約117億円でストラスブール買収に成功したチェルシー。マルチクラブプロジェクトとして次に狙うクラブは?

約117億円でストラスブール買収に成功したチェルシー。マルチクラブプロジェクトとして次に狙うクラブは?

フランスのストラスブールは6月22日に、チェルシーを買収したコンソーシアム「BlueCo」が新たな株主となることで合意したと発表した。

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ストラスブールの会長を務めるマルク・ケラー氏は、

「今日はラシン(・クルブ・ドゥ・ストラスブール)にとって重要な日になりました。これは株主の友人たちと一緒に過去2年間考えてきたこと。私たちはあらゆるレベルで健全で、適切に管理されたクラブを構築してきました。財政的な緊急性はありませんでしたが、私たちのモデルは限界に達していることを認識しています。ラシンを前進させ続け、新しい次元へと持っていくためには、私たちの発展と野心をサポートしてくれる強固な構造が必然的に必要でした。新しい戦略的投資家を迎えることができて、とても嬉しく思っています。この投資家と共に、明日のラシンを構築するというクラブの野望を加速させていきたいです」

とクラブの公式サイトで声明を出した。加えて、BlueCoもストラスブールの公式サイトで、コメントを発表した。

「この歴史あるクラブの一員になれることを私たちはとても光栄に思っています。私たちは、ラシンの伝統を残していくことに尽力しており、ケラー氏と彼の経営陣が緊密に協力して行ってきた素晴らしい仕事を継続していくことに重点を置いています。チェルシーの所有とともに、この戦略的投資により、欧州サッカーにおける当社の存在感は高まることになるでしょう。これにより、知識と専門性を共有する大きな機会が生まれると信じています」

BlueCoは7500万ユーロ(約117億円)程度で、ほぼ100パーセントの株式を取得したようだ。オーナーの一人であるトッド・ベーリー氏は、マンチェスターシティを筆頭に世界各国の13クラブを傘下に収めているシティフットボールグループ(CFG)、ライプツィヒやザルツブルクのレッドブルグループのように、世界各国のクラブを買収し、そこで『若手のスーパースターたちに、公式戦の出場時間を与えながら、チェルシーのピッチに立つための道筋を作る』ことを計画しており、今回ストラスブールの買収に至った。

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ストラスブールは1906年に創設し、現在トップカテゴリーのリーグ・アンに所属。2018–19シーズンにはリーグカップで優勝するなど、国内外で12のタイトルを持つ名門のクラブ。今シーズンは9勝13分16敗の勝点40、15位という成績でリーグ・アン残留を決めている。

チェルシーは、昨夏・今冬の移籍市場において若手選手の獲得を積極的に行った。チェーザレ・カサデイ(20歳・イタリア)、アンドレイ・サントス(19歳・ブラジル)、ガブリエル・スロニナ(19歳・アメリカ)、ダビド・ダトロ・フォファナ(20歳・コートジボワール)、マロ・ギュスト(20歳・フランス)、カーニー・チュクエメカ(19歳・イングランド)、オマリ・ハッチンソン(19歳・ジャマイカ)など、将来性のある若手選手たちに多くの金額を投じた。

今夏もエクアドルのインデペンディエンテ・デル・バジェに所属する16歳のケンドリー・パエスを獲得(18歳の誕生日に加入)。加えて、ベンフィカに所属する18歳のディエゴ・モレイラ(ポルトガル・FW)の獲得に近づいている。

BlueCoはチェルシーに加え、今回ストラスブールを傘下に加えたが、次クラブとしてポルトガルのリオアヴェFCの買収を進める意向のようだ。

マルチクラブプロジェクトが動き出したチェルシーグループ。今までは、他クラブにローンという形で若手選手を次々と出していたが、その体勢を抜本から変えていくために、現在は多くの改革が行われている。フランスのクラブを買収したことで、スロニナやダトロ・フォファナ、ハッチンソンなどが、トップカテゴリーでの経験を増やすため、今夏にローン移籍する可能性があるかもしれない。

Source:Racing Club de Strasbourg、The Guardian、BBC、Mirror