マンチェスターUに敗れ、リーグ戦ワーストの16敗目を喫したチェルシー。それでもランパード暫定監督が前を向く理由は?

マンチェスターUに敗れ、リーグ戦ワーストの16敗目を喫したチェルシー。それでもランパード暫定監督が前を向く理由は?

2023年5月25日(日本時間26日)にプレミアリーグ37試合目が行われ、チェルシーはアウェイでマンチェスターユナイテッドと対戦。結果は、4対1でチェルシーが敗北した。

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スターティングメンバーは、ケパ、W・フォファナ、チャロバー、アスピリクエタ、ホール、フェルナンデス、チュクエメカ、ギャラガー、ムドリク、マドゥエケ、ハヴァーツでフォーメーションは4-2-3-1。

サブメンバーは、メンディ、ギルクリスト、クリバリ、シウバ、ロフタスチーク、プリシッチ、ツィエク、D・フォファナ、フェリックス。

敵地・オールドトラッフォードで行われたミッドウィークの戦い。ランパード暫定監督は、チュクエメカ、ムドリク、マドゥエケ、ホールといった若手選手を起用し、戦いに挑んだ。

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試合は、開始直後から互いに前線からボールを奪い合う激しい展開となった。前半4分には、中央でのパス交換から左のスペースに走り込んだホールにスルーパスが通ると、そのままボックス付近まで運んでゴール前のムドリクにグラウンダーの折り返しを送る。それをダイレクトで流し込もうとするも…シュートは枠の右に外れてしまう。

逆にチャンスをものにしたのが、マンチェスターユナイテッド。その2分後には、左サイドで得たフリーキックをエリクセンがゴール中央に供給。それをカゼミロに合わせられ失点を許してしまう。

チェルシーはマドゥエケ、ホールといった両サイドから攻撃を見せるも、得点を決められない状態が続いていた。1点のビハインドで前半が終了するかと思われたが、アディショナルタイムに、カゼミロがボックス右のサンチョにループパス。それに反応出来なかったチェルシーのディフェン陣は、サンチョをペナルティーエリア内でフリーにしてしまい、ファーのマルシャルにパス。それを難なく決められて、2対0で前半を終えることになった。

後半に入ってもチェルシーがボールを保持して、攻める姿勢を見せる。しかし、そのボールを奪われて、逆にピンチに陥る場面を作ってしまう。その流れを変えるために、後半19分にはハヴァーツ、ムドリクに変えて、フェリックス&プリシッチを投入し、ゴールを目指してくが、後半28分にペナルティーエリア内で、ブルーノ・フェルナンデスの足を、W・フォファナが引っかけてしまいPKの判定。

これをB・フェルナンデスが自ら決めて3失点。その5分後には、W・フォファナの自陣でのペナルティーエリア内での不用意な横パスをB・フェルナンデスがカット。ボックス中央でパスを受けたラッシュフォードに決められ、チェルシーは4失点目を喫した。

試合の勝敗は既に決まってしまったが、後半37分にはツィエク、ロフタスチーク、D・フォファナを投入。その6分後に、ロングカウンターからツィエクの横パスを中央で受けたフェリックスが味方をオトリにしながら、ペナルティアーク付近まで運んで、グラウンダーのシュート。これが左隅に決まり、1点を返すことに成功した。しかし、反撃もここまで…試合は、4対1とチェルシーが敵地で完敗する厳しい結果となった。試合後ランパード暫定監督は、

「前半中盤はチェルシーの方が優れたサッカーをしていた。ポゼッションとチャンスメイクでは、少なくとも相手に匹敵していた。ただ、あの場面(前半終了間際)で2対0とされたのは、チームの現状を表している。マンチェスターユナイテッドは、ゴール前での決定力があったんだ。複雑な心境だよ。今日は部分的にはいいプレーができたからね。良いプレーもあったし、良いシュートもあったけど…相手がゴール前でいかに正確であるか、自分たちが雑であるか、後半ディフェンスがいかに劣勢であったかが分かる。そうやって生まれたのが今日の結果だ。チームには才能があるけど、今日も現実を見せられた。それを変えるには努力が必要なんだ。

毎日しっかりトレーニングをして、向上心を持ち、本当の意味でのチームであることが大事。努力が足りないわけではなく、トレーニング、準備、忍耐力によって築くことができる。クラブにとって悪いシーズンだったけど、こういったことは多くのクラブにあることだ」

と今季強さを見せてきたマンチェスターユナイテッドと決定的な場面で差が出たと話した。課題は山積みだが、ランパード氏は来シーズンに向けてポジティブになるべきだと話した。

「タフなシーズンであったし、チームの規模について言われることもあるが、それはとても正しいことだと思う。同時に、この短い期間でグループが一緒にトレーニングをし、お互いに切磋琢磨することで、良いことが起こり、その中で個人としても向上していくことがわかる。ただ、現時点では、その勢いがないのは明らかなんだ。もちろん、我々は楽観的であるべきだし、プラスを探して、今シーズンよりもポジティブな未来を探すべきだ。新監督が変われば変わるというのではなく、全体像を見て、一歩一歩進んでいかなければならない」

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オーナーが変わり、監督が2度も変わるという激動のシーズンを送っているチェルシー。苦しく辛い状況ではあるが、残り試合数は1つ。既に、来季のチャンピオンズリーグ出場を決めているニューカッスルユナイテッドとホームで戦い、幕を閉じる。

プレミアリーグ移行後ワーストとなる今季16敗目を喫するなど、悪い記録を次々と更新している中、今シーズン終了後の年間表彰式を中止する考えを持っているとも報じられている。加えて、マウント、ギャラガー、ロフタスチークといった、チェルシーアカデミーで育った選手たちの放出も現実味を帯びてきている状態。シーズン終了後に始まる移籍市場でも厳しい現実が待ち受けていそうだ。

 

・チェルシーはプレミアリーグ移行後、ワーストとなる16敗目を記録

・チェルシーはプレミアリーグになり、初めて10位以下でシーズンを終えることが決定

・チェルシーは残り1試合を残して勝点43。プレミアリーグになり、ワーストの勝点(1995-96シーズン:勝点50)を更新することが確定