CLグループステージ初戦でディナモザグレブに敗れたチェルシーはトゥヘル監督を解任。後任候補は?

CLグループステージ初戦でディナモザグレブに敗れたチェルシーはトゥヘル監督を解任。後任候補は?

2022年9月6日(日本時間7日)にチャンピオンズリーグ2022-23グループステージ初戦が行われ、チェルシーはアウェイでディナモザグレブと対戦。結果は1対0で、チェルシーが敗北と苦しいスタートとなった。

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スターティングメンバーは、ケパ、アスピリクエタ、フォファナ、クリバリ、ジェームズ、マウント、コバチッチ、チルウェル、ハヴァーツ、オーバメヤン、スターリングでフォーメーションは3-4-3。

サブメンバーは、ベッティネッリ、メンディ、ククレジャ、チャロバー、チュクエメカ、ギャラガー、ジョルジーニョ、ロフタスチーク、ザカリア、プリシッチ、ツィエク、ブロヤ。

チャンピオンズリーググループEに入ったチェルシーは、ACミラン、ザルツブルク、ディナモザグレブと同組になり、アウェイでのディナモザグレブが初戦となった。今試合では、顎の怪我をガードするマスクを着用してオーバメヤンがチェルシーで初デビューを飾った。

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チェルシーはこの日、マウントを中盤に起用し、試合序盤から攻撃的に試合を展開することを試みた。前半6分には、スターリングのスルーパスに抜け出したオーバメヤンがペナルティエリアに侵入。最後はスターリングへ渡すが、シュートは相手ディフェンダーにブロックされてしまう。

一方、しっかりと守りながらカウンターのチャンスを狙うディナモザグレブは、前半13分にロバート・リュビチッチが自陣ペナルティエリア内でボールを拾うと、シンプルにロングボールを供給。ブルーノ・ペトコヴィッチの落としに反応したミスラヴ・オルシッチがクリバリと入れ替わり、ハーフェイライン付近から独走。フォファナも追いつけず、ケパと1対1になったが、オルシッチは冷静にゴール右側にシュート。これが決まり、チェルシーは先制点を許してしまう。

この得点により、チームの戦術が明確になったのがディナモザグレブ。『カウンターのみの攻撃で良し』とする相手に対して、チェルシーは何度も攻撃を仕掛けるが、中央は守りを固められ、外からのクロスで崩そうとするものの上手くいかず、前半を枠内シュート1本という寂しい内容で終えた。

後半開始からアスピリクエタに代え、ツィエクを投入。フォーメーションを4バック気味に変更し、攻撃のバリエーションを増やそうとした。しかし、パスの質、シュート精度も悪く、ディナモザグレブの守備陣が混乱するような攻めを全くすることができず、逆に相手にカウンターを仕掛けられ何度もピンチに陥る場面を作ってしまった。

唯一、後半40分にジェームズがペナルティエリア右で左足を振り抜くが、これはポストに当たり、試合終了。大事なグループステージの1戦目で勝ち点を得ることができなかった。試合後トゥヘル監督は、

「自分自身にも腹が立つし、パフォーマンスにも腹が立つ、チーム全体が低調だった。正確さが足りないし、精密でも攻撃的でもない。決定力も足りない。個人としてもチームとしても不十分で、それが今日の敗因。解決策を見出すのは自分の役目だが、明らかに個々のパフォーマンスレベルが落ちている。ハングリー精神の欠如、激しさの欠如、デュエルに勝つという決意の欠如、そして最高レベル、最もタフなレベルでプレーするという決意の欠如だと思う。プレミアリーグとチャンピオンズリーグで簡単に試合に勝てることなどできない。これらの大会は最高レベルにあり、自分たちはまだ満足できる状態にいない」

