ドルトムントに逆転勝利でCLベスト8進出を決めたチェルシー。ポッター監督がハヴァーツのPKを見なかった理由は?

ドルトムントに逆転勝利でCLベスト8進出を決めたチェルシー。ポッター監督がハヴァーツのPKを見なかった理由は?

2023年3月7日(日本時間8日)に2022-23シーズン チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦のセカンドレグが行われ、チェルシーはホームでドルトムントと対戦。結果は、2対0(トータル2対1)とチェルシーが逆転でベスト8進出を決めた。

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スターティングメンバーは、ケパ、W・フォファナ、クリバリ、ククレジャ、ジェームズ、フェルナンデス、コバチッチ、チルウェル、スターリング、フェリックス、ハヴァーツでフォーメーションは3-4-2-1。

サブメンバーは、ベッティネッリ、ベルグストロム、チャロバー、ホール、チュクエメカ、ギャラガー、ロフタスチーク、ムドリク、プリシッチ、ザカリア、ツィエク。

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グループステージEに入り、首位通過したチェルシーは、グループGを2位通過したドルトムントとベスト8進出をかけて対戦。ファーストレグでは1対0で敗れており、複数得点が必要なチェルシーは、ジェームズ&チルウェルをウイングにして、攻撃を積極的に仕掛けていく。

前半6分、センターバックのポジションに入ったククレジャが高い位置でボールを奪うと、スターリングのパスを受けたフェリックスがペナルティエリア左に侵入。フィニッシュまで持ち込んだが、ここは相手ゴールキーパーのマイヤーに阻まれた。

前半28分には、クロスボールのこぼれ球をハヴァーツがダイレクトで振り抜くも、シュートは右ポストに当たり、得点が奪えない状態が続いていた。しかし、前半43分に左サイドでボールを拾ったチルウェルが深い位置に侵入して、スターリングにパス。それをダイレクトで狙うも空振りしてしまうが、その直後のプレーで寄せてきた相手ディフェンダーをかわし、右足を振り抜き待望のゴール。チェルシーがトータルで1対1にして前半を終える。

この勢いをキープして逆転を狙いたいチェルシーは、リーズユナイテッド戦と同様に好調のチルウェルを使い攻撃を展開。後半1分にハヴァーツからのパスを受けたスターリングが左へ展開すると、ボールを受けたチルウェルがクロスボールを供給。しかし、これがヴォルフの手に当たり、VARでチェルシーにPKが与えられた。

キッカーを務めたハヴァーツのシュートは右ポストに嫌われたものの、蹴った瞬間に選手がボックス内に侵入していたことから、PKがやり直しに。2度目のPKも右に蹴り今度は成功。チェルシーが2戦合計スコア(2対1)で逆転に成功した。

その後は、ジェームズ&チルウェルが低い位置を取り5バック気味で守る。ドルトムントは、ベリンガムを中心に攻撃を仕掛けるが、後半22分にはフェリックスに変えギャラガーを投入し、フォーメーションを5-3-2にして中盤を強化し、相手に決定的なチャンスを与えない。その後もロフタスチーク、ザカリア、プリシッチを投入し、時間を使いながら試合終了。

チェルシーは逆転で3シーズン連続のベスト8進出を決めた。試合後ポッター監督は、

「素晴らしい雰囲気、素晴らしい夜だった。選手たちも、サポーターも、とても素晴らしかった。このような大きな夜に素晴らしい結果を出すことができ、選手たちを誇りに思っている。私たちは本当にいいプレーをし、いいチャンスをたくさん作った。ドルトムントは順調に勝ち進んでいたチームで、私たち敵地では良い試合をしたけど、得点は取れなかった。でも今日は得点をした。スタンフォードブリッジは揺れていたし、我々のパフォーマンスもそれに後押しされていた。私たちは高い位置からプレスをかけ、タックルに勝ち、組織化され、トップチーム相手に良いプレーをした。突破できて本当に嬉しいよ」

と絶対に勝たなければいけない試合に勝利したポッター監督は、喜びを爆発させた。またハヴァーツのPKを見なかった理由についても言及した。

「最初のペナルティは見たけど、それはうまくいかなかった。だから2回目はフロアを見て、観客が騒ぐのを待ってみようと思ったんだけど、ありがたいことに彼らはそうしてくれた。なぜそうしたのか、迷信かもしれないが、観客席から音が聞こえたら、もう見ても大丈夫だと思ったんだ。ハヴァーツには自信があった。彼はPKの名手だし、プレッシャーのかかる場面で得点を決めて、大事な場面で活躍する選手であることを示してくれた」

と監督自身も大きなプレッシャーを感じていたようだ。また、公式戦3試合メンバー外となっていたククレジャだったが、今試合では3バックの左を担当し、素晴らしいプレーでプレイヤー・オブ・ザ・マッチを獲得した。

「彼にとっては喜ばしいことだ。私たちのように悪い時を過ごしているときは、批判を受け入れ、それに対処しなければならない。ただククレジャは、それにうまく対処している。私たちは、少し盾になってあげたかったし、それと同時に起用のタイミングを探っていたんだ。今試合は、バディアシルが使えないので、彼が3バックの左のバランスを取ってくれると思ったし、彼は最高のパフォーマンスを見せてくれた」

最後に先制点を決めたスターリングのパフォーマンスについてコメントをした。

「ハヴァーツと並びスターリングも素晴らしかった。彼は少し違った役割を果たしたが、本当に効果的で、相手のバックラインに多くの問題を引き起こしたと思う。彼はゴールを決める選手で、この大会での経験も豊富。彼とハヴァーツがアタッキングエリアに入ることができれば、ゴール前で喜びを味わえるだろうと考えている。すべてが厳しい時期だったが、ベスト8に入ることは私たちにとって重要であり、私たちがそれを成し遂げたことを、クラブに関係するすべての人が喜んでいる」

チルウェルが好調ということもあり、リーズユナイテッド戦と今試合で3バックを採用し、結果を残したポッター監督。重要だったドルトムント戦に勝利したことで、選手たちの士気も上がり、チーム状態も上向いてきている。

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3月17日にはベスト8の組み合わせ抽選会が予定されており、2シーズンぶりのベスト4進出を懸けて、どのチームと対戦するのか楽しみになってきた。なお準々決勝のファーストレグは4月11日or12日、セカンドレグは18日or19日となっている。

・チェルシーは昨年12月(ボーンマス戦)以来の1試合複数得点を記録

・チェルシーは公式戦2連勝を記録。連勝は昨年10月以来のこと

・ポッター監督は、1シーズンのCLで5勝を達成。英国人監督として2人目(ボビー・ロブソン氏)

・チェルシーはCL決勝トーナメントのファーストレグで敗北を喫しながらもセカンドレグで逆転したのが5回目。これは現行フォーマットのCLとなって以降、レアルマドリード、バルセロナ、ユベントスと並んで大会最多タイ