2022年チェルシーで印象に残った出来事ベスト5を発表

2022年チェルシーで印象に残った出来事ベスト5を発表

激動の1年となったチェルシーフットボールクラブ。2022年も残りあとわずか、ということで、今回は【ChelseaFC info】が、この1年間で最も印象に残った出来事ベスト5を選出。チェルシーの2022年を振り返ってみましょう!

 

 【第5位】

 クラブワールドカップ優勝で世界一に!

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2022年2月12日に開催されたクラブワールドカップ決勝でチェルシーはパルメイラスと対戦。延長戦の末、2対1でチェルシーが勝利し、クラブ史上初めて今大会のタイトルを獲得した。決勝点を決めたカイ・ハヴァーツは、

「すごいことだね。ヨーロッパのチャンピオンになって、今度は世界のチャンピオンになったんだ。良い響きだよ。正直、(PKのキッカーを務めるのは)ナーバスだった。僕は3番手のPKキッカーだけど、ピッチにいたのは僕だけだった。チームメイトは信頼してくれたし、子供の頃からずっと夢見たことだから、最高の気分だよ」

と緊張の一瞬だったと明かした。ロマン・アブラモビッチオーナー就任以来、チェルシーが獲得可能なタイトルを全て手にした瞬間となった。

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【第4位】

ルカクが1年でチームを離脱

2021年8月13日にインテルからチェルシーに移籍したロメル・ルカク。移籍金は1億1500万ユーロ(約149億円)と、カイ・ハヴァーツ(※8000万ユーロ)を超え、クラブ史上最高額。チェルシーの得点力不足を解消する大きなピースとして、大きな期待が寄せられていた。入団時には、

「この素晴らしいクラブに戻ることができて幸せだし、恵まれていると思う。長い旅路だったね。子供のころに来たときは学ぶことがたくさんあったけど、今は多くの経験を積んでより成熟し戻ってきた。知っていると思うが、このクラブとの関係は私にとって非常に大きな意味を持っているんだ。子供の頃からチェルシーを応援してきて、今、再びここに戻りチームがより多くのタイトルを獲得するために貢献できるのは本当に素晴らしいこと。すぐにピッチに立って、クラブのさらなる成功に貢献したい」

と意気込みを話していた。その言葉通り、シーズン序盤はアーセナル戦で得点を決めるなど素晴らしい活躍を見せていた。しかし、昨年12月にチェルシーの許可を取らずに『Sky Italia』のインタビューに応じ、インテルへの未練を仄めかすコメントを出した後は、スタメンから外れることが多くなってしまった。

最終的には、公式戦44試合に出場し15ゴール・2アシストという記録を残したが、インテルへの復帰を熱望。子供ころからチェルシーでのプレーを夢見ていたルカクは、わずか1年でイタリアに戻ってしまうことになってしまった。なお契約はシーズンローンだが、本人はインテル残留を希望しており、チェルシーのユニフォームを再び着ることは無さそうだ。

【第3位】

史上最高額!400億円を投じた夏の移籍市場

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新オーナーに変わったチェルシーは、アントニオ・リュディガーやアンドレアス・クリステンセンがフリーで抜けたこともあり、積極的に即戦力&若手選手の獲得に動いた。

マンチェスターシティからラヒーム・スターリング、レスターシティからウェズレイ・フォファナ、ブライトンからマルク・ククレジャを獲得するなど、合計で14人の選手を補強し、総支出は2億6070万ポンド(約422億円)。ハヴァーツ、ベン・チルウェルなどを獲得し、総額2億ポンド(約303億円)の大型補強を慣行した2020年の夏をはるかに上回る史上最高額の移籍金を投じた。

【2022年夏の移籍金トップ5】

1位

ウェズレイ・フォファナ←レスターシティ(6950万ポンド・約112億円)

2位

マルク・ククレジャ←ブライトン(5500万ポンド・約90億円)

3位

ラヒーム・スターリング←マンチェスターシティ(4750万ポンド・約77億円)

4位

カリドゥ・クリバリ←ナポリ(3360万ポンド・約55億円)

5位

カーニー・チュクエメカ←アストンビラ(2000万ポンド・約32億円)

