チャンスを作るも…マンチェスターシティに惜敗したチェルシー。ホール&チュクエメカの将来についてランパード暫定監督が言及

チャンスを作るも…マンチェスターシティに惜敗したチェルシー。ホール&チュクエメカの将来についてランパード暫定監督が言及

2023年5月21日(日本時間22日)にプレミアリーグ36試合目が行われ、チェルシーはアウェイでマンチェスターシティと対戦。結果は、1対0でチェルシーが敗北した。

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スターティングメンバーは、ケパ、W・フォファナ、シウバ、チャロバー、アスピリクエタ、ロフタスチーク、フェルナンデス、ギャラガー、ホール、スターリング、ハヴァーツでフォーメーションは3-4-3。

サブメンバーは、メンディ、ワディ、クリバリ、チュクエメカ、マドゥエケ、ムドリク、プリシッチ、ツィエク、D・フォファナ。なお、サブメンバーに登録されていたフェリックスは、怪我により急遽メンバー外となった。

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今シーズン、公式戦4度目(リーグカップ、FAカップ、リーグ)の対戦となった両チーム。ここまでチェルシーは全て敗戦しており、リーグ3連覇を達成したマンチェスターシティ相手に、今季初勝利をするべく戦いに挑んだ。

しかし、前半12分にチェルシーが失点。W・フォファナがフェルナンデスに縦パスを通そうとするも、パーマーにカットされボックス手前まで運ばれてしまう。それをアルバレスに供給され、ペナルティエリア内の右からシュートを打たれてしまい、前節のノッティンガムフォレストと同様に、先制を許してしまう。

その後もマンチェスターシティのペースで進んでいくが、前半33分にはチェルシーが反撃。ハヴァーツからのスルーパスに抜け出したスターリングが、ペナルティエリア内の左まで持ち込み、左足でシュートを打つが、ここはオルテガにセーブされてしまう。そして、その3分後にホールが左サイドからクロスを供給すると、大外で反応したギャラガーがフリーでヘディングシュート。しかし、これは右ポストに阻まれてしまう。惜しいチャンスを創出するも決めきれず、1対0で前半終了。

後半は、マンチェスターシティがボールを支配し、チェルシーがカウンターを狙いながら、得点を狙いに行く。しかしゴールまでは届かず、後半24分にはスターリングとギャラガーを下げて、ムドリクとマドゥエケを同時投入。さらに、後半36分にはクリバリとチュクエメカを投入し、3バックに変更。しかし、その後もゴールネットを揺らすことができず、1対0で試合終了。チェルシーは3試合ぶりに黒星を喫した。試合後ランパード暫定監督は、

「最初の15分は相手をリスペクトし過ぎたけど、それ以降は良いプレーができた。失点後は、1、2点取れるだけのチャンスを作り出していた。かなりいいプレーができたし、パフォーマンスにはかなり満足している。シティがどんなメンバーだとしても、ここ(エティハドスタジアム)では厳しい。国際的な選手や質の高い若い選手が長年にわたって貢献しているからね。

うまくいかなかったこともあるけど、チームはプライドをもってプレーをしていたと思う。中盤でプレーを切り替えることができていたし、小さいとしても前を向いた一歩だった。最後の2試合は、自分たちが望むところに到達するために前進する必要がある。新しい監督が来るだろうし、それがモチベーションになるならそれでいい。チェルシーでは負けたことに満足することは許されないんだ」

とシュート10本を放ったチームに対して、少しだけ進歩があったと話した。そして、その中でもホールのパフォーマンスがポジティブだったと明かした。

「彼は本当によくやったと思う。今年初めにマンチェスターシティとの戦いで良いプレーをしたのは知っているし、リーグ最高のウインガーの一人であるマフレズと1対1で対峙できていたと思う。私たちはホールを評価している。私と一緒に働いているコーチ陣は、彼のことをよく理解しているから、それも重要なことなんだ。ただ彼は物静かだから、もう少し自分自身を表に出す必要がある。私は彼に性格を変えるよう求めているのではなく、フットボールの観点から、彼が周りの人々に影響を与えるような存在になってほしいんだ。クオリティという点ではとても素晴らしいから、今後もさらにそれを高めなければならない。クラブが生み出したアカデミー選手であり、彼がこのレベルの試合でもチャンスを掴んでいるんだ。

それに加えて、中盤のロフタスチークの動きも本当に良かったし、フェルナンデスの後方でのプレーも素晴らしかった。失点のミスをしたことは分かっているが、一度ライン間の問題を把握してからは失点を防いでいた。チャロバー、フォファナ、シウバは、自分たちの仕事を正しくこなしていることが分かる。試合には負けたが、小さな一歩だと思うし、私はそれに満足している」

とホールの今後成長とディフェンスラインの修正能力を評価していた。また、カンテやコバチッチが負傷したことで、U-20アルゼンチンW杯のメンバーに選ばれていたチュクエメカを、チームに残したことについても言及した。

「私は20年間選手としてプレーしてきたが、毎回思い通りにいくわけではなかった。若い選手の時は時間を待たなければいけない、あるいは理解しなければいけない瞬間もある。私は彼に出場時間を与えたいと思っているし、今日の途中出場ではうまくやっていたと思った。残り10分間程度だけの出場ということは理解しているが、これからの2試合でもっと出場できることを望んでいる。そうすれば、来シーズンはトップチームに定着できるかもしれない。彼はチェルシーの選手であり、我々には彼が必要だ。彼はそれをよく理解してくれたんだ」

最後に、来季以降チェルシーが復活できるかどうかについて質問されると、

「どのくらいの時間が掛かるのかは、分からない。それは選手たち次第なんだ。プレミアリーグはますます厳しくなっている。マンチェスターシティの地位に到達するには、多くのことを調整する必要があり、やるべきことはたくさんある。チームには若い才能がたくさんいるが、もしかしたら、チームが少しアンバランスなのかもしれない。そして、私は(来季はチェルシーに)残ることはないと思う。新しい監督が来て、自分たちのコーチを連れてくるはずだからね」

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苦しいシーズンとなったチェルシーだが、リーグ戦も2試合を残すのみとなった。マンチェスターユナイテッド(5月25日)とのアウェイ戦、そして最終戦はニューカッスルユナイテッド(5月28日)とホームで戦うことになっている。

既にヨーロッパのコンペティションに出場できる望みがなくなったチェルシー。勝敗は関係なく、ホール、チュクエメカ、ダトロ・フォファナ、ムドリクといった若手選手の起用を優先させて、来季に向けて、少しでもプレミアリーグを経験する機会を作ってくれることを願いたい。

・チェルシーはプレミアリーグにおいて、ロンドに拠点を置くフルハム、ブレントフォードより順位が下回ることが確定。これはリーグで史上初めてのこと

・チェルシーは2021年CL決勝以降、マンチェスターシティと6度対戦し全敗。その間、1得点取れていない