チェルシーの新監督に就任したリアム・ロシニアー。どのようなキャリアを歩んできたのか?現役時代・監督歴・戦術などを紹介

チェルシーの新監督に就任したリアム・ロシニアー。どのようなキャリアを歩んできたのか?現役時代・監督歴・戦術などを紹介

チェルシーは、リアム・ロシニアーを新監督に任命したことを発表。契約は、2032年までとなった。ロシニアーは、

「チェルシー・フットボールクラブの監督に任命されたことを大変光栄に思っている。このクラブは独特のスピリットを持ち、数々のトロフィーを獲得してきた誇り高い歴史を持っている。私の仕事は、そのアイデンティティを守り、トロフィーを勝ち取り続けながら、あらゆる試合でその価値観を反映するチームを作ること。このクラブにふさわしい成功をもたらすために、全力を尽くしたい」

と意気込みを話した。現在41歳の若手監督は、これまでどのようなキャリアを歩んできたのか。現役時代、監督歴、戦術&懸念点などを紹介していく。

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【父の影響でサッカーをスタート。現役時代は400試合以上に出場】

1984年生まれ、イングランド出身のロシニアー。父・リロイは、フルハム、QPR、ウエストハムユナイテッドなどで主にストライカーとして16年間プレーをしていた。引退後には、主にノンリーグや下位リーグでコーチとして活躍。こうした環境で育ったリアムは、父の背中を見ながらサッカーをスタート。11歳にして、学校のチームで練習に参加しながら、試合にも出場していた。

プロ選手として主に右サイドバックとしてプレーをしながら、ブリストル・シティで頭角を現したロシニアー。2003-04シーズン途中にフルハムに移籍し、2004年9月のカーリングカップ、ボストンユナイテッドFC戦でトップチームデビューを果たすと、同年12月のマンチェスターユナイテッド戦で、プレミアリーグデビュー。クリスティアーノ・ロナウドを完封し、MOMにも選出された。

その後2007年8月にレディングFCに移籍。そして、2010年10月にハルシティに完全移籍すると、クラブキャリア最多となる161試合に出場。2015年にブライトンに移籍し、2018年夏に現役を引退。公式戦431試合に出場してキャリアの幕を閉じた。

残念ながらイングランド代表には選出されなかったが、イングランドU-21代表では7試合に出場していた。

【引退後にすぐに指導者の道へ。ハルシティで頭角を現す】

 ブライトンでキャリアを終えたロシニアーは、すぐに同クラブのU-23部門でアシスタントコーチに就任。ブライトンで1シーズン過ごした後には、ダービーカウンティでフィリップ・コクー監督のバックルームスタッフの職に従事。トップチームの専門コーチとして、練習場で若い才能を育成し、対戦チームを分析する仕事を任されていた。

2021年初めにはウェイン・ルーニー氏が同クラブの監督に就任。それと共に、アシスタントマネージャーに任命。ルーニー氏が解任された後には、暫定監督を務め、リーグ1で12試合を指揮していた。

その手腕が評価され、2022年9月に古巣となるハルシティの監督に就任。チャンピオンシップ7位まで押し上げることに成功し、2024年夏にチェルシーの姉妹クラブであるストラスブールの監督へ。

前任のパトリック・ビエラ氏から引き継いだプレースタイルを変更するまでに少し時間はかかったが、12月から1月末までは6勝2分け、リーグ終盤にはPSGも破るなど、7位でフィニッシュし、19年ぶりの欧州カップ出場権(カンファレンスリーグ)に貢献。今季もその勢いは継続。リーグ7位、カンファレンスリーグのリーグフェーズでは首位通過と結果を残してきた。

ここまで監督として153試合(ダービー12試合、ハル78試合、ストラスブール63試合)を指揮し、66勝44分43敗という成績を残してきている。

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【ボールポジション重視の戦術。懸念する3つのポイントは?】

 ロシニアー監督の基本フォーメーションは3-4-2-1。前線からのプレス、後方からのビルドアップを多用し、攻撃的なチーム作りを行うことが特徴的。また、ボールを持っているかどうかに応じて、戦術を柔軟に変更しながら相手チームに対峙するところもポイントだ。

ちなみに今季のストラスブールは、ヨーロッパ5大リーグの中で最もロングパスが少ないチームであり、ボールポゼッションを重視し、パスを繋いで敵陣まで侵入することを目指している。また、昨季のストラスブールはリーグ・アンのどのチームよりも多くのコーナーキックから得点を記録したチームでもあった。

懸念点としては、プレミアリーグでの監督経験が無いこと、カップ戦のマネジメント、トロフィーを獲得した経験が無いということだろう。現役時代にはプレミアリーグでのプレー経験もあるが、監督してはチャンピオンシップ(2部)のみ。ストラスブールではトップカテゴリーのリーグでPSGなどに勝利した経験を持つが、PLはすべてのチームが高い水準にあるため、最初は難しい試合が続くことが予想される。

加えてチャンピオンズリーグ、FAカップ、カラバオカップ準決勝(アーセナル)と、今までにない試合数をマネジメントしていかなくてはいけないため、今までのボールポゼッション重視の戦い方をある程度変更しなくてはいけないかもしれない。現にマレスカ監督もボールポゼッションを重視していた監督だったが、後方からのビルアップから失点につながるプレーが多くあり、今季はロングボールも使うことも選択肢に入れていた。

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またチェルシーは、トロフィー獲得が義務付けられているといっても過言ではないチーム。前任であるマレスカ氏もチャンピオンシップであるが、レスターシティでリーグ優勝を経験していた監督で、チェルシーでは2冠(ECL、CWC)を達成。

近年欧州の5大リーグでタイトルを一つも獲得したことが無くチェルシーの指揮官に就任したのは、マウリツィオ・サッリ氏(2018年7月14日~2019年6月30日)、フランク・ランパード氏(2019年7月4日~2021年1月25日)、グレアム・ポッター氏(2022年9月8日~2023年4月2日)がおり、そのうちサッリ氏のみヨーロッパリーグ優勝のタイトルを獲得したが、ポッター氏においてはわずか7カ月でチームを去ってしまった。

新オーナーは長期プロジェクトを謳っているが、ビッグクラブであるチェルシーにとって、結局“結果が全て”。そのプレッシャーにロシニアー氏が打ち勝ち、チャンピオンズリーグ出場権を獲得できれば良いが…できなかった場合には、今夏にも監督が変更される可能性が残されている。

Source:ChelseaFC、BBC、Sky Sports、Transfermarket