と落胆していた。また、アントニオ・リュディガーとアンドレアス・クリステンセンが抜けた穴をまだ埋め切れていないと明かした。

「クラブ、チームも移行期にある。ドレッシングルームのキャプテンの一人であるリュディガーを失い、高いポテンシャルを持ったクリステンセンも失った。彼らはシウバと共に、チームの核であり、心臓だったんだ。だから、誰もが適応し、調整する必要がある。それはエキサイティングなことだが、時にはとても厳しく時間のかかること。今は新シーズンの始まりで、より厳しい状態になってしまっている」

とフォファナ、クリバリは加入したもののまだ連携面で時間が掛かる可能性があることを示唆した。また今試合は、シウバを休ませるためメンバー外にしたことで、ディナモザグレブを過小評価していたのではないか?という質問も出た。

「個人的にはそんなことはしない。もししていたのなら、それは大問題だ。観客が感情的で騒々しいことはわかっていたし、今日の雰囲気は私たちのパフォーマンスを下げる要因ではなかった。前試合のウエストハムユナイテッド戦では、非常に難しい場面で良い反応を見せてくれた。ちょっとした運が必要な状況で、運が良かったし、良いトレーニングもできたし、チームは準備ができていたし、良い方向に進んでいると思っていたから、今日のこのパフォーマンスには驚いている」

敗戦翌日にトゥヘル監督解任を発表

今シーズンのチェルシーは安定した戦いがまだできないというのが現状で、ここまで公式戦7試合を戦い3勝2分3敗。格下のリーズユナイテッド、サウサンプトン、ディナモザグレブに敗戦しており、6試合連続失点中。また、1人少ない中で勝利したレスターシティ戦や逆転で勝ったウエストユナイテッド戦など、チームが勢いに乗るような勝ち方をしても、その後あっさりと負けてしまうという非常に悪い流れとなっている。

主力選手が抜け、新加入選手が多くなっていることで、選手間の連携にまだ時間が掛かることは当然のことだと思っていたが、この試合の翌日には、チェルシーがトゥヘル監督を解任したという衝撃的なニュースが入ってきた。クラブは公式HPを通じて、

「新オーナーグループはクラブを引き継いでから100日を迎え、クラブを前進するための努力を続けています。その中で、この決断が適切なタイミングであると確信しています。トレーニングや今後の試合に関しては、チェルシーのコーチングスタッフが指揮することになり、クラブは新しいヘッドコーチを任命するために迅速に行動していきます。新ヘッドコーチの就任が決定するまでは、これ以上のコメントは出さない予定です」

と発表した。トゥヘル氏は2021年1月にチェルシーの監督に就任し、公式戦100試合63勝19分18敗という成績を残し、CL、スーパーカップ、クラブワールドカップと3つのタイトルを獲得。 在籍日数は589日で、ランパード監督よりも18日ほど長いだけの在籍となった。

オーナーが変わり、ペトル・チェフ氏やマリーナ・グラノフスカヤ氏といったフロント陣が離れたことで、移籍市場期間も大きな役割を強いられていたトゥヘル監督。ここから指揮に集中できると思っていた矢先での解任は非常に残念だ。

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後任候補には、ブライトンのグレアム・ポッター氏、PSGを解任されたマウリシオ・ポチェッティーノ氏、またレアルマドリードで指揮をしていたジネディーヌ・ジダン氏の名前が挙がっている。

次戦のフルハム戦までに指揮官が決まるのか。シーズン序盤だが、チームは既に正念場を迎えている。

・トゥヘル監督はチェルシーで初めてアウェイでの公式戦3連敗

・トゥヘル監督は、チェルシー公式戦100試合目の指揮を執りました。最初50試合は24失点でしたが、その後の50試合は53失点に… チェルシーは公式戦6試合連続失点

・チルウェルはチェルシーで公式戦50試合目の先発出場を達成

・オーバメヤンは2017年ぶりにチャンピオンズリーグの試合に出場

・トゥヘル監督は公式戦100試合目の指揮を執ったあとに解任。在籍期間は589日