スターリングの先制点も実らず…ザルツブルクと引き分けたチェルシー。CLグループステージ最下位に沈むポッター監督の本音は?

スターリングの先制点も実らず…ザルツブルクと引き分けたチェルシー。CLグループステージ最下位に沈むポッター監督の本音は?

2022年9月14日(日本時間15日)にチャンピオンズリーグ2022-23グループステージ第2戦目が行われ、チェルシーはホームでザルツブルクと対戦。結果は1対1の引き分けとなり、勝ち点1の獲得で試合を終えた。

Embed from Getty Images

スターティングメンバーは、ケパ、ジェームズ、アスピリクエタ、シウバ、ククレジャ、マウント、コバチッチ、ジョルジーニョ、スターリング、ハヴァーツ、オーバメヤンで、フォーメーションは4-2-3-1。

サブメンバーは、ベッティネッリ、チルウェル、チャロバー、フォファナ、クリバリ、チュクエメカ、ギャラガー、ロフタスチーク、ザカリア、プリシッチ、ツィエク、ブロヤ。

【関連記事:CLグループステージ初戦でディナモザグレブに敗れたチェルシーはトゥヘル監督を解任

チャンピオンズリーググループEに入ったチェルシーは、ACミラン、ザルツブルク、ディナモザグレブと同組になり、初戦はディナモザグレブに敗戦。その翌日にはトーマス・トゥヘル監督が解任され、新監督に就任したグレアム・ポッター氏がチェルシーで初の指揮を執った。

ポッター監督は、初陣で4バックを採用。シウバ、アスピリクエタをセンターバックにするなど、経験のあるベテラン選手を先発で起用することを決断した。

前半の序盤からボール保持し、縦への意識を持ちながら攻撃を仕掛けていたチェルシー。その中でも左サイドのポジションで起用されたスターリング、右のサイドバックで起用されたジェームズが攻撃の起点になりパスを供給するが、決定的なチャンスを作れず、枠内シュート0本で前半をスコアレスドローで折り返す。

なお前半21分には、2021年のチャンピオンズリーグでビッグイヤーを獲得したトゥヘル前監督に敬意を表し、『we’ve got Super Tommy Tuchel』のコーラスと拍手の賛辞が観客席から送られた。

試合が動いたのが、後半3分。ジェームズのパスで右サイドに抜け出したマウントが中央にグラウンダー気味のクロスを供給。相手ディフェンダーがクリアできず、ファーサイドまで流れたボールをスターリングが冷静に右隅に決め、均衡を破る先制点を挙げた。

チェルシーは後半21分に、まだ体調が万全ではないオーバメヤンに変えて、ブロヤを投入。それと同時にハヴァーツも下がり、ロフタスチークが起用された。その1分後には、コバチッチのスルーパスに反応したブロヤが決定機を作るも、これはオフサイドの判定となった。

逆に、後半30分に相手陣内でコバチッチがボールを奪われ、ザルツブルクにカウンターのチャンスを作られてしまう。右サイド深くまで抜け出したカミル・ピョンツコフスキにスライディングを試みたシウバだったが、このボールが再度ピョンツコフスキの元に渡ってしまい、グラウンダーのクロスを中央へ。そこに走りこんでいたノア・オカフォーに決められ、追いつかれてしまった。

初陣で勝利することができなかったポッター監督

その後、ツィエクやプリシッチを投入し、決定的なチャンスを作ったもののフィニッシュの精度が低く、このまま1対1で試合終了。ポッター監督は、初陣を白星で飾ることができなかった。

「選手はすべてを捧げてくれた。勝ち点1しか取れなかったので、その点は残念だが、今日の彼らの行動はとても誇らしかった。監督が変わり、それに伴い、彼らにとっても簡単なことではなかったが、彼らの反応は見事だった。特に前半は、スターリングに良い場面が何度かあったが、相手も良いブロックをしていた。後半はゴールを決めたけど、試合の中で自分たちのコントロールがうまくいかなかった時間帯に、失点してしまった。相手のゴールキーパーは何度も好セーブを見せたが、最終的には2点目が必要だった」

とポッター監督。結果以外の面では、選手たちのパフォーマンスに満足していると話した。また、公式戦で4得点目を決めたスターリングについてもコメントを残した。

「ザルツブルクは4-3-1-2で中盤が非常に強く、ピッチの真ん中でプレーするのは簡単ではなかったので、危険な幅を確保したかった。スターリングはバックラインを攻撃するのがとても上手で、素晴らしいゴールを決めてくれた」

最後に、CLグループステージで勝利が無い状態について本音を語った。

「嘘をつくことはできないし、望んでいるポジションではないが、これに対応するだけだ。タフなグループになるだろうが、チームやメンバーには十分なクオリティがあるので、対応できるだろうし、そういった試合を楽しみにしなければならない」

【関連記事:シーズン途中にチェルシーの新監督に就任したグラハム・ポッター氏。決断した理由と長期政権の鍵は?

グループEは全チームが2戦を終えて、首位がミラン(勝点4)、2位にディナモザグレブ(勝点3)、3位ザルツブルク(勝点2)、4位チェルシー(勝点1)という状況。チェルシーは、残り4試合でミランとの対戦を2試合残すなど、厳しい状況に追い込まれている。

9月18日に開催される予定だったリヴァプールとの一戦は、8日に崩御したエリザベス女王を追悼するイベントが各地で開催される影響を受けて、延期という決断が下された。このことで、チェルシーの9月の試合はこれで終了。次戦はインターナショナルウィーク明けの10月1日(クリスタルパレス戦)になる。試合が延期されたことで、ポッター監督が選手たちに戦術を落とし込む時間ができたことは良いこと。また怪我で離脱中のメンディ、カンテなども10月には戻ってくる予定だ。

ただ、ツィエクやプリシッチらのパフォーマンスの低下が目立つ中で、攻撃陣をどのように組み合わせていくのかは悩みの種。ここまで公式戦8試合を戦い、得点は9得点と決定力に乏しい状態。このままパフォーマンスが上がらないようであれば、ユースに所属しているオマリ・ハッチンソンなどの起用も考えていかなくてはいけない…そうならないためにも彼らの奮起を期待したい。

・ハヴァーツはチェルシーで100試合目の出場を達成

・チェルシーがCLの最初2試合で勝利できなかったのは、1999-2000シーズン以来2度目

・チェルシーは公式戦7試合連続で失点