アストンヴィラに勝利しFAカップ5回戦に進出したチェルシー。ポチェッティーノ監督は『シーズン最高のパフォーマンス』と評価

アストンヴィラに勝利しFAカップ5回戦に進出したチェルシー。ポチェッティーノ監督は『シーズン最高のパフォーマンス』と評価

2024年2月7日に、2023-24シーズンのFAカップ4回戦(再試合)が行われ、チェルシーはアウェイでアストンヴィラと対戦。結果は1対3でチェルシーが勝利して、5回戦に進出した。

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スターティングメンバーは、ペトロヴィッチ、ギュスト、ディサシ、バディアシル、チルウェル、カイセド、フェルナンデス、マドゥエケ、ジャクソン、ギャラガー、パルマーでフォーメーションは4-4-2。

サブメンバーは、ベッティネッリ、ベルグストロム、シウバ、ギルクリスト、サミュエルズ=スミス、チュクエメカ、ムドリク、スターリング、エンクンク。

1月27日に、アストンヴィラとスタンフォードブリッジで戦い、0対0で再試合となっていたFAカップ4回戦。リーグ連敗を喫していた中で、ポチェッティーノ監督はフォーメーションを4-2-3-1から4-4-2に変更。これが功を奏した展開となる。

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前半11分にチェルシーが先制に成功。高い位置でボールを奪った流れからジャクソンがボックス左に侵入。クロスをマドゥエケが落とし、ギャラガーが左上の隅に丁寧に決め、今シーズン初ゴールを記録する。

そして、その10分後に、さらにリードを広げる。右サイドを駆け上がってきたギュストがクロスを上げると、フリーでペナルティエリアにいたジャクソンが頭で合わせ、左隅にゴールイン。その後は、上手くバランスを取りながら試合を進め、2点のリードで前半を終えた。

後半もチェルシーが中盤でバランスを取りながら相手のボールロストを誘うなど、ペースを掴んでいく。後半9分にはボックス手前左で得たフリーキックをフェルナンデスが左上の隅に見事に決めて、3点差とする。

後半30分には、マドゥエケを下げスターリングを投入。その6分後にはパルマーを下げ、シウバを入れ3バックに変更。後半42分にはバディアシルが鼠蹊部を気にしたことで、急遽ギルクリストを起用することになった。

後半ロスタイムにセットプレーからディアビにゴールを許し、クリーンシートは達成できなかったが、敵地で3得点をあげて5回戦に進出した。試合後ポチェッティーノ監督は、

「とても満足しているよ。選手たちが素晴らしかった。今シーズン最高のパフォーマンスの1つだと感じたよ。良いプレーをしていたから、本当に嬉しい。彼らはプレーを楽しんでいた、そしてそれが最も重要なことなんだ。

このパフォーマンスは、私たち全員が団結していることを心から信じる能力を与えてくれると思う。私たちが全員で団結し、一緒に戦い、私たちのやり方で試合に臨めれば、このようなパフォーマンスができる」

と選手たちを誇りに思うと話した。そして、今日の試合のキーポイントを聞かれると、

「このようなパフォーマンスが起こると、相手チームについて話すのは難しい。なぜなら、我々のほうが優れていたからだ。もちろん、中盤を無効化したことも勝利の要因になったと思うが、私にとって鍵となったのはウルブス戦後にチームが反応したこと。トレーニングの仕方、話し方、ミーティングでの選手たちの様子など、それが関係していた。

今日はタッチライン上で本当に楽しかった。良い結果もそれほど良くない結果も出る可能性があったが、才能ある選手、若い選手たちがいるので、我々は一貫性を持たせる必要がある。最終的には成功できると思っている」

ウルブス戦で大敗した後に選手たちが改めて気合いを入れ直したことが、勝利に繋がったと明かした。試合の前日には、『エンソ・フェルナンデスがチームを離れたいと言っている』という報道が出たが、本人はその報道を一蹴するかのような素晴らしいパフォーマンスを見せ、フリーキックで素晴らしいゴールをマークした。

「エンソは“自分がなぜここにいるのか”というクオリティを示してくれた。彼は世界チャンピオン。1年前に契約したとき、休暇もなく、プレッシャーを抱えながら、異なる環境、異なる言語、異なる文化でプレーをしてきた。このような状況ではすべて時間が必要。彼にはこの種のゴールを決めるだけでなく、今日のようなパフォーマンスを発揮する資質があるので、私は驚いていないよ。

私たちは彼やカイセド、あるいはタイトルを獲得し、すべてのタッチで得点を決めることを期待してここにやってきた様々な若い選手たちに対して、疑念を抱くことはなかった。

今は罵倒することが簡単な時代。選手は人間であり、ロボットではない。選手たちはファンの助けを必要としている。そして今日のサポートは素晴らしかった。だからこそ、ピッチ上の選手たちはクラブを大切に思っていること、勝ちたいと思っていること、成功したいと思っていることを示すことができた」

と批判的なコメントをすることも理解ができる一方で、新たなプロジェクトをスタートしたばかりの選手たちをサポートしてほしいと明かした。

「過去20年間のチェルシーを忘れる必要があると思う。なぜなら、私たちはもう人々が信じているようなタイプのチェルシーではない。今は前に進む必要があり、全員で力を合わせてこのプロジェクトをクリエイトしていかなければいけない。

私たちコーチングスタッフは、選手とクラブのために最善を尽くしたいと思っている。私たちは戦うつもりだ。人々が何を言おうが、何を騒ごうが、何かを築くために取り組もうとしている。勝敗どうこうではなく、この種のプロジェクトには時間が必要で、信頼が必要だということを私たちは知っている。私たちは1年、2年、3年と続くプロジェクトを作っている。現時点で、私たちはプロジェクトのスタート地点にいるんだ」

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リヴァプール、ウルブスに各4失点で敗れていたチェルシー。アストンヴィラという好調なチームを相手にアウェイで素晴らしいパフォーマンスを見せたことは、とても意味のあるものになった。

まだまだ一貫性を保てていない若いチームだが、ポチェッティーノ監督も今試合ではフォーメーションを変え、選手の立ち位置やポジションを上手く修正し、大きな勝利を掴んだことで自信に繋がったはず。FAカップ5回戦では、リーズユナイテッドとホームで対戦することが決定(2月28日)。この試合でも良いパフォーマンスを見せてくれることを期待したい。