ウエストハムUに3失点を喫して今季初黒星のチェルシー。カイセドのパフォーマンス&チュクエメカの怪我の状態は?

ウエストハムUに3失点を喫して今季初黒星のチェルシー。カイセドのパフォーマンス&チュクエメカの怪我の状態は?

2023年8月20日(日本時間21日)に、2023-24シーズンのプレミアリーグ2戦目が行われ、チェルシーはアウェイでウエストハムユナイテッドと対戦。結果は、3対1でチェルシーが敗北した。

Embed from Getty Images

スターティングメンバーは、サンチェス、ディサシ、シウバ、コルウィル、ギュスト、フェルナンデス、ギャラガー、チルウェル、チュクエメカ、スターリング、ジャクソンでフォーメーションは3-4-2-1。

サブメンバーは、ベルグストロム、ハンフリーズ、ククレジャ、マートセン、カイセド、ウゴチュク、ムドリク、マドゥエケ、バーストウ。

リーグ開幕戦(リヴァプール)を引き分けで終えたチェルシー。敵地に乗り込み、今季初勝利を目指して戦った。

【関連記事:プレミアリーグ開幕戦のリヴァプール戦をドローで終えたチェルシー。ジェームズの途中交代&ケパがメンバー外になった理由は?

試合は前半7分にチェルシーが失点。ウエストハムユナイテッドにコーナーを与えると、アゲルドに合わせられ、開幕戦に続き2試合連続で先制点を許してしまう。

同点に追いつきたいチェルシーは、右サイドのスターリングを中心にペナルティエリア内で何度も攻撃を仕掛けていく。前半28分には、左サイド深くで相手のクリアボールを拾ったチルウェルが、チュクエメカとのワンツーでの突破からグラウンダーのパスを供給。一度、相手選手にクリアされたものの、再度チュクエメカがボールを回収し、ディフェンダーのタイミングを上手く外しながら、右足を振り抜きゴールイン。チュクエメカは、チェルシーで初ゴールを記録した。

その後も支配率70パーセント以上をキープし、攻撃を積極的に行うと、前半41分にスターリングがペナルティエリア手前で縦パスを受け、ターンから前を向きボックス内に侵入。相手選手に倒されたと判定され、PKを獲得する。しかし、キッカーを務めたフェルナンデスのシュートは、アレオラにストップされてしまい、逆転のチャンスを逃してしまう。

その悪い流れは終わらず、前半アディショナルタイムには、ゴールを決めたチュクエメカが左ひざを気にしながら倒れ込み、そのままピッチを後にする。

前半を1対1で終えた両チーム。チェルシーは負傷したチュクエメカからムドリクに交代し、逆転を狙うも前半のような戦いができず、攻めあぐねていた。そのような中、後半8分にウォードプラウズが中盤でこぼれたボールに反応し、ダイレクトで前線にパス。アントニオが単独でペナルティエリアに持ち運び、右足を振り抜かれると、ゴールのサイドネットに突き刺さされ2失点目。

追いかける立場となったチェルシーは、後半15分にカイセドを投入し、フェルナンデスを前の位置で起用。その7分後には、アゲルドがジャクソンに背後からタックルし、2枚目のイエローカードを提示され退場。10人になり、残り20分で逆転を目指したいポチェッティーノ監督は、バーストウ、マドゥエケを投入。しかし、中央をしっかりと固められてしまい、枠内シュートを打つことができない状態が続いていた。

後半アディショナルタイムには、カイセドがペナルティエリア内でエメルソンを倒してしまいPKを献上。それをパケタに決められ、1対3で敗北。数的不利な相手に得点を奪えなかったチェルシーは、早くも今季初黒星となった。試合後ポチェッティーノ監督は、

「結果がついてきていないのは心配。だが、もし悪いプレーをしながらも試合に勝っていたとしたら、もっと心配すべきだと思う。負けだすのは時間の問題だし、どうやって良いプレーができるか模索しなければならないからだ。

こうやって良いパフォーマンス、姿勢を見せる方が好きだ。リヴァプールとウエストハムユナイテッドを圧倒したんだ。今日、ファイナルサードで50回もプレーしたことは、その姿勢が良いことを示しているし、リヴァプール戦でも同じだった。これこそが将来のベースとなるもので、このクオリティを持つチームであれば、バランスを取ってゴールを決めて試合に勝てるようになるのは時間の問題。ただ、ムドリクを投入した後半の立ち上がりは遅かったし、2失点目も喫した。それで相手に勝てると思わせてしまった。我々としては、状況を急ぎすぎた。忍耐強く、ピッチをもっとオープンにする必要があった」

と選手たちのパフォーマンスに満足しつつも、後半の出来には不満が残ったようだ。また、約30分間プレーしたカイセドに聞かれると、

「我々は最後の30分間、彼をプレーさせるという決断を下した。なぜなら、カイセドは30分プレーする準備ができていたんだ。彼はよくやっていたし、非常にポジティブなことがいくつかあった。(PKを与えてしまい)落ち込んでいると思うが、前に進まないといけないんだ」

米国でのプレシーズン後に合流したカイセド。まだチームの戦術に慣れておらず、これから徐々にパフォーマンスを上げていくはずだ。最後に、チュクエメカの怪我、ムドリクのパフォーマンスについて言及した。

「チュクエメカについては、検査を受けて彼を評価する必要がある。大きな問題にならないことを願っているが…待つ必要がある。ムドリクについては、今日45分間プレーをした。我々が信頼し、チームとの関係を築く必要がある若い選手だと思っている。彼は素晴らしいクオリティと才能を持っている。彼がチームにもっとよく馴染んで、私たちが期待するパフォーマンスを発揮しもらいたい」

チュクエメカは試合後、松葉杖でスタジアムを後にしており、重傷の可能性が高い状況。リーグは開幕したばかりだが、フォファナ、エンクンク、ジェームズ、チュクエメカといった選手たちが離脱。活躍を期待されていた選手たちが次々といなくなる状況にポチェッティーノ監督も頭を悩ませているはずだ。

【関連記事:約210億円を投じエンクンク、ジャクソンなど8選手を獲得

移籍市場がクローズするまで約10日間。チェルシーは攻撃的な選手の獲得を目指しており、ラヤン・チェルキ(リヨン)、ブラッドリー・バルコラ(リヨン)、モハメド・クドゥス(アヤックス)、ブレナン・ジョンソン(ノッティンガムフォレスト)などの名前が挙がっているが、いずれも若手選手。勢いに乗れれば問題ないが、今試合のように勝星を逃していけば、良いチーム状態も徐々に悪化する可能性がある。昨シーズンの悪夢を繰り返さないためにも、若手選手だけにこだわらず、経験のある選手の獲得についても検討してほしい。

 

・チェルシーはリーグ戦において、初めてロンドンダービーで4連敗(トッテナム、ブレントフォード、アーセナル、ウエストハムユナイテッド)。

・カイセドは、チェルシーでのリーグデビュー戦でPKを献上。デビュー戦でPKを献上したのは、2003年8月のウェイン・ブリッジ(リヴァプール戦)に次いで2人目。