「僕はチェルシー一筋。連絡が来たときは驚きを隠せなかったよ」カーニー・チュクエメカが明かすチェルシー移籍の裏側

「僕はチェルシー一筋。連絡が来たときは驚きを隠せなかったよ」カーニー・チュクエメカが明かすチェルシー移籍の裏側

2022年夏に、アストンビラから移籍金2000万ポンド(約32億円)でカーニー・チュクエメカを獲得したチェルシー。新オーナーに変わり、若返りを図るチームにとって、彼がチェルシーの飛躍を担う存在となっていきそうだ。

Embed from Getty Images

今シーズン途中でポッター監督に変わり、チェルシーでプレミアリーグデビューを果たしたチュクエメカ。2022年10月8日のウルブス戦を皮切りに、ここまで公式戦9試合に出場。2023年1月15日のクリスタルパレス戦では初スタメンを飾るなど、少しずつチームでの序列が上がってきている印象。そして、自身もそのことについて満足していると話した。

「マンチェスターシティ戦のあの場面(前半22分にプリシッチが負傷し交代)で出場できたことが、自信につながった。今の自分を彼らと比較することもできたし、彼らから学ぶこともできた。プレミアリーグのどのチームと対戦しても、早い時間帯に出場することはかなり厳しいことだけど、自分のパフォーマンスは間違いなく自信になったから、いい経験になったんだ。

そしてクリスタルパレス戦は、とても楽しかった。先発だとわかった瞬間から、興奮しっぱなしだったし、初先発が勝利に終わったことは、さらに良いことだった。最近は、試合に出られるようになったし、ポッター監督が僕に示してくれた信頼もあって、自分がここにいるべきだと思えるようになったんだ。

最初の頃はかなり大変だったよ。アストンビラしか知らなかったし、シーズン当初は我慢しなければいけないと思っていた。でも今は、昨シーズンのリーグ戦の出場時間をほぼ上回っているし、自分のキャリアを一歩前進させることができたと思っている」

と今年1月6日に行われたマンチェスターシティとの一戦が転機となり、自信を持ってプレーができるようになったことを明かした。また、コブハムでは筋力トレーニングを行うようになり、“肉体的にもパワーの面でも向上し、シーズン序盤との違いを実感している”と付け加えた。

【関連記事:インテルから約30億円で獲得した19歳のチェーザレ・カサデイ。チェルシー移籍の理由を初めて明かす

-兄弟でサッカー選手。授業中にはスマホで試合を観戦-

現在19歳のチュクエメカ。実は兄のカレブもサッカー選手でアストンビラに所属し、今シーズンはクローリータウン(ローン)でプレーをしている。

「3歳か4歳の頃かな、リビングルームで兄と、やわらかいボールと使って壁やソファー、テレビにボールをぶつけて遊んでいたよ。そして次に見たのは、両親が押しかけてきて、僕らに向かって叫び、叱りつける姿だったよ。“そんなに強く蹴るんじゃない!”とね。でも2人にとって、それが始まりだったんだ」

とサッカー人生のスタートを教えてくれた。オーストリアでナイジェリア人の両親のもとに生まれたチュクエメカは、3歳のときにロンドン南東部のウーリッジに引っ越した。しかし、治安が悪かったこともあり、ノーサンプトンに引っ越し、地元を代表するノーサンプトンタウンFCのアカデミーで兄のカレブと共にプレーをしていた。

「学校の授業で、先生たちは、僕にとってサッカーがすべてであることを見抜いていたよ。授業中、スマホでサッカーの試合を見るなんてこともあったんだ。それが当たり前のことだったけど…先生はとてもよく理解してくれていた。私が集中できるように配慮してくれて、サッカー選手としてのキャリアを後押ししてくれた。自分の優先順位は明らかで、それは芝の上だったんだ。

兄はマンチェスターユナイテッドを応援している。C・ロナウドに夢中だよ。だけど、僕と父はブルーズで、チェルシー一筋。だから想像してほしい、U-19の欧州選手権帰国後に、父からチェルシーが興味を示していると言われたんだ。僕は父を見て、“え?という顔をして…チェルシー?チェルシー?と驚きを隠せなかったよ」

それから物事は急速に進み、契約書にサインし、コブハムを見学するなど、自身が応援していたチームに実際に入団。ラヒーム・スターリングとメイソン・マウントという2人のイングランド人に助けられながら、チェルシーでの練習に日々励んだという。そして、10月のウルブス戦でデビューを飾ることになった。

「(後半41分に)ウォームアップのコールを受けたとき、僕の心臓が高鳴り始めたんだ。“これは本当なのだろうか?”と、ずっと夢見てきたことだったからね。そして、3点目をアルマンド・ブロヤが決めた時、彼の背中に飛び乗って、観客を見て“凄い”と思ったのを覚えている。スタンフォードブリッジは特別なものだったよ」

とデビュー戦の心境を明かしてくれた。今年は、チームに溶け込みチャンピオンズリーグに出場することを目標にしているというチュクエメカ。

「CLデビューはどんな気分だろう? チェルシーで初ゴールを決めるのはどんな気分だろう? そして2024年には欧州選手権もあるから選ばれるためには、これからも努力を続けなければならない。そのすべては自分自身で確かめなければならないことなんだ」

幼少時代からチェルシーを応援し続け、ユニフォームに袖を通すという夢が叶ったチュクエメカ。ベストポジションは3トップの左、8番のポジションと自身が言っているが、アストンビラのアカデミーでは、中盤と前線の複数のポジションでプレーしていたこともあり、いろんな状況に適応していく能力もある。

現在は、冬の移籍市場で多くの選手が入ってきたことで、出場の機会は得られていないが、プレミアリーグに適応する力は十分にある。今後のチェルシーの中盤に、一層の輝きを与えてくれる存在になっていくだろう。

【関連記事:チェルシー2022-23 冬の移籍市場終了後の選手の背番号が確定。新加入選手の背番号は?

※データは、2023年2月24日時点。(Source:ChelseaFC)