「サッカー選手になったきっかけは不思議な出会いからなんだ」ククレジャが明かすキャリアスタートの秘話

「サッカー選手になったきっかけは不思議な出会いからなんだ」ククレジャが明かすキャリアスタートの秘話

2022年夏の移籍市場で、ブライトンからチェルシーに移籍したマルク・ククレジャ。ここまで公式戦18試合に出場し、2アシストを記録。しかし、ディフェンスラインに怪我人が多く出たため、慣れない3センターバックのポジションを担当したり、喉の痛みで体調を崩してしまうなど、自身のパフォーマンスを100パーセント発揮できないままカタールW杯でのリーグ中断を迎えてしまった。

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この中断で休養を取ることができたククレジャは、アブダビでのトレーニングキャンプに参加し、アストンビラとの親善試合では90分間プレー。素晴らしいパフォーマンスを見せ復調をアピールした。試合後には、

「アブダビでの1週間は、シーズン後半に向けて良い機会になった。若い選手が多い中、本当に良いプレーができたし、ゴールを決めるチャンスも作れた。多くの選手が負傷などから復帰して、12月27日から新しいシーズンが始まる。中断前は本当にいいプレーができなかったし、いい結果も出せなかったけど、これからが新しいシーズンとなる。チームとして団結して良いサッカーをして、試合に勝たなければならないんだ。

ポッター監督に変わってから試合が多くて、十分にトレーニングができなかったけど、やっとみんなで練習できる時間ができ、シーズン後半戦の準備を進められる。彼はいい監督。アイデアもいいし、いいサッカー、攻撃的なスタイルも持っている。そしてチェルシーには、彼のアイデアを実現するためのビッグプレーヤーも揃っているからね」

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カタールW杯での戦いを終えたカイ・ハヴァーツ、カリドゥ・クリバリ、クリスチャン・プリシッチ、エドゥアール・メンディなど、ポッター監督のアイデアを実現できる選手たちもチームに合流。リーグ再開に向けて、ククレジャ自身も調子を上げてきている様子だった。

不思議な出会いからサッカー人生がスタート

スペイン出身のククレジャは、2012年にバルセロナの育成組織ラ・マシアに入所。2016年にプロ契約を結び、バルセロナBに配属。その後、エイバルやヘタフェに所属し、2021年夏にヘタフェからブライトンに移籍したことで、プレミアリーグが主戦場となった。しかし、ラ・マシアに入所する前に、不思議な出会いからサッカー人生をスタートさせたことをThe 5th Standで明らかにした。

「サッカー選手になったきっかけは、不思議な出会いからなんだ。私の父は車のセールスマンで、サッカーが大好きで、僕と何時間も一緒に遊んでくれていた。8歳くらいのときだったかな、車を購入するために父の店を訪れたお客さんがいて、二人が会話をしているときに、サッカーの話題になったんだ。父は長男である僕のことを話し、いつも足元にボールを置いていることを話した。その人の名前は覚えていないけど…アカデミーの体験入学に連れてくるようにと言ってくれたんだ。父は顔を輝かせ「どこの?」と言うと「エスパニョールのアカデミー」と答えてくれたんだ。それから数週間、トレーニングを受けることになったんだ。あの人がいたからこそ、アカデミーに入り、卒業することができた。

父はとても厳しかったけど、良い意味での厳格さだったと思う。私が一回でもパスミスをしたり、悪いアクションをとると、彼はそれを大惨事かのように思っていた。でも…もしかしたら、それは重要なことだったのかもしれないね。私の背中を押してくれて、どうすれば改善できるかを教えてくれる、その存在が父だったんだ」

と幼少期に車を偶然買いに来たお客さんが、サッカー人生を大きく変えたことを明かした。また、チェルシー移籍前に新オーナーのトッド・ベーリー氏から連絡がきたことに、驚きを隠せなかったという。

「実は、友人や家族とイビザ島に行くために空港で待っていると、エージェントがアメリカの電話番号から朝電話があったと言ってきた。彼は最初電話に出なかったから、念のためメールを送ってみることにしたんだ。そうしたら、トッド・ベーリー氏だったことが分かった。チェルシーが僕と契約するためにミーティングをしているなんて、“ワオ”と思ったよ。イビサ行きの飛行機の搭乗締め切りまで2分。代理人からは「飛行機には乗るな、とりあえず空港にいるんだ」というメッセージがきていたけど…なぜかわからないが、数分間携帯電話をしまっていたため飛行機に乗ってしまったんだ(笑)。でも最終的にはチェルシーと契約することになった!

もちろん、この数カ月間は本当に楽しめたけど、簡単ではなかったよ。プレッシャーもあるし、毎日勝たなければならない。ブライトンでは同じようなプレッシャーがないから、そこが自分にとって大きな変化だった。毎週のリーグ戦では、相手チームがチェルシーを倒すために多くのエネルギーを注いでくる…これも大きな変化だね。でもチェルシーのようなビッグクラブでプレーできるのは本当に光栄なことで、ここでプレーすることはすべての選手の夢なんだ」

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幼少時代の転機からサッカーキャリアをスタートさせ、そこから様々な運命を辿り、チェルシーの一員となったククレジャ。大きな変化に適応し、ここから更なる活躍を期待したい。