「僕のキャリアは駐車場から始まったんだ」オマリ・ハッチンソンが明かすサッカー人生のスタート&兄からの最高のアドバイス

「僕のキャリアは駐車場から始まったんだ」オマリ・ハッチンソンが明かすサッカー人生のスタート&兄からの最高のアドバイス

2022年夏に、アーセナルからチェルシーに移籍したオマリ・ハッチンソン。 今シーズンは主にU-21に所属し、プレミアリーグ2では公式戦21試合で7ゴール・8アシストを記録。今年1月には、マンチェスターシティ戦でプレミアリーグデビューを果たすなど、充実したシーズンを過ごした。

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ポテンシャルの高さから「ネクスト・アザール」と紹介されているハッチンソン。そんな彼が、駐車場からスタートしたサッカーキャリア、プロになりたいと考えた始めた校長先生からのメッセージ、兄からもらった最高のアドバイスなどについて話をした。

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「3歳の頃から、ボールに恋をしていたんだ。そして4歳からは、フットサルをやっていたけど、その幼少期が今の僕を作っている。フットサルでは、足の裏の使い方を学べたし、いろいろな意味で考えさせられたね。近い距離でのボールコントロールとドリブル、この2つは僕の得意とするものになった。

僕はいつも、父や兄とプレーをするためピッチに駆けつけていた。クリスマスや誕生日など…どんな日でもね。兄は、ピッチの中でも外でも、私にインスピレーションを与えてくれたし、マンツーマンでセッションしてくれた。友人と遊ぶときは、いつも連れていってくれたんだ。

そんな兄は、ロンドン南東部のチャールトン・アスレチックのアカデミーで練習をしていた。だから父に連れられて、僕もいつも一緒に行っていたんだ。兄はトレーニングに行き、その間、駐車場でボールを蹴っていた。そうしたらある日、スカウトの人が父に“君の息子をトレーニングに参加させたい”と言ってきたんだ。それで8歳のときに、兄と同じようにチャールトンでプレーするようになったね」

と駐車場でボール蹴っていた姿を偶然にもスカウト担当者に見かけられたことがきっかけで、チャールトンのアカデミーで練習を行うことになったという。

「アーセナルやチェルシーと対戦するときは、いつも(自分のパフォーマンスが)アップしているようだった。なぜなのか自分でもわからないけど、競争力があって真剣勝負で、最高の試合だったことを覚えているよ。だから、サッカーが激しくなるにつれて、学校での集中力も落ちていったんだ(笑)。ただ、ボールと一緒にいたかった。私にとって、ボールはすべてだったからね。

ある日、校長先生から『学校を休め』と言われたのを覚えているよ。“オマリ、わざわざ来なくてもいい”と言われたんだ。私はそれにどう答えていいかわからなかった…当時はまだ子供だったからね。でも今振り返ると…この時サッカー選手になりたいと思い始めたのかもしれない」

その後ハッチンソンは、2020年にアーセナルとプロ契約を締結。その後はU-18、U-21のカテゴリーで経験を積み、FAカップ3回戦のノッティンガムフォレスト戦ではベンチ入り。そして、今シーズンはチェルシーに移籍し、トップチームデビューを果たすまでに成長している。

「プレミアリーグのデビューがマンチェスターシティ戦だった。マンチェスターシティだよ! その後には、エティハドスタジアムで行われたFAカップでもプレーをした。そして今シーズンのプレミアリーグ2では7ゴール・8アシストを記録したけど、(昔と)あまり変わらなく、今でも笑顔でプレーをしているよ。

真剣に取り組んでいるけど、今でもあまり深刻に考えないようにしている。ピッチに入ったら自分を表現するだけなんだ。ゴールやアシスト、数字なんて必要ない。ただ楽しめばいいんだ。そして兄は、私に最高のアドバイスをくれた。『誰の足跡も見るな』、『ライフスタイルを見るな』、『車も見るな』、良いことは待っている人のところにやってくるとね。

自分がここまで来た(チェルシーに在籍)と思うと、おかしくなってくるんだ(笑)。だって、駐車場から始まった物語だからね」

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ハッチンソンは、子供のころサッカー選手になることを期待していなかったと明かしてくれた。駐車場からの『縁』で、今ではプロ選手になり、ここまで順調なキャリアを歩んでいる。来季はどのような成長を見せてくれるのか。笑顔を絶やさず、楽しんでプレーをする彼の姿が見られそうだ。

Source:Chelsea FC