ロスタイムに失点しトッテナム戦をドローで終えたチェルシー。トゥヘル監督が審判の判定について激怒

ロスタイムに失点しトッテナム戦をドローで終えたチェルシー。トゥヘル監督が審判の判定について激怒

2022年8月14日(日本時間15日)にプレミアリーグ2022-23第2節が行われ、チェルシーはホームでトッテナムと対戦。結果は2対2(『チェルシー:クリバリ、ジェームズ』)の引き分けに終わった。

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メンディ、ジェームズ、シウバ、クリバリ、ロフタスチーク、カンテ、ジョルジーニョ、ククレジャ、マウント、スターリング、ハヴァーツでフォーメーションは3-4-3。

サブメンバーは、ケパ、アスピリクエタ、チルウェル、チャロバー、ギャラガー、オドイ、ツィエク、プリシッチ、ブロヤ。

開幕戦のエヴァートンに辛勝したチェルシー。今節は、共にトップ4を目指すトッテナムが相手となった。

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試合は、チェルシーが前線からのプレスを続け、ソン・フンミンやハリー・ケインに決定的なシーンを45分間作らせない、見事な守備を披露。前半20分には、ククレジャの左コーナーキックをファーサイドでフリーとなっていたクリバリがダイレクトでシュート。これがゴール右へと決まってチェルシーが先制。新加入の選手が得点に絡む良い展開で前半を終えた。

後半に入り、戦局を変えたいトッテナムは、後半12分にリシャルリソンを投入しフォーメーションを変更。チェルシーは少し守りにくさを感じていたが、冷静対処し無失点に抑えていた。

しかし、後半23分にペナルティーエリア手前のピエール・エミール・ホイビュアが右足で放ったシュートがゴール左へと決まり、トッテナムが同点。ただ失点に至る前の場面で、突破を図ったハヴァーツがロドリゴ・ベンタンクールに倒されるも笛は鳴らず、そこからトッテナムがカウンターを始めたため、ハヴァーツとチェルシーベンチが主審と副審に猛抗議。しかし、ゴールの判定は覆らず、試合は振り出しに戻る事になった。

チェルシーは後半32分に、左サイドでクリバリがボールを奪い、カンテのクサビのパスをペナルティーエリア手前で受けたスターリングがエリア内右にラストパス。アスピリクエタの投入により、右ウイングバッグにポジションを変更していたジェームズが走り込み、ゴール中央に鋭いシュートを放ち、チェルシーが2対1とリード。しかし、チェルシーにアクシデントが発生。後半40分にカンテがハムストリングを痛めたため、ギャラガーと交代をせざるを得ない状況になってしまう。

それでも攻守で集中を切らさず、勝点3を獲得するために戦っていたが、後半のアディショナルタイムに右コーナーキックからケインが浅めに当てたヘディングがゴール左へと決まり、土壇場でトッテナムに追いつかれ同点で試合終了。しかし、その前のコーナーキック時にククレジャがクリスティアン・ロメロに髪の毛を引っ張られて倒されるシーンがあり、試合が一時中断するが、何のファウルもなく試合が再開。チェルシーの守備陣が一瞬集中を切らしたことで、失点に繋がってしまった。

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試合後には、トゥヘル監督とコンテ監督が口論になり、2人にレッドカードが提示されるシーンもあり、最後までアンソニー・テイラー主審が試合をコントロールできないまま試合が終了した。トゥヘル監督は、

「サッカーの監督としてのキャリアの中で、最後の最後で追いつかれるのは、よくあること。これからシーズン中に最後に勝ち点を獲得できることも期待したい。チームは素晴らしい試合をした。エヴァートンとの開幕戦からステップアップしていたから、選手たちが報われなかったのは、とても残念なんだ」

と選手たちのパフォーマンスには満足していると話した。ただ、審判の判定について聞かれると、

「一部のファンだけが判定に問題があったと思っている訳ではないんだ。ドレッシングルーム全体、一人一人がそう思っていることは保証できる。最初のゴールがオフサイドでないことも理解できないし、いつから選手が他人の髪を引っ張ってピッチに居られるようになったのかも理解できない。説明のしようがないし、受け入れたくもない。両ゴールとも成立してはならないし、無効となっていれば公平な結果になっただろう。もしかしたら、(テイラー主審はチェルシーの試合の審判をしない方が)いいのかもしれない。そして、彼らはそれをチェック(VAR)しても何も起こらないと決定した。信じられないよ」

と厳しい口調で審判の質を批判した。またレッドカードを提示されてしまったことで、次節のリーズユナイテッド戦では指揮を取れなくなる。

「とても良いことだよ。私はコーチをすることはできないが、レフェリーは次の試合で笛を吹くことができるんだからね。(コンテ監督とは)何も起きていないし、誰も怪我をしていない。プレミアリーグのサッカーで、今日2人の監督が絡んだのは、2人とも自分のチームのために戦っていたからだ。それだけだよ。自分は楽しんだし、彼も楽しんでいたと思う。悪いことじゃないんだ」

と審判への怒りが収まらない様子だった。最後に、怪我により途中交代したカンテの状態について説明した。

「ハムストリングの負傷のようだ。彼はかなり強い痛みがあると言っていたから、良くはない」

と今後欠場する可能性が高いことを示唆した。次戦はアウェイでのリーズ戦。トゥヘル監督が指揮を執れない中でどのような戦いを見せるのか。また、カンテ&コバチッチの負傷により誰がMFを務めるのか。様々な事が注目される一戦になりそうだ。

・クリバリはプレミアリーグで初ゴール。トッテナム戦でリーグ初ゴールを決めたのは2006年3月のエッシェン以来の出来事

・トゥヘル監督(&コンテ監督)は、リーグ戦において今シーズン初めてレッドカードをもらうことに。

・トゥヘル監督は、公式戦トッテナム戦において無敗記録(7勝1分)を継続中