インテルから約30億円で獲得した19歳のチェーザレ・カサデイ。チェルシー移籍の理由を初めて明かす

インテルから約30億円で獲得した19歳のチェーザレ・カサデイ。チェルシー移籍の理由を初めて明かす

今夏、インテルの下部組織に所属していたチェーザレ・カサデイを1500万ユーロ(約21億円)+500万ユーロ(約7億円)のボーナスという破格の移籍金で獲得したチェルシー。

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カサデイは、2003年1月10日生まれの19歳。2018年にインテルの下部組織に入団すると、16歳でプリマベーラ(U-19)に引き上げられ、すぐに注目を集める存在になった。ポジションはミッドフィルダーで、身長186センチと大柄でフィジカルと空中戦での強さが特徴。加えて、優れたテクニックとスピードで、ゴールを奪うことができる逸材だ。

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2021-22シーズンのカンピオナートプリマベーラでは、公式戦30試合に出場し14ゴール・4アシストを記録するなど優勝に大きく貢献。イタリアでは、ラツィオのセルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチにたとえられてきた。

インテルは当初、カサデイを放出する考えはなく、チェルシーからのオファーを何度も断り続けていたが、最終的にはクラブの財政難を解消するために売却を決断。チェルシーのユース部門責任者のニール・バス氏は、

「私たちはカサデイを長い間追っていたんだ。そんな彼を獲得できてうれしく思っている。彼は今後が期待できる才能の持ち主で、さらに成長して数年のうちにトップレベルのサッカーに参入することを楽しみにしている」

と大きな期待を寄せている。

-チャンスを喜んで受け入れたカサデイ。英語の習得にも積極的-

6年契約でチェルシーに加入したカサデイは、現在チェルシーの下部組織で経験を積んでいるが、その才能を早くも見せている。プレミアリーグ2など公式戦8試合に出場し、4ゴール・1アシストを記録。11月22日に行われたEFLトロフィー2回戦のピーターバーバラ戦では、約36メートルの距離からロングシュートを放ち、それをゴール右隅に豪快に決めて注目を集めた。

そんなカサデイが、移籍後初めてGazzetta dello Sportのインタビューで、チェルシーでの生活について答えた。

「(チェルシーから)オファーが届いて、新しい経験をする機会ができたんだ。だから僕は正直に両手を広げて、それを受け入れたんだ。もちろん、最初は言語(英語)もよく知らなかったし、簡単な選択ではなかったけど、自分のコンフォートゾーンから抜け出すために言語を習得したいと感じた。今はコブハムから20 分の場所に住んでいて、週3~4回、英語先生に勉強を教えてもらっている。最初に比べて上達しているし、サッカー以外にもしっかりと学ばなければならないことなんだ。今のところは楽しんでいて、非常にポジティブな経験ができているから、人間的にも技術的にも成長ができていると思う」

母国イタリアを離れて約3カ月。カサデイは、練習後に英語の習得にも励み、ロンドンでの生活に慣れようとしている。また、イングランドとイタリアのプレースタイルの違いについても言及した。

「ここではよりインテンシティがあり、ゲームのスピードも速いから、僕のポジションいる選手たちを見て、多くのことを学ばなければいけない。もちろんチェルシーでは多くの選手から学ぶことができるけど、今はルベン・ロフタスチーク。彼の身体能力について、明らかに取り組むべきことがたくさんあることを知ったんだ。

僕は多くのポジションでプレーするのが好きで、正確なポジションはないから、今でもチェルシーではミッドフィールドのさまざまなポジションで起用されている。だから、どこで起用されても大丈夫なようにしている」

と中盤であればどこでもフィットすることが可能だと話した。現在、チェルシーのトップチームで活躍しているメイソン・マウント、カサデイが現在ロールモデルとしているロフタスチークも中盤で多くのポジションをこなし、監督から重宝される存在に。カサデイも順調に成長していけば、2~3年後にはトップチームでレギュラー争いを行っているかもしれない。

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トッド・ベーリー氏が率いるコンソーシアムに体制が変わったことで、将来有望な若手選手を積極的に獲得しているチェルシー。カサデイの他にも18歳のガブリエル・スロニナ(ゴールキーパー)やカーニー・チュクエメカ(ミッドフィルダー)、ザック・スタージ(サイドバック)、19歳のオマリ・ハッチンソン(ミッドフィルダー)などを今夏獲得するなど、未来への投資を順調に進めており、その動きは今後も続いていくようだ。