【FAカップ】チュクエメカが決勝ゴールを決めレスターシティに辛勝したチェルシー。ディフェンスラインの補強は必要?

【FAカップ】チュクエメカが決勝ゴールを決めレスターシティに辛勝したチェルシー。ディフェンスラインの補強は必要?

2024年3月17日に、2023-24シーズンのFAカップ準々決勝が行われ、チェルシーはホームでレスターシティと対戦。結果は4対2でチェルシーが勝利し、準決勝に進出した。

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スターティングメンバーは、サンチェス、ギュスト、ディサシ、チャロバー、ククレジャ、カイセド、ギャラガー、ムドリク、スターリング、パルマー、ジャクソンでフォーメーションは4-2-3-1。

サブメンバーは、ペトロヴィッチ、シウバ、バディアシル、チルウェル、アチェンポン、チュクエメカ、ハリソン、マドゥエケ、ワシントン。

チェルシーはプレストンノースエンド、アストンヴィラ、リーズユナイテッドを下し、準々決勝に進出。ベスト4進出をかけて、チャンピオンシップ首位のレスターシティと対戦した。

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試合は、前半13分にチェルシーが先制する。右サイドのスペースでパルマーの縦パスに反応したジャクソンがボックス右に侵入。ゴールキーパーとディフェンダーを引き付けて、ファーに全力で走りこんできたククレジャにパス。これをダイレクトで流し込む。なおククレジャは、チェルシーでの初ゴールを記録した。

そして前半24分には、右サイドを深くえぐったギュストのクロスに反応したスターリングがボックス内で倒されてPKを獲得。自身でPKを獲得したスターリングが自らキッカーを務めたが…中央へのシュートはセーブされてしまう。

その後も決定機を外し続け、雰囲気の悪い中、前半が終わると思われたが、前半ロスタイムに左サイドのスローインから、スターリングがヘディングで一気に左のスペースに抜け出すと、ボックス左からグラウンダーのクロスを供給。これをニアに入ってきたパルマーが左足ワンタッチでゴール左下隅に流し込み、2-0で前半を終える。

後半は時間を上手く使って行くだけで良かったはずだが…わずか後半6分に失点してしまう。最後尾でバックパスを受けたディザシだが…ダカの激しい寄せで、バックパス時にミス。これが無人のゴールに入ってしまう。

不運なミスにより1点差となり、相手に勢いをつけさせてしまったチェルシー。後半17分にはマヴィディディがボックス左に侵入。カットインでギュストを交わしシュートを打たれると、それがゴール右上隅に決まり、同点に追いつかれてしまう。

スタンフォードブリッジのサポーターが肩を落とす中だったが、選手たちは諦めていなかった。後半28分にジャクソンが巧みなターンで相手ディフェンダーと入れ替わり、ボックス付近でドイルと交錯する。主審はPKの判定を下したが、VARのレビューによってエリア外でのファウルと判定。決定機阻止のドイルにはレッドカードが掲示された。

数的優位を手にしたチェルシーは、後半33分にムドリクを下げてチュクエメカを投入。後半41分にはスターリングを下げてマドゥエケをピッチに送り出すと、その2人が結果を残す。後半アディショナルタイムにボックス左でチュクエメカがパルマーの絶妙なヒールパスでゴール前に抜け出すと、冷静にゴールキーパーとの一対一を制し、勝ち越しに成功。

さらに、マドゥエケが個人技からペナルティアーク付近に持ち込み、左足を振り抜き、左隅にゴールイン。結果的に4対2で、FAカップ準決勝に駒を進めた。試合後ポチェッティーノ監督は、

「前半に作ったチャンスを全て活かして得点していれば、試合は前半の45分で終わっていたと思う。しかし、私たちはチャンスを逃しすぎた。(オウンゴールを)許したことが感情的な影響を与えたし、それがFAカップの魔法だ。昨日のコベントリー戦で見たように…それがサッカーだ。

しかし、ウェンブリーに行く資格が十分にあり、ウェンブリーに戻ることができた。私たちはFAカップ準決勝にいるので、現時点では今シーズン2回目の試合をすることができる。でも、できれば3回(決勝を含めて)試合を行いたい。このグループの選手たち、そしてスタッフたちも大いに称賛に値する。シーズン初めの状況で、ウェンブリーで2回もカップ戦を戦えるというのは大変なことなんだ」

と前半での戦い方には不満を残したしたものの、勝利に値するパフォーマンスを最後は見せることができたと話した。しかし、そのきっかけを作ってしまったのがスターリング。決定機+PKを外してしまうなど、今試合はサポーターからもブーイングを浴びていた。

「パルマーはPK時に彼にボールを渡した。彼らはとても良い関係を築いていると思うし、それはもちろんマンチェスターシティにいた頃からのものだ。パルマーが欠場することもあるし、スターリングが欠場することもある、決定はそこにあり、もちろん私はピッチ上の選手たちの決定を常にサポートするつもりだよ。

スターリングは信じられないほどの経歴を持っており、大きなチームでプレーをした経験のある選手。もちろん今日はPKやいくつかのチャンスを逃した。でも満足しているし、私たちは彼をサポートしていく。(スターリングではなくムドリクを先に変えた理由も)ムドリクを見て分析した結果、彼は疲れていて、ストレッチをしていた。そして、おそらく彼は試合を終えられないと思ったんだ」

と交代を先延ばしにした理由と選手たちへの信頼は揺るがないと話した。最後に、直近4試合連続で複数失点しているディフェンスラインの課題について聞かれると、

「今日も両チーム合わせて5点が入った。そのうちの1得点はディサシの偶然のゴールになってしまった。我々には素晴らしい攻撃的な選手たちがいるので、全体的なバランスを見つける必要がある。そして、守備的な行動についても考える必要がある。

サッカーには 2つのフェーズがあり、1つはボールを持っているとき、もう 1つはボールを持っていないとき。失点したとき、それはゴールキーパーやディフェンスラインだけの問題ではない。現時点で、このバランスを見つけることができていない。私たちには若い選手たちがいるので、もっと成熟して、もっとエネルギーを発揮する必要がある。それが現実であり、だからこそ一貫性を見つけるのが難しい。私たちは時間をかけてそれを修正し、バランスを見つける必要がある」

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得点は増えてきているものの、失点数も増えているチェルシー。しかしポチェッティーノ監督は、補強等ではなく、あくまでチームのバランスを見つけることが重要だと明かした。

FAカップ準決勝の対戦相手はマンチェスターシティに決まり、4月20日or21日に開催が予定されている。今季はリーグ戦で2度戦い、2分けと互角。ポチェッティーノ監督就任1年目の集大成を見せることができる大一番。強敵に勝ち、決勝に進出してくれることを期待したい。