スターリングの先制点を守れずサウサンプトンに逆転負けを喫したチェルシー。怪我人続出の状況にトゥヘル監督も危機感を募らせる

スターリングの先制点を守れずサウサンプトンに逆転負けを喫したチェルシー。怪我人続出の状況にトゥヘル監督も危機感を募らせる

2022年8月30日(日本時間31日)にプレミアリーグ2022-23第5節が行われ、チェルシーはアウェイでサウサンプトンと対戦。結果は2対1で、チェルシーが敗北。開幕5試合で、早くも2敗と厳しい序盤となっている。

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スターティングメンバーは、メンディ、アスピリクエタ、シウバ、クリバリ、ククレジャ、ロフタスチーク、ジョルジーニョ、マウント、ツィエク、ハヴァーツ、スターリングでフォーメーションは4-3-3。

サブメンバーは、ケパ、チルウェル、アンパドゥ、チュクエメカ、ギルモア、コバチッチ、プリシッチ、ヴェイル、ブロヤ。

ここまでリーグ戦2勝1分1敗のチェルシー。前節は、レスターシティ相手に10人で戦い勝利。ギャラガーがレスターシティ戦でイエロカード2枚をもらい出場停止、カンテが怪我で欠場するという状況の中、前節に続き4バックを採用。また、移籍が噂されているツィエクが今季初先発となった。

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試合は、中2日&10人で60分以上プレーをしたにも関わらず、メンバーを大幅に入れ替えられなかった事で、序盤からキレのある攻撃をする事が出来ず、守備でも不安定なシーンが見られる展開となっていた。

それでも前半23分、ハヴァーツのスルーパスにマウントがペナルティエリア内に走り込むと、その折り返しをスターリングが拾い、冷静にゴールイン。そのままの勢いを維持したかったが、前半28分にコーナーキックからのこぼれ球を拾ったサウサンプトンのロメオ・ラビアが右足で強烈なシュートを放つとメンディも弾き返すことができず失点。わずか5分で同点に追いつかれてしまった。

さらに前半のロスタイムに、左からロマン・ペローのマイナスの折り返しに、チェルシーの守備陣が全員つられてしまい、アダム・アームストロングがペナルティスポット近辺でフリーになる状態を作ってしまう。守備陣は、アームストロングに詰め寄ろうとするも左足を振り抜かれ、あっという間に逆転。2対1と悪い流れで前半を終えた。

後半に得点が必要となったチェルシーは、ロフタスチークに変えてコバチッチを投入。しかし、攻守共に機能せず、サウサンプトンのほうに大きなチャンスを与えてしまう。後半7分には、左サイドの崩しからモハメド・エルユルヌッシにヘディングシュートを放たれてしまうが、ククレジャが身を投げ出してピンチを防ぐ。

4バックが上手くいかないことで、後半21分にはチルウェル、プリシッチ、ブロヤを投入し3バックに変更。しかし、プリシッチ&ツィエクの右サイドでの攻撃が全く機能せず、左サイドからチャンスを作ろうとするものの決定的なシーンを全く作れず、後半の枠内シュートはブロヤの1本のみで、試合終了。2対1の逆転負けを喫した。トゥヘル監督は、

「今の我々には、このようなアウェイ戦に勝つだけのタフさがない。リーズユナイテッド戦の時と同じようなストーリーだった。リーズでは、最初の25分間で得点できなかったことが問題だと考えていた。2失点でバランスを崩され、答えを見つけることができなかった。今日は先制し、すべてがうまくいったが、また1つのセットプレー、1つの守備の緩みから、バランスを崩してしまった。相手が特別優秀だったわけではなく、ただチームとしてタフだったが、チームは集中力を欠いていたし、計画性も一貫性も失っていた。我々を倒すのはあまりに簡単だったと思う」

と今季はセットプレーのミスから、チームのバランスが悪くなる傾向にあると話した。また、前半で交代したロフタスチークについては、

「彼はハムストリングを痛めた。コバチッチは20分間のみの出場を推奨されていたが、結局45分間出場させることになってしまった。なぜミッドフィルダーばかり怪我をしてしまうのか理解に苦しむ状況だが、解決策を見出していかなければならない」

とリーグ開幕1カ月で、早くも怪我人続出という危機に陥っているチェルシー。昨年11月の状況に似ていると、トゥヘル監督が明かした。

「昨シーズンのチャンピオンズリーグのユベントス戦を思い出すよ。スタンフォードブリッジで素晴らしい試合をしたのに、その後チルウェルが8カ月、カンテが8週間離脱。今シーズンのトッテナム戦もそうだった。素晴らしいパフォーマンスを見せたのに、カンテが怪我をしてしまい復帰までに最低でも6週間はかかる。そして、クリバリやギャラガーのレッドカード。今日はロフタスチークが負傷離脱、ジェームズは体調不良、チャロバーも怪我とキープレーヤーに次ぐキープレーヤーの離脱だ。

しかし、もっと重要なのは、これらのキープレーヤーが欠けた場合、我々は別のメンタリティを示す必要があるということ。今は、リーズやサウサンプトンに勝つ為のそれがない。常に勝てるわけでないと謙虚に考えているが、あまりにも簡単にやられている」

昨シーズンの開幕序盤は怪我人がほとんどいなく、万全を期してシーズンインできていたが、今シーズンは既に崩壊状態といえるほど、重要な選手の離脱が目立つ。その中で、フォーメーションを4バックにするなど、トゥヘル監督は打開策を見つけようとするものの、ハヴァーツやシウバ、ロフタスチークなど代えのきかない選手に負担が掛かりすぎているため、今試合では本来のパフォーマンスができていなかった。

加えてツィエク、プリシッチ、アンパドゥ、ギルモアなど移籍する可能性を残している選手をメンバーに入れなければいけない状態になっていることも、チームにとっては難しい状況。チェルシーを退団する可能性がある選手にとっては、怪我をしないで移籍することが重要となるため、安全に試合を進めたいと思うのが本音で、トゥヘル監督も退団間近の選手を積極的に起用することを躊躇うのは当然のこと。

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チェルシーは、レスターシティからウェズレイ・フォファナを獲得することが決定的になっているが、ヴェルナー、オドイ、ルカクが移籍し、手薄になった攻撃陣の補強も考えなくてはいけない。現在、バルセロナのピエール=エメリク・オーバメヤン、エヴァートンのアンソニー・ゴードン、クリスタルパレスのウィルフレッド・ザハなどの獲得に動いると言われており、移籍期間の9月1日23時(日本時間2日7時)までに、何としても前線の選手を確保しなくてはいけないチーム状況になっている。

・チェルシーは開幕5試合で2敗。これは27シーズンで2度目。1度目は2015-16シーズンで、この時は5試合で3敗を喫し、最終順位は10位という結果だった

・チェルシーは4試合連続で失点中

 ・スターリングは2試合連続ゴールを達成

・アスピリクエタはチェルシーで450試合目の先発出場を達成