レアルマドリードに敗れ、CLベスト8で姿を消したチェルシー。「このクラブは復活する」ランパード暫定監督が上を向く理由は?

レアルマドリードに敗れ、CLベスト8で姿を消したチェルシー。「このクラブは復活する」ランパード暫定監督が上を向く理由は?

2023年4月18日(日本時間19日)にチャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグが行われ、チェルシーはホームでレアルマドリードと対戦。結果は、0対2(トータル0対4)でチェルシーが敗北。ベスト8で敗退となった。

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スターティングメンバーは、ケパ、フォファナ、シウバ、チャロバー、ジェームズ、ククレジャ、フェルナンデス、カンテ、コバチッチ、ギャラガー、ハヴァーツでフォーメーションは、3-6-1。

サブメンバーは、メンディ、アスピリクエタ、ホール、チュクエメカ、ロフタスチーク、マウント、ザカリア、ムドリク、プリシッチ、スターリング、ツィエク、フェリックス。

レアルマドリードとの1stレグでは、2対0で敗戦したチェルシー。2得点以上が必要な今試合では、中盤を厚して前線からボールを奪うため、カンテとギャラガーを先発出場させ逆転勝利を狙った。

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立ち上がりからハイプレスで主導権を握ったチェルシーは、前半11分にジェームズが右の深い位置に抜け出して早いタイミングでクロスを供給。ニアでハヴァーツが潰れ、そのこぼれたボールに反応したカンテが左足を振るが、シュートは枠の右に外れる。

その後も右サイドのジェームズとカンテを起点に何度も攻撃を展開。前半のアディショナルタイムには右サイドのジェームズがゴール前に鋭いクロスをあげると、その密集を抜けてファーでフリーだったククレジャへ。しかし、ククレジャはダイレクトで打たず、トラップをして慎重にシュートを打つことを選択。その間にクルトワに間合いを詰められセーブ。ビッグチャンスをものにできず、0対0で前半を終えた。

ペースを握ったものの、課題の決定力が解決されなかったチェルシー。しかし、後半も同じメンバーで戦うことをランパード暫定監督は決定した。後半7分には、ハヴァーツのクロスの流れからボックス内で競り勝ったギャラガーの落としをカンテがボレーシュート。しかし、これはミリトンの身体を張ったブロックに阻まれる。

その後も前がかりになり、得点を奪いにいくチェルシーだったが、後半13分にミリトンから右サイドのロドリゴへパスが供給。スピードに乗ったロドリゴをスライディングで止めようしたチャロバーだったが、完璧にかわされてしまいペナルティエリア内に侵入を許してしまう。そして、グラウンダーの折り返しのこぼれ球をヴィニシウスが、ロドリゴへ渡すとワントラップから左足を振り抜かれ失点。トータル0対3となり、ベスト4進出が厳しい状況となる。

それでも諦めないチェルシーは、後半23分にククレジャ、ギャラガー、フェルナンデスを下げてムドリク、スターリング、フェリックスを投入。その9分後には、ハヴァーツを下げマウントをピッチに送り出す。

しかし、後半35分に最後尾のリュディガーからのロングフィードに左サイドで反応したヴィニシウスがゴール前に走り込み、バルベルデに横パス。巧みなステップワークでムドリク、シウバをかわし、ゴール左でケパを完全に引き付け、ロドリゴに渡され2失点目。その後は、チェルシーの選手たちも戦意喪失となり、1得点も奪えず試合終了。2戦合計0対4で敗れ、2シーズン連続でCLベスト8敗退となった。試合後ランパード暫定監督は、

「60分間は本当にいいプレーができていた。レアルマドリードがゴールを決め、0対3となった後は、当然同点に追いつくために何人か選手を投入し、そこからどう試合が展開するかは予想通りだったかもしれない。とはいえ、このレベルでは本当にいいチャンスを作ったら、それをものにしなければならない。負けたときにあまりパフォーマンスを褒めることはしないけど、自分たちが今いる場所とこれまでいた場所を考えたら、ポジティブなことはあった。チームにはエネルギー溢れたプレーで組織的に何度も攻めた。足りなかったのはゴールだけ。期待した通りの内容だったし、60分間に1ゴールか2ゴールが決まっていれば試合の流れは変わっていただろう。それができなかった。しかし、相手はしっかりとゴールを決めた」

選手たちのパフォーマンスを称えたが、ゴールは遠かったと悔しさをにじませた。また、後半9分にチャロバーが左サイドからディフェンスラインの裏に走りこんだところを交差したミリトンが倒すシーンがあり、そこで2枚目のイエローカードが出なかったことについては、

「ミリトンは2枚目のイエローカードを受けるべきだった。このレベルでは、イエローカードが出されることはよくあること。ファイナルサードでうちの選手が相手のセンターバックに後ろから倒されたんだ。普通はイエローカードで退場のはず。そして30分間数的有利でプレーすることになった。ベルナベウ(チルウェルが退場)ではそうなったし、ここでもそうなるべきだったと思うけど、そうはならなかった」

と肩を落とした。最後にチャンピオンズリーグでの戦いが終わった中、選手たちに残りのリーグ戦でどのようにプレーするべきかを話した。

「今夜のプレー水準を落とさないことが重要。それがあとでチームに伝えるべきひとつのメッセージだ。ここに来て2週間が経ったけど、このクラブのために、自分のクラブのためにベストを尽くしたいと強く思っている。このクラブは、この大会でさらに上を目指すことに慣れているクラブだけど、今夜は自分たちの夜ではなかった。だけど、選手たちがここから学び、このレベルがどんなもので、何が必要なのかを理解することが大事なんだ。

次のステップは、明日がオフで木曜日からトレーニングに戻り、ブレントフォード戦の準備を進めること。チェルシーはこれだけの成功を収めてきたのだから、人々は今シーズンのことをいろいろ言うだろう。トレーニングとプロセスが必要となるけど、このクラブは復活するんだ。そして、ファンは今日のパフォーマンスを高く評価してくれた。それに応えるかたちで、シーズン終了まで結果やパフォーマンスを求め続け、来シーズンを迎える必要がある」

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リーグでは31試合を終え11位、4位ニューカッスルユナイテッドとの勝点差は17と、CL出場権を獲得するのは絶望的。また5、6位に与えられるヨーロッパリーグへの出場権も難しい状況となっており、来シーズンは国内(リーグ、FAカップ、リーグカップ)の戦いだけになりそうだ。近年では2016-17シーズンが該当となるが、そのシーズンはアントニオ・コンテ氏の元、リーグ優勝をしている。

ただ新監督の選定、シーズン終了後の選手の売却など問題は山積み。今はクラブ、サポーターを含め全員がストレスを溜めているが、選手たちのクオリティは間違いない。ランパード暫定監督がいうように、強いチェルシーが戻ってくる日は必ずくるはずだ。

 

・ランパード暫定監督は就任後4連敗を記録。チェルシーの監督就任後、公式戦で4連敗を喫するのは、クラブ創立118年間で初の出来事

・チェルシーは2シーズン連続でCLベスト8敗退

・チェルシーは公式戦4連敗。これは1993年11月以来の出来事