかったけど、プレミアリーグのトッププレーヤーに対して自分の能力を示すことができたことが重要だった。この良いステップを今後も続けて、シーズン終了後にどうなるかを見てみたいね」

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チェルシーではベン・チルウェル、マルク・ククレジャといった選手が同ポジションでプレーをしており、すぐにチェルシーでプレーをすることは難しいかもしれない。しかし、コンパニ監督に信頼されているマートセンが、来季もレンタルでバーンリーに移籍することができれば、プレミアリーグで戦える可能性もあり、さらなる成長が期待できる。

マートセンは貴重な左利きのサイドアタッカーであり、チェルシーで重宝される存在なることが予想される。チェルシーでのチャンスは必ずくるはず…そして、その日はそう遠くはないのかもしれない。

※データは2023年3月10日時点。(Source:ChelseaFC)