大きな怪我を乗り越え力強いパフォーマンスが戻ってきたロフタスチーク。トゥヘル監督との良好な関係を明かす

大きな怪我を乗り越え力強いパフォーマンスが戻ってきたロフタスチーク。トゥヘル監督との良好な関係を明かす

身長191センチの大型ミッドフィルダーとして、かつては“ネクスト バラック”といわれていたルベン・ロフタスチーク(25・イングランド・MF)が、輝きを取り戻しつつある。

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ロフタスチークは、2018-19シーズンに当時のマウリツィオ・サッリ監督に評価され、チェルシーで公式戦40試合に出場し10ゴール、5アシストを記録するなど、主力として活躍していた。

しかし、2019年5月に悲劇が起こった。ヨーロッパリーグの決勝を控えていたにも関わらず、チェルシーは親善試合のためアメリカに遠征。その時に、ニューイングランドレボリューションとのチャリティーマッチに出場した彼は、アキレス腱を断裂してしまい離脱。手術とリハビリに要した時間は、約10カ月。新型コロナウイルスの影響でスケジュールが大幅に変更になり、2020年6月にリーグのアストンビラ戦に出場したが、1年以上試合から離れていたロフタスチークのパフォーマンスは中々上がってこなかった。

2020-21シーズンは、出場機会を求めフルハムへシーズンローンで移籍。32試合に出場し1ゴールを決めるなどインパクトを残した。そして、2021年夏のプレシーズンからチェルシーに再合流したが、中盤のポジション争いはし烈なものになっていた。

1月にランパード氏が解任され、トゥヘル氏が新監督に就任。中盤は、ジョルジーニョ、エンゴロ・カンテ、マテオ・コバチッチ、ビリー・ギルモアが主力として起用され、リーグ4位、チャンピオンズリーグ優勝に貢献。ギルモアは、今季ノリッジシティにシーズンローンで移籍したが、3人に加え、アトレティコマドリードからサウール・ニゲスをシーズンローンで獲得。ロフタスチークは他クラブへ移籍することが出来なかったため、トップチームで出場することは困難だと思われていた。

しかし、トゥヘル監督はプレシーズン時にロフタスチークの事をこう話していた。

「彼が若かった頃、私はファンだった。プレースタイルは、バラックを思い出させるものがあったね。ブンデスリーガへの移籍話もあったから、ロフタスチークの才能は理解していたよ。フルハムでは順調だったから、テレビや人づての評価で彼を判断することはしない。まずは選手と一緒に仕事をしてから決めるべきだ。私が何か言うのはそれからだよ」

と期待を寄せていた。

転機となったのは、9月25日に行われたリーグのマンチェスターシティ戦。0対1でシティがリードしている中、後半31分に投入されたロフタスチークは、中盤でボールを保持しダイナミックに前に推進する力を披露した。結果は敗れたもののトゥヘル監督はそのパフォーマンスを評価し、そこから徐々に出場機会が増えていった。

2021年11月8日時点で、リーグ6試合で2アシスト。チャンピオンズリーグでも3試合に出場。ロフタスチークは、現在の状況についてこう話す。

「怪我から復帰したとき、同じような感覚ではなかったんだ。体の強さに頼るようなパワフルさがあったけど、それが失われてしまい、できるだけ多くプレーできるシーズン(フルハムへのローン移籍)が必要だと感じていた。今、トゥヘル監督とは自身が出場した試合について話し合っているし、常に“助けたい”と思ってくれている。ゲームごとだけでなく、全体的により良くなるためのヒントを教えてくれるよ。彼は素晴らしい監督だから、彼の話を聞いて成長するためには、とても良い場所にいるね。多くの試合に出場することによって成長できると思っているから、これからもできるだけ多くの試合に出場したい」

と復帰までの困難な道のりと、監督との良好な関係を話した。大きな怪我を乗り越え、力強いパフォーマンスが戻ってきたロフタスチーク。トゥヘル監督との出会が、彼のキャリアに“良い影響”を及ぼしている。