チェルシー新オーナーの主要人物トッド・ベーリー氏の経歴は?
2022年3月3日、ロマン・アブラモビッチ氏がチェルシーを売却する意向を発表してから、約200名程度がクラブの購入に関心を持つなど、注目が集まっていた。
そこから約2カ月。様々なプロセスを経て、最終的にはアメリカの投資家であるトッド・ベーリー氏が率いるコンソーシアムがチェルシーを買収する条件面で合意したと、クラブの公式ホームページで発表。声明文では、
「チェルシーフットボールクラブは、トッド・ベーリー氏、クリアレイクキャピタル、マーク・ウォルター氏、ハンスユルグ・ウィス氏が率いる新しいオーナーグループがクラブを買収する条件で合意しました。投資総額のうち、25億ポンド(約4000億円)はクラブ株式の購入に充てられ、その資金は、アブラモビッチ氏が確認したように、100%慈善事業に寄付することを意図して、英国の冷凍銀行口座に預け入れられます。そして、凍結された英国の銀行口座から資金を送金するためには、英国政府の承認が必要となります。さらに、新オーナーグループは、クラブの利益のために17.5億ポンド(約2800億円)の追加投資を行うことを約束。これには、スタンフォードブリッジ、アカデミー、女子チーム、キングスメドウへの投資、およびチェルシー財団への継続的な資金提供が含まれています」
と、最終的には7000億円程度の投資額でチェルシー買収の合意に至ったことを明らかにした。
トッド・ベーリー氏は過去にもチェルシー買収を画策
19年間オーナーを務めたアブラモビッチ氏から、ベーリー氏を含むコンソーシアムへと新体制になるチェルシー。その主要な人物であるベーリー氏は、現在46歳。米国・メリーランド州の学校に通い、その後ロンドンスクールオブエコノミクスに留学。そこからシティバンク、ボストンのCSファーストに勤務し、2001年にグッゲンハイムパートナーズへ。同社でクレジット投資事業を立ち上げ、社長に就任する。
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2015年には、グッゲンハイムで集めた資産の一部(ハリウッドリポーター、ディッククラークプロダクションズ、セキュリティベネフィットなど)をプールし、約80の金融、メディア、スポーツ、不動産、テクノロジー事業の株式を所有する持ち株会社エルドリッジインダストリーズを設立。金融界で成功を収めており、フォーブスによれば36億ポンド(約5800億円)の資産があると報じられている。
加えてスポーツへの投資にも積極的で、MLBワールドシリーズで7回優勝しているロサンゼルスドジャースの共同所有者であり、NBAロサンゼルスレイカーズとWNBAロサンゼルススパークスの株式を所有している。また2019年には、22億ポンド(約3500億円)でチェルシー買収のオファーを出した経緯もあり、以前からチェルシーのオーナーになることに関心を持っていた。
クラブの買収手続きは、英国政府やプレミアリーグなどの承認を得て、5月末ごろまでに完了する予定。しかし、現在も資産を凍結され、新規チケット販売の禁止、イギリスの個人・企業との取引禁止などの措置が取られている。一日も早く解決し、通常のクラブ運営になることをサポーターたちは待ち望んでいる。
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