大量4失点でアーセナルに敗北したチェルシー。「ミスを止めないと大変なことになる」とトゥヘル監督が守備の甘さについて不満

大量4失点でアーセナルに敗北したチェルシー。「ミスを止めないと大変なことになる」とトゥヘル監督が守備の甘さについて不満

2022年4月20日(日本時間21日)にプレミアリーグが行われ、チェルシーはホームでアーセナルと対戦。結果は2対4(『チェルシー:ヴェルナー、アスピリクエタ』『アーセナル:エンケティア×2、スミスロウ、サカ)で、チェルシーが敗北した。

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スターティングメンバーは、メンディ、ジェームズ、クリステンセン(シウバ:後半開始~)、サール、アスピリクエタ、ロフタスチーク、カンテ、アロンソ(ツィエク:後半36分~)、マウント、ヴェルナー、ルカク(ハヴァーツ:後半15分~)でフォーメーションは3-4-1-2。なお、チルウェル、オドイ、コバチッチ、リュディガーは怪我のため欠場となった。

試合は、前半13分にクリステンセンがバックパスをミスし、これに反応したエンケティアがキーパーとの1対1を冷静に決め、アーセナルが先制。しかし、チェルシーもその4分後に、左サイドでヴェルナーがカットインして右足でシュートを放つと、ボックス手前にいた相手ディフェンダーの足に当たってコースが変わりゴールイン。試合をすぐに振り出しに戻した。

チェルシーは、鼠径部に痛みにより急遽リュディガーが欠場したことで、ディフェンスラインが安定せず、アーセナルの素早い攻撃に対応できずにいた。前半27分には、カウンター気味に攻められ、サカ、ウーデゴールとパスを繋がれ、最後はボックス内に侵入してきたスミスロウへパスを渡すと、それをダイレクトシュートで右隅に流し込まれ、1対2と勝ち越されてしまう。チェルシーは反撃に転じるため、前線からボールを奪いにいき、前半32分には左サイドでヴェルナーがボールを奪取、近くにいたマウントがニアサイドにクロスを送ると、逆サイドから入ってきたアスピリクエタがダイレクトで合わせて、すぐさま同点に追いつき前半を終えた。

守備に不安を抱えるチェルシーは、後半開始からシウバを投入。守備に安定をもたらしたかったが、後半12分にチェルシーのパスミスから、エンケティアがボックス中央に侵入。一度はシウバがスライディングでボール奪ったが、このボールがサールに当たりエンケティアにパスを送るような形になり、それを決められて2対3と勝ち越されてしまった。その後、ツィエク、ハヴァーツを投入するもののアーセナルの守備を崩すことができず、逆に試合終了間際には、アーセナルにPKを与えてしまい、2対4でチェルシーが敗北を喫した。試合後トゥヘル監督は、

「前半はオープンなゲームだった。2度追いつくなど良いスタートを切れたが、後半に2点許してしまい、残念ながら悪い方に転じてしまった。ブレントフォード戦とレアルマドリード戦ではリュディガーがいても7失点しているので、選手個人の問題ではない。チームとしての守備パフォーマンスの話なんだ。直近3試合のように、やればやっただけ讃えられるのだから、このレベルのミスをしていては、このような試合に勝つのは不可能だという現実を直視しなければならない。これまでこんな事はなかったが、今、数試合連続で多くのミスが起きている。これを止めないと大変なことになる」

と選手個々のパフォーマンスよりも、チームとして守備の問題を解決しなければならないと話した。また、前半終了後に交代したクリステンセンについては、

「続けられないと伝えてきたので、何か問題があったんだと思う。1回ミスをしたからといって、選手を休ませるようなことはしない。また、ピッチの状態が難しかったことにも言及しなければならない。言い訳に聞こえるかもしれないが、非常に難しいピッチで有利な状況ではなかった。クリステンセンの前で、ボールがとてもぎこちなく跳ねてしまったし、チャンピオンズリーグで負けたレアルマドリード戦でも同じようなことがあった。ただ、PKの場面を思い出してほしい。10秒間に3回もボールをロストして、わずかな危険もないのにファウルを犯した。信じられないような失点だ。6分間で同点に追いつくチャンスを自分たちで奪ってしまった。これ以上、分析することはない。ブレントフォードとレアルマドリードから教訓を得たと思ったが、違ったようだ」

とトゥヘル監督にしては珍しい言い訳をしつつも、チームの守備の甘さについては怒りをあらわにした。

トゥヘル監督は、リュディガーの不在が失点に繋がったわけではないと説明したが、この試合に限っては、代役を任されたサールのところからチャンスを作られ、失点にも繋がる場面があり、プレミアリーグでプレーするには難しいと感じされるパフォーマンスとなっていた。また、先発起用されたルカクにもボールが収まる場面は少なく、チームの戦術にフィットしないまま今シーズンが終わりそうだ。攻守共に『ちぐはぐ』だったチェルシー。控えの選手と主力選手で、大きな差ができているように感じる一戦となった。

・マウント(23歳100日)は、チェルシーでリーグ100試合目の出場を達成。これは、チェルシーでミケル、テリー、ニュートンに次ぐ4番目に若い選手に。

・シウバ(37歳210日)は、チェルシーにおいてリーグでプレーした最年長の選手に。前の最年長選手は、グラハム・リックス(37歳203日)で1995年5月のアーセナル戦で記録。