ブロヤの初ゴールなどでウルブスに快勝したチェルシー。『11人の選手だけでは成功できない』とポッター監督が強調
2022年10月8日にプレミアリーグ2022-23シーズンの8試合目が行われ、チェルシーはホームでウルブスと対戦。結果は3対0で、チェルシーが勝利。今シーズンリーグ戦5勝目を挙げた。
スターティングメンバーは、ケパ、アスピリクエタ、チャロバー、クリバリ、ククレジャ、ジョルジーニョ、ロフタスチーク、ギャラガー、マウント、プリシッチ、ハヴァーツでフォーメーションは4-2-3-1。
サブメンバーは、メンディ、ジェームズ、チルウェル、チュクエメカ、コバチッチ、スターリング、ツィエク、オーバメヤン、ブロヤ。なお、CLミラン戦で膝の怪我をしたフォファナは、約1カ月間で復帰する予定となっている。
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ポッター監督就任後、公式戦2勝1分と負けがないチェルシー。前節のCLミラン戦からケパ、クリバリ、マウント、ロフタスチークを除く先発7人を変更し、ターンオーバーで臨んだ。
連携面が心配された中、それを払拭するようにアスピリクエタ、ギャラガーの右サイドを経由しながら多くのチャンスを創出。前半31分には左サイドからカットインしたプリシッチが右足でミドルシュートを放つが、これは相手ゴールキーパーのジョゼ・サにセーブされるなど、得点だけが入らない状態が続いていた。
このまま無得点で前半を終えるかに思われたロスタイムに試合が動く。セットプレーの二次攻撃から右サイドでボールを持ったマウントがアウトにかけた絶妙なクロスを上げると、これをハヴァーツが頭で合わせゴールイン。チェルシーは最後の最後に得点し、前半を1点リードで終えることに成功した。
後半に入ると、得点を奪うためにウルブスが前に出てくる展開が続いた。しかしチェルシーは、前試合のCLミラン戦のようにしっかりと守り、ショートカウンターで攻撃を何度か仕掛ける。後半9分には、左サイドでボールを持ったプリシッチが内側のマウントにボールを預け、ペナルティーエリアに侵入。マウントはノールックでプリシッチにパスを供給すると、ジョゼ・サのポジションを見極めて左足でチップキック。これがゴール右隅に決まり、2対0。
これで試合の勝利をほぼ手中に収めたと感じたポッター監督は、後半41分にチュクエメカやツィエクを投入。なお、チュクエメカはチェルシーでのデビュー戦となった。
後半45分には、コバチッチのフィードに抜け出したブロヤが、鋭いミドルシュートをゴール右隅に放ち、トップチーム初ゴールを記録。試合はこのまま終了し、3対0でチェルシーが勝利した。試合後ポッター監督は、
「前半はいいプレーができたと思う。もう少し早い時間帯に得点できたかもしれないけど、あのゴールは重要だった。ウルブスは後半の立ち上がりが良かったので、少し調整しなければならなかったが、良いタイミングでゴールを決めることができた。そして、ブロヤのゴールも素晴らしかったけど一筋縄ではいかない試合だったね。特に水曜日にビッグマッチ(ミラン戦)があった後、回復するのも、準備するのも、簡単ではなかった。でも、自分たちは本当に良いグループで、お互いのために戦っている」
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と先発陣を多く変更しながらも、きちんとチームとしてのクオリティを発揮し、勝利に繋げたことを喜んだ。
「11人の選手だけでは成功できない。レギュラー11人が怪我をしてから次の選手をプレーさせるのは正しくないと思うし、それはグループのダイナミズムにとって良いことではないと思うんだ。でも同時に、もし今日の試合に負けたら、“なぜオーバメヤンを出さなかったのか?”と聞かれることも意識している。でも理由がある限り、決断した理由を頭で理解している限り、誰かが決断しなければならない。今日はうまくいったが、それは選手たちのおかげ。大事なのは、11人だけじゃ何もできないとみんなが理解することなんだ。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、そしてまたプレミアリーグと、1週間に3試合をこなすのであれば、フレッシュな選手、必死にプレーしている選手を中心に決断しなければならない。そういう面で、このチームにはいいメンバーが揃っている」
とメンバー全員が“勝利の意識”を持たなければ、長いシーズンを戦えないことを強調した。最後にアカデミー出身のブロヤが、チェルシーで初ゴールを挙げたことについてコメントした。
「初ゴールだし、彼はこれまでもベンチからインパクトを与えていた。我慢も必要だけど、トレーニングで一生懸命に取り組んでいるし、あのゴールは彼にとって大きな到達点だと思う。アカデミーの選手たちは欠かせない存在で、クラブの文化や要求、環境面で何が必要かを理解している。そして、アカデミーで素晴らしい教育を受けてきているからね。自分たちの仕事は、彼らの可能性を最大限に引き出すこと。それができたら本当に素晴らしいことだね」
ポッター監督は、『選手の能力を最大限に引き出したい』と記者会見で多くコメントしており、それこそがポッター氏の一番の指導力になるようだ。最大限に活かせる選手を起用し、そこから相手チームの特徴を見極めながら、フォーメーションを考えているように感じる。3バック、4バックと固定するわけではなく、あくまで選手を見た中で判断しているようだ。
柔軟に対応しながら、ここまで公式戦3勝1分と結果もついてきているポッター新監督。次戦のCLミラン戦(アウェイ)では、どのような布陣で戦うのか。采配にも注目したい。
・チェルシーはリーグ戦のホームゲームで3連勝を達成。これは2021年9月以来の出来事
・ブロヤはチェルシーで初ゴールを記録
・チェルシーは公式戦2試合連続クリーンシートで勝利。これは2022年2月以来の出来事
・マウントは今試合2アシストを記録。リーグ戦での2アシストは2020年2月レスターシティ戦以来
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