チェルシーにシーズンローンで加入したサウール・ニゲス。ロンドンで新たに挑戦する理由を明かす
「午後11時57分に契約書の確認が終わり、それから見直し…。デ・へアと同じ状況だったよ。これはもう決まらないやつだと内心思っていた。長い午後、長い夜だったね。妻もナーバスになっていた。アトレティコを離れ新たな冒険に出かけることは、複雑な気持ちだった」(Ibai Llanos『Twitch』)
2021年8月31日の深夜、移籍期間終了直前で、アトレティコマドリードからシーズンローンで、チェルシーへの移籍が決まったサウール・ニゲス(26・スペイン)は、不安を抱えながらも無事に移籍が完了したことに安堵した。
レアルマドリードでユース時代を過ごした後、アトレティコマドリードに移籍。2013-14の1シーズンだけ、ラージョバジェカーノにシーズンローンで移籍したが、その後の7シーズンはアトレティコマドリードの主力として活躍。アトレティコでは、340試合に出場し43ゴール、20アシストを記録。ヨーロッパリーグを2度、国王杯、スペインスーパーカップ、UEFAスーパーカップを制覇し、昨シーズンはリーグ優勝にも貢献した。
サウールの特徴を端的にいうと、中盤の万能型プレーヤー。カバーリング、ボール奪取などのポジションプレーに優れ、チームのバランサー的な存在になってくれる。加えて、エリア内への攻撃参加、長距離からのシュート、セットプレーでの存在感など、得点能力にも長けており、チームに1人は必ずいてほしいと思う選手だ。
母国スペインを離れ、ロンドンで新たに挑戦する理由をチェルシー公式サイトでサウールはこう話した。
「チェルシーへの移籍のチャンスが来たとき、断ることができなかったんだ。子供の頃から、アトレティコで歴史を作ること、そしてプレミアリーグでプレーすること、この2つの目標を持っていた。プレミアリーグは、リーグそのものだけでなく、文化や言語の面でも魅力がある。また言語は自分にとって大きな挑戦で、チームメイトとシンプルかつ快適にコミュニケーションできるよう、できるだけ早く習得したいね。アトレティコではトリッピアーとよく話していたけど、まだ十分に英語は話せないんだ」
と幼いころから、プレミアリーグに挑戦することを目標にしていたと明かした。また現在チェルシーには、スペイン人選手が3人(セサル・アスピリクエタ、マルコス・アロンソ、ケパ・アリサバラ)所属している。
「特にケパは、スペインのユースチームでプレーをし始めたときから部屋を共にしていた。彼には、言葉に慣れるように英語で話しかけてくれと言っている。彼らとスペイン語で話したくはないよ。助けてくれるだろうけど、本当に難しいとき以外はできるだけ英語で話すようにしたいんだ」
と話した。また背番号は20歳でアトレティコに入団し、レギュラーとして活躍した2014-15、2015-16の2シーズンで着用した17番に決定。アルベルト・フェレール、ペドロに続いて、チェルシーでこの背番号をつける3人目のスペイン人となった。
昨シーズンは、リーグ優勝に貢献したもののチームの中では先発出場の機会が減り、序列が低下。心機一転、キャリアの新たなスタートをロンドンで切ることに決めたサウール。同じポジションのエンゴロ・カンテ、マテオ・コバチッチ、ジョルジーニョらと共にプレーをすることで、サウールの新たな側面が見られるはずだ。
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