「人生で一度もプレッシャーを感じたことはない」エンソ・フェルナンデスが明かすチェルシー移籍とカタールW杯優勝の裏側
- 2023.03.02
- Column
- カタールワールドカップ, エンソ・フェルナンデス, リバープレート, リオネル・メッシ, アルゼンチン代表, ベンフィカ, チェルシー
2022年カタールW杯でアルゼンチンの優勝に大きく貢献し、最優秀若手選手賞にも選ばれた22歳のエンソ・フェルナンデス。2023年1月の移籍市場最終日に、ベンフィカからプレミアリーグ史上最高額の1億2100万ユーロ(約171億円)でチェルシーに加入し、ここまで公式戦5試合にフル出場し、1アシストを記録するなど、存在感を示している。
フェルナンデスは、リーベルプレートでプロキャリアをスタート。2022年夏 ベンフィカに完全移籍で加入し、公式戦29試合に出場し、4ゴール・7アシストを記録するなど、中盤の選手でありながらもゴール&アシストを量産できるタイプとして注目。W杯での活躍が決定的なものとなり、多くのクラブが今夏に獲得に動こうとしていたが、冬にリリース条項を支払うことに応じたチェルシーが、獲得レースに勝利した。
そんなフェルナンデスが、サッカーをスタートさせた幼少時代、エンソという名前の由来、エルナン・クレスポとの出会い、リオネル・メッシへの想い、カタールW杯での優勝、プレミアリーグ挑戦などについて話をした。
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アルゼンチン ブエノスアイレスの大都市、サンマルティンのビージャボニチュという土地で生まれたフェルナンデス。近くにあったジュニアチームのクラブ・ラ・レコバで、兄弟と一緒にサッカーを始め、6歳の時に名門のリバープレートのトレーニングに参加。18歳になるまで同クラブでプレーを続けた。
「人生の大半をリバープレートで過ごしたんだ。愛と信頼を寄せてくれたことに感謝しているよ。小さい頃からこのクラブの大ファンで、クラブに貢献出来て本当に良かった。選手としても進化を遂げることができたと思っているんだ。
コパ・リベルタドーレスでもプレーをしたけど、リーグ優勝の方が自分にとっては素晴らしい経験だった。リーグで優勝することをずっと夢見ていたからね。みんなと一緒にチャンピオンになるという夢を叶えたことは、何にも代えられない経験だったよ。家族は、兄2人を除いて、みんなリバープレートのファンで、いつも自分のことを応援してくれて、側にいてくれた。彼ら自身も、自分の成功を大いに喜んでくれたんだ」
なおエンソのお父さんは、リバープレートの大ファンで、エンツォ・フランチェスコリ(※同クラブのレジェンド)にちなんで、エンソと名付けたという。彼は、2020年にリバープレートからローンで、デフェンサ・イ・フスティシアに移籍。そこでは、元チェルシーのストライカー、エルナン・クレスポの指導を受けたという。
「クレスポはとても特別な人。彼はいつも自分のことをサポートしてくれたし、彼や彼のテクニカルスタッフから多くを学んだんだ。セバスチャン・ベッカセセが来るまでの4~5カ月間、クレスポが監督だったんだけど、彼とはラ・レコパ(スーパーカップ形式の大会)でチャンピオンになったんだ。彼はとても重要な人物で、偉大なコーチだった。2人の監督から多くのことを学んだし、デフェンサ・イ・フスティシアにいた時に与えてくれたもの全てに感謝しているよ」
-欧州挑戦直後にカタールW杯優勝-
アルゼンチンでは、リバープレートとデフェンサ・イ・フスティシアのトップチームで公式戦85試合に出場し、13ゴール・12アシストを記録するなど中盤の要として攻守に活躍。そして、2022年夏に移籍金1000万ユーロ(約14億円)+800万ユーロ(約11億円)でベンフィカに完全移籍する。
「(この移籍が)自分の人生を変えてくれた。ベンフィカにはいつも感謝をしているんだ。彼らがヨーロッパの扉を開いてくれたし、クラブが自分にしてくれたこと、監督たち、チームメイトにとても感謝している。特にテクニカルスタッフは、リスボンに来てからずっと、たくさんのサポートと愛情を注いでくれた。街も大好きでとても幸せだった。
アルゼンチンからヨーロッパに移ったことは、自分にとっても家族にとっても大きな変化だったね。でも、愛する人たちやクラブにいつも支えられていると感じていた。何か困っているときは、いつでも彼らが助けてくれた。それは、とても素敵な経験だったし、そこで多くのことを学んだよ」
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フェルナンデスはベンフィカに移籍後、すぐにアルゼンチン代表に選出。欧州と代表でのキャリアをほぼ同時にスタートさせることになった。そして、そのままカタールW杯に出場し、36年ぶりの優勝に大きく貢献した。
「昨年の9月に親善試合(ホンジュラス、ジャマイカ)が2試合あったんだ。その前年、2021年にチームと一緒にトレーニングもしたけど、1年間は代表でプレーしていなかった。だけど、自分は常にトレーニングをして、自分のスタイルでプレーすることを心がけていた。
W杯では初戦のサウジアラビア戦が期待したようなものでなかったのは事実だし、望んでいたような結果も得られなかった。だけど、チームは冷静さと集中力、そして団結力を発揮した。幸運にも世界チャンピオンになれたのだから、それは本当にプライスレスだ。そしてリオネル・メッシからは、常に学ぼうとしてきた。彼は素晴らしい人間だし、チーム内で愛情をもって支えてくれた。素晴らしい人間だし、とても謙虚で、努力家なんだ。
本当にすべてが目まぐるしいスピードで起こったよ。デフェンサでプレーし、リバープレートではリーグ優勝。そして昨夏にベンフィカに移籍し、今ここ(チェルシー)にいて、去年にはW杯で優勝した。すべてが本当にあっという間だった。責任感は持ちつつも、この瞬間をできるだけ楽しみたいね」
とアルゼンチンから欧州挑戦、そしてW杯優勝と短期間で多くのことを成し遂げたフェルナンデス。わずか半年でベンフィカを離れ、プレミアリーグの挑戦を決断。大きな期待を背負って、チェルシーのユニフォームに袖を通すことになった。
「でもプレッシャーを感じたことはないんだ。人生で一度もね。プレッシャーを感じることなく、いつも全力を尽くそうとしている。今、この瞬間を楽しむことが一番大切なんだ。
僕はプレミアリーグでプレーすることにずっと憧れていた。チェルシーはここでプレーをする機会を与えてくれたし、彼らの信頼に感謝している。このクラブのすべてが好きだし、チームメイトやテクニカルスタッフにも恵まれていて、とても幸せだ。正直なところ、ここに来た時からすぐに自分の家のようにくつろぐことができた。チェルシーで最高の結果を出すために、チームメイトとともに常に全力を尽くしたい。常に自信を持ち、可能な限りの勝利を収め、選手として進化し続けたい。タイトルを獲得すること、そしてサッカーを楽しむことが一番大事だと思っている」
プレミアリーグ史上最高額で移籍してきたフェルナンデスだが、そのプレッシャーを楽しみたいと話した。契約期間は2031年夏までと、長きに渡りチェルシーの中盤を支えてくれるはず。現在チームは再編成時期で苦戦しているが、今後チームの中心選手として、必ず多くのタイトル獲得に貢献してくれるだろう。チェルシーでのさらなる活躍を期待したい。
※データは、2023年3月2日時点。(Source:ChelseaFC)
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