最終戦を勝利で飾りプレミアリーグ3位となったチェルシー。トゥヘル監督がリュディガーなどの退団によりシステム変更の可能性を示唆

最終戦を勝利で飾りプレミアリーグ3位となったチェルシー。トゥヘル監督がリュディガーなどの退団によりシステム変更の可能性を示唆

2022年5月22日(日本時間23日)にプレミアリーグ2021-22最終戦が行われ、チェルシーはホームでワトフォードと対戦。結果は2対1(『チェルシー:ハヴァーツ、バークリー』『ワトフォード:ゴスリング』)で、チェルシーが勝利した。

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スターティングメンバーは、メンディ、アスピリクエタ、シウバ、リュディガー(バークリー、後半21分~)、ジェームズ、サウール、カンテ、ケネディ(サール、後半14分~)、ツィエク、マウント(チルウェル、後半44分~)、ハヴァーツでフォーメーションは3-4-2-1。なお、コバチッチ、オドイは怪我のため欠場となった。

プレミアムリーグ最終戦となったチェルシー。既に3位が決定的となっていたため、トゥヘル監督は、ケネディやサウールなど出場機会が少なかった選手に出番を与えた。

試合の序盤からボールを保持し、一方的に攻撃を展開していたチェルシー。前半11分には、今シーズン途中でフラメンゴからローンバックしたケネディが、左サイドからグラウンダーのクロスをゴール前に供給すると、ハヴァーツが右足で合わせてネットを揺らした。その後も、ゴールを奪うために再三チャンスを作るがゴールには繋がらず、前半を1対0で終える。

後半に入ってもチェルシーがボールを保持する展開が続くも決定的なシーンは作れず、1点をリードして試合が進んでいく。後半21分には、この試合がチェルシーで最後となるリュディガーがバークリーと交代。サポーターたちの大拍手で送りだされるシーンがあった。

試合はこのまま終了すると思われた後半42分に、ワトフォードに得点許し同点。しかし、後半ロスタイムに、ボックス右に侵入したジェームズがクロスを入れると、ゴール前にいたバークリーがヘディングで合わせ、2対1とリーグ最終戦を勝利で飾ることができた。チェルシーで初めて1シーズン戦い抜いたトゥヘル監督は、

「いつもよりプレッシャーのない試合で少し不思議な感じがしたけど、勝てて嬉しいね。ホームでまた引き分けに追いつかれ、またポイントを失いそうになったけど、ジェームズとバークリーのプレーで逆転してくれた。バークリーが、チェルシーのユニフォームを着て100試合目となる節目で得点したことは嬉しいよ。あの得点でムードが一変したし、勝利で終われて良かった。シーズンはほとんど終わっていたので、出場時間の少ない選手にもプレーの機会を与えた。彼らが出場して勝利を手にできたことは、チーム全体にとっての安定感という点で大きなステップアップとなる。チルウェルもフィールドに戻ってきたし、全体的に良い最終節になったよ」

とシーズンの締めくくりを勝利で終えられたことに安堵した。一方、リュディガー、クリステンセンの退団が決定していることで、ディフェンスラインの再構築が求められるトゥヘル監督。来シーズンからは4バックを試す可能性もあると話した。

「チームは非常に高いレベルのパフォーマンスをすることができたし、それはフォーメーションの問題だとは思っていないんだ。あらゆる可能性を模索しているが、このフォーメーションはシウバやビルドアップを行う中盤の選手たち、そしてジェームズやチルウェルのようなウイングバックにとてもよく合っていると思う、彼らは自由にサイドを攻めることができるからね。この布陣でプレーするのにはいくつかの理由があり、これまでのプレーは非常に成功し、高いレベルで安定していたので変えるつもりはないが、変えざるを得ないかもしれない。適応することや解決策を見つけることは問題ないけど、(措置によって)受動的であることを強いられるのは好ましくないね。彼ら(リュディガー、クリステンセン)がいなくなることは悲しいし、多くの人もそうだと思う。しかし、競争力を高めるには再構築を開始しなければいけないんだ」

と補強の話が進んでいない状況について頭を悩ませる状況が続いているようだ。最後にアロンソの欠場について、トゥヘル監督が言及した。

「ウエストハム戦(2021年12月)で背中を痛めて離脱を余儀なくされ、その後何試合か欠場している。彼は最後の試合でもほぼ同じ症状で、レスターシティ戦ではこの痛みを抱えながらプレーをしていた。またハムストリングスまで筋肉が収縮しているのを感じていたので、リスクを冒さなかった。そして、オドイについては両足の筋肉を痛めたことで、単純に力を発揮することができなくなっている状態だ。検査の結果、彼はピッチに立つための機動力と強度に欠けていることが分かった。それが長期離脱している理由なんだ」

アロンソについては、バルセロナへの移籍話が浮上しているが、今回の欠場は怪我によるものだと話した。

今シーズン、63試合を戦い抜き2つのトロフィー(スーパーカップ、クラブワールドカップ)を獲得したチェルシー。シーズン序盤は好調だったが、選手の怪我や新型コロナウイルス陽性者が続出したことで、徐々にマンチェスターシティやリヴァプールから勝ち点を離されてしまった。そして、今年の3月にはアブラモビッチ氏の資産が凍結され、新規チケット販売の禁止、イギリスの個人・企業との取引禁止などの措置の中、試合を行わなければいけないという困難な状況が続いていた。

しかし、アメリカの投資家であるトッド・ベーリー氏が率いるコンソーシアムがチェルシーを買収する条件面で合意。今週中には、正式に新オーナーになることが決まっている。1日でも早く解決し、補強の話が進まなければ、リヴァプール、マンチェスターシティとの差がさらに広がる。終わったばかりだが、新シーズンに向けての戦いは既に始まっている。

・チェルシーは今シーズンプレミアムリーグ3位で終了。3位は2018-19シーズン以来

・チェルシーはリーグ戦の全試合で、前半をリードされずに終えた。これはリーグの歴史上初めての快挙

・バークリーはチェルシーで公式戦100試合の出場を達成

・チェルシーはスーパーカップ、クラブワールドカップと2つのトロフィーを獲得。2つ以上のトロフィーを獲得したのは2014-15シーズン(リーグ、リーグカップ)以来

・2021-22シーズンは、公式戦で21人の選手がゴールを記録。2015-16シーズンの1シーズン20選手がゴールした記録を塗り替え、クラブ新記録に