「泣いて父に電話したのを覚えているよ」ジョアン・フェリックスがサッカーキャリアで最も過酷な時期を明かす
- 2023.03.24
- Column
- チェルシー移籍, ジョアン・フェリックス, チェルシー, Chelsea, アトレティコマドリード
2023年冬の移籍市場で半年間のレンタルでチェルシーに加入したジョアン・フェリックス。チェルシーでのデビュー戦(フルハム戦)でレッドカードをもらい、3試合の出場停止をもらうなど、決して良いスタートを切れなかったが、ウエストハムユナイテッド戦(2月11日)ではチェルシーで初ゴールを記録。そして、エヴァートン戦(3月18日)ではスタンフォードブリッジで初得点を決めるなど、チームの攻撃の要となっている。
そのフェリックスが、幼少期の思い出、サッカーを続けるように説得してくれた家族、スペインで出会った元チェルシーのジエゴ・コスタとの絆、チェルシー移籍について話をした。
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「僕は、ポルトガルのヴィゼウで生まれた。ポルトガルの真ん中にあって、素敵な街なんだ。そこで、物心がついたときから、