土壇場で追いつきマンチェスターCに引き分けたチェルシー。ポチェッティーノ監督が試合後に激怒した理由は?

土壇場で追いつきマンチェスターCに引き分けたチェルシー。ポチェッティーノ監督が試合後に激怒した理由は?

2023年11月12日に、2023-24シーズンのプレミアリーグ12戦目が行われ、チェルシーはホームでマンチェスターシティと対戦。結果は、4対4の引き分けに終わった。

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スターティングメンバーは、サンチェス、ディサシ、シウバ、ククレジャ、ジェームズ、カイセド、ギャラガー、フェルナンデス、パルマー、スターリング、ジャクソンでフォーメーションは4-3-3。

サブメンバーは、ペトロヴィッチ、ギュスト、マートセン、バディアシル、ウゴチュク、マドゥエケ、マトス、ムドリク、ブロヤ。

前節のトッテナムに1対4で勝利したチェルシー。ホームでマンチェスターシティ相手にどのような試合を行うのか、注目が集まった。

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試合が動いたのが前半21分。マンチェスターシティの攻撃の流れから、クロスに反応したハーランドをククレジャが引き倒したと判断され、PKが与えられてしまう。そして、彼に左隅へ決められ、前半25分に失点。前節のトッテナム戦と同様に、先制を許してしまう展開となった。

しかし、前半28分にフェルナンデスがペナルティアーク付近で倒されフリーキックを獲得。これをジェームズが蹴り、クロスバーぎりぎりを狙うも相手ゴールキーパーのエデルソンがセーブ。このプレーで得た右からのコーナーキックで、中央からニアヘのランニングでフリーとなったシウバがヘディングで合わせ、ゴール右のサイドネットを揺らし、わずか3分で追いつく。

そして、前半37分にはサンチェスからのロングフィードのこぼれを回収した流れから、右サイドに展開しジェームズへボールが渡る。ボックス右に侵入したジェームズは、グヴァルディオルに一度カットされるが、再度こぼれたボールを回収しグラウンダーで折り返すと、ファーサイドに詰めたスターリングが見事に合わせて逆転に成功する。

前半もロスタイムになり、チェルシーリードで終えられるかに思われたが、左コーナーキックからの流れで、B・シウバにクロスを上げられてしまうと、シウバの頭をこされこれ、フリーとなったアカンジにヘディングで決められてしまい、2対2で前半を終える。

両チーム交代なしで迎えた後半。開始早々チェルシーが攻めていくが、自陣左サイド深くでB・シウバが前線に蹴ったボールをハーランドが収めて、右サイドのアルバレスに展開され、フォーデンのリターンパスから、アルバレスがペナルティエリア内の右サイドに侵入。グラウンダーのクロスを入れられると、サンチェスが触ってコースが変わるが、ファーに詰めたハーランドに体ごと押し込まれ、2対3に。

得点を狙うチェルシーは、後半19分にフェルナンデスとジェームズを下げてムドリク、ギュストを投入。そして、その3分後にチェルシーにゴールが生まれる。

自陣から左サイドへの展開し、ムドリクがフェイントを入れながら、相手の意表を突いく形で中央にパス。それを、ボックス手前のギャラガーが右足でミドルシュートを放つもエデルソンがセーブ。しかし、前にはじき出したところに詰めていたジャクソンが右足で流し込んで、振り出しに戻す。

追いついたチェルシーがペースを握っていくも、後半41分にペナルティエリアの外からロドリに左足を振り抜かれると、シウバの出した足に当り、コースが変わり再度逆転を許してしまう。

それでも諦めないポチェッティーノ監督は、後半45分にカイセドに変えブロヤを投入。この交代策が”吉”と出て、ロスタイムにブロヤがボックス内で右からのクロスを収めたところをルベン・ディアスにタックルされPKを獲得。チェルシーに移籍後、PKキッカーを任されているパルマーが、ゴール左上に突き刺し、4対4という稀に見る展開で試合が終了した。

試合前は劣勢だと思われていた新生チェルシーだったが、マンチェスターシティ相手に一歩も譲らず、引き分けという結果に持ち込んだ。試合後ポチェッティーノ監督は、

「今夜のパフォーマンスは素晴らしかった。選手たちのパフォーマンスは賞賛に値するし、世界最高のチームと対戦したんだ。試合中には、あまりにも多くの状況が起こったけど、プレーは本当に良かったので、とても誇りに思うよ。

もちろん、常に改善すべき点はあるが、今はプロセスの真っ最中なんだ。ゼロからプロジェクトを立ち上げていく旅の中で、この経験と試合は非常に重要だった。選手とチームを大きく向上させ、今はそれを活用して将来につなげる必要がある」

普段は冷静なポチェッティーノ監督も、白熱した試合の後は興奮を隠せず、アンソニー・テイラー主審に詰め寄るシーンもあった。

「スターリングが抜け出して、5点目を決めに行けるかもしれないと感じた。だから、試合が終わってテイラー主審に向かって「なんてことだ…彼は続けている。なぜこの瞬間に終わるのか?」と言ったんだ。限界を超えてしまったことは審判団に謝る必要があるし、この種の行為はサッカーにとっても良いイメージではなかった。グアルディオラ監督とも握手をせず、自分のアクションに集中してしまったことを彼にも謝りたい」

と自身の行為に対して謝罪をしたいと話した。また、マンチェスターシティに3度追いついたチームのメンタリティについて聞かれると、

「今日の僕らは、トップ6かトップ4に入るのに値するものがあると思う。ゴールを目指し、支配してチャンスを作り出す能力を持っていることを示した。それは、本当に重要なことだと思う。月曜日(トッテナム戦後)に言ったように、おそらくこれは私たちの自信を築き、私たちの仕事のやり方をもっと信じ始めるための出発点になるだろう。チームは一歩ずつ進んでいるが、もしかしたら二歩ジャンプできたかもしれない。今日は大きなモチベーションがあり、ファンと観衆が私たちをサポートしてくれて素晴らしかった」

最後に、トレーニングセッション後に肩を痛め、今試合欠場したと報じられたコルウィルについては、

「まだイングランド代表に合流するかは分からない。24時間以内に更新する予定」

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と話した。インターナショナルブレイク後には、ニューカッスルユナイテッド、ブライトン、マンチェスターユナイテッドと気の抜けない試合が続くが、前節のトッテナム戦に勝利し、公式戦7試合ぶりにマンチェスターシティに負けなかったチェルシー。

若い選手たちが自信を持つ重要なシーズンの2試合になったことは間違いない。このままの勢いで、上位進出を目指していけるはずだ。