一方で退団選手は、マルコス・アロンソ、ビリー・ギルモア、ロス・バークリー、エメルソン・パルミエリ、ティモ・ヴェルナーなど17人となった。

【第2位】

アブラモビッチ政権が終了。新オーナーが誕生

2022年3月10日、チェルシーフットボールクラブに激震が走った。イギリス政府がチェルシーのオーナーであるロマン・アブラモビッチ氏に制裁を科したと発表。これによりチェルシーは、新規チケットの販売、グッズの販売、選手の獲得、新契約の締結が禁止されてしまったため、クラブの経営を考慮したアブラモビッチ氏が売却を決断した。

入札には200名程度が関心を示したと伝えられ、最終的にはロサンゼルスドジャースの共同所有者であるトッド・ベーリー氏率いるコンソーシアム(クリアレイクキャピタル、マーク・ウォルター氏、ハンスユルグ・ウィス氏)が、5月7日に買収する条件面で合意。新オーナーグループは、クラブの利益のために17.5億ポンド(約2800億円)の追加投資を行うことを約束。これには、スタンフォードブリッジ、アカデミー、女子チーム、キングスメドウへの投資、およびチェルシー財団への継続的な資金提供が含まれ、最終的には7000億円程度の投資額でチェルシー買収の合意に至った。

2003年夏に1億4000万ポンド(現在のレートで約210億円)でチェルシーを買収し、およそ15億ポンド(約2270億円)を投じてクラブを強化してきたアブラモビッチ氏。プレミアリーグ(5回)、チャンピオンズリーグ(2回)、ヨーロッパリーグ(2回)、FAカップ(5回)、リーグカップ(3回)、クラブワールドカップ(1回)と獲得できる主要タイトルを全てクラブもたらした。

「このクラブの一員になれたのは生涯の栄誉だった。チェルシーを新たな管理者へ引き渡すにあたって、彼らのピッチ内外での成功を心より祈っている。クラブのこれまでの、また現在の選手とスタッフ、そしてもちろんファンに、信じられない日々への感謝を伝えたい」

と声明を発表。19年間を費やして、チェルシーをビッククラブに押し上げたアブラモビッチ氏。その意思を受け継ぎ、新オーナーたちが更なる成功を目指していく。

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【第1位】

CLを制したトゥヘルが解任。新監督にはポッター氏

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 2021年1月にチェルシーの監督に就任したトーマス・トゥヘル氏。チームを立て直し、CL、スーパーカップ、クラブワールドカップと3つのタイトルを獲得するなど、長期政権を期待していたが、チャンピオンズリーグ グループステージ初戦のディナモザグレブ(アウェイ)に敗れた翌日の9月7日に解任が発表。突然のことだっただけに、多くの人が驚きを隠せなかった。

トゥヘル氏は、公式戦100試合63勝19分18敗という成績を残し、3つのタイトルをクラブにもたらしたが、589日間の在籍で終わりを迎えてしまった。後日、トゥヘル氏がSportStarのインタビューで、

「チェルシーでの日々は、とても楽しかった。あまりにも早く終わってしまったけど、僕の手には負えないことだった。これも契約の一環なんだ。CLで優勝できるなんて、思ってもみないようなレベルだったけど、決勝戦(マンチェスターC)など、本当に満足できる試合が多かった」

とチェルシーでまだ指揮を執りたかったことを明かした。

9月9日には、ブライトンで監督を務めていたグレアム・ポッター氏を新監督として招聘。チェルシーは1500万ポンド(約24億円)の違約金をブライトンに支払い、ポッター氏を引き抜いた。ポッター監督は、

「チェルシーは伝統があり、チャンピオンズリーグやプレミアリーグでは常に上位を狙うクラブ。今までとは全く違うチャレンジになることは分かっている。自分はヘッドコーチであり、サッカークラブを助けるのが仕事。スウェーデンでサッカークラブを作る機会に恵まれ、そこから得たものは、クラブが常に最も重要であるということ。私たちは、クラブに貢献し、ベストを尽くすためにここにいる」

とチェルシーで行われた初めての記者会見でコメント。ここまで公式戦15試合を戦い、8勝3分4敗という成績。新オーナーたちの信頼は厚く、今シーズンの成績が悪くても解任はしない方針だと報じられている。これからチームをどこまで押し上げることができるのか。彼の手腕に期待したい。