大量7得点でノリッジ戦に勝利したチェルシー。マウントはクラブ史上20人目のハットトリックを達成
2021年10月23日に行われたプレミアリーグ第9節、チェルシー対ノリッジシティ(ホーム・スタンフォードブリッジ)は、チェルシーが7対0(チェルシー:マウント×3、オドイ、ジェームズ、チルウェル、オウンゴール)で大勝した。
チェルシーのスターティングメンバーは、メンディ、チャロバー、チアゴ・シウバ、リュディガー、ジェームズ、ジョルジーニョ(c)(ロフタスチーク、後半17分~)、コバチッチ、チルウェル、マウント、ハヴァーツ(バークリー、後半25分~)、オドイ(ツィエク、後半25分~)で、フォーメーションは3-4-3。なお、ルカク、ヴェルナー、プリシッチは怪我のため欠場となった。
試合は、序盤からチェルシーが主導権を握ることになる。前半8分に、左サイドで仕掛けたオドイのクロスが相手ディフェンダーにクリアされるが、それをジョルジーニョが回収し、ペナルティエリア手前のマウントへ。そのボールをマウントが右足で振り抜くと、シュートは相手ディフェンダーの股間を抜け左下隅にゴール。チェルシーが開始早々に先制した。
その10分後には、ハーフウェーライン付近からコバチッチがスルーパスをオドイに供給。抜け出したオドイは、ペナルティエリア左に侵入。相手ゴールキーパーのクルルとの一対一を制し、ゴール右下隅へと流し込み、2対0とリードを広げる。加えて、前半42分には、ペナルティエリア手前でボールをもらったマウントが、走り込んできたジェームズにスルーパスを供給。飛び出してきたクルルを見て、ジェームズはチップキックのシュートを選択。このシュートがゴールネットに吸い込まれ3対0。マウント、オドイ、ジェームズとチェルシーアカデミー出身の選手たちが躍動した前半となった。
後半もチェルシーの勢いは止まらなかった。後半12分には、ジェームズがハーフウェーライン上でボールを奪い、マウントとジョルジーニョのワンツーから、コバチッチがボックスの端でボールを受ける。ボックスの左にいたチルウェルにボールを送ると、それを左足で振り抜き、ゴールの右隅に低い弾道でゴール。この日コバチッチは3つ目のアシストを記録した。さらに後半17分には、ボックス左からオドイが入れたクロスがアーロンズに当ってゴールイン。オウンゴールで5対0とリードを大きく広げた。
加えて後半19分には、ノリッジのギブソンがジェームズにファウルをしてしまい、この試合2枚目のイエローカードで退場。10人となった相手に対してもチェルシー選手の集中力は切れることなく試合は展開。後半38分には、リュディガーのシュートをノーマンが手でブロックしたと判断されPKを獲得。キッカーを務めたマウントが右下を狙うが、クルルがセーブ。しかし、マウントが蹴った際にクルルの片足がゴールラインに残っていなかったとしてPKはやり直しになり、次は真ん中を狙いゴールイン。
後半アディショナルタイムには、ツィエクのスルーパスに抜け出したロフタスチークがグラウンダーで折り返し、マウントが押し込んでハットトリックを達成。試合は7対0とトゥヘル監督就任後リーグ最多得点での勝利となった。トゥヘル監督は、
「パフォーマンスにとても満足しているし、このゲームに注いだ集中力と努力にもとても満足している。ウイングバックがボックス内まで攻め込んだことで、私たちには自由があり、ボックスやボックス周辺のスペースを攻め込んでゴールを決める精神が根付いてきたことにとても満足している。しかし、あまり浮かれたくはない。謙虚な姿勢で、自分の基準を定め、自分を追い込み、すべての試合に全力で臨み、試合前の前評判に気を取られないようにしている」
とCLのマルメ戦(4対0)に続き、大量得点で勝利したものの、気を緩めることはないと話した。また、チェルシーで初のハットトリックを達成したマウントは、
「最初のPKはひどかったね。(コースが甘く)コーナーには程遠かった。もう1回チャンスを得たけど、不思議なもので同じ方向には蹴りたくないから、真ん中を狙ったんだ。今日は自分だけでなくチームも出だしから良かった。試合前に、開始から激しいプレーを心掛けるように話したけど、実際その通りになったね。試合前には、久しぶりに得点できるように自分自身にプレッシャーをかけていたけど、同じ試合に3点も取れるなんて思っていなかったよ。チェルシーでは1試合に1得点以上取ったことはないと思うから、3点もとったのは自分にとって大きな出来事。今日のボールは、家のどこかに飾っておくことになるだろうね。思い出のために、シャツを額に入れて飾っておくよ」
とホーム・スタンフォードブリッジでの3得点に、喜びを噛み締めていた。
9月終盤に行われたマンチェスターシティ戦(プレミアリーグ)とユベントス戦(CL)に連敗したが、10月に入り公式戦4連勝と勢いを取り戻してきたチェルシー。ルカク、ヴェルナー、プリシッチと攻撃的な選手が3名も不在だが、全体で攻撃を組み立て、ゴールを決めきれるチームになってきている。現にリーグの総ゴール数は23で、その内10得点は守備的なポジションの選手(チルウェル×3、ジェームズ×2、チャロバー×2、アロンソ、シウバ、リュディガー)が決めている。
10月は、カラバオカップのサウサンプトン戦、そしてリーグのニューカッスル戦と2試合を残すのみ。この調子を維持し、連勝を伸ばしていってほしい。
・チルウェルは昨季の最終節も含めて出場したリーグ戦で4試合連続のゴール。チェルシーの英国人選手としては、ランパード氏以来(2013年2月)の快挙
・チェルシーはプレミアリーグにおいて初めて異なる英国人選手4人(マウント、ジェームズ、チルウェル、オドイ)が得点
・今シーズンリーグ戦でチェルシーの得点者が14人に(プリシッチ、アロンソ、ルカク、チャロバー、シウバ、リュディガー、カンテ、ジェームズ、ハヴァーツ、コバチッチ、チルウェル、ヴェルナー、マウント、オドイ)。9試合を終えた時点で、14人が得点するのはリーグ史上最速
・マウントはチェルシー史上20人目のハットトリックを達成した選手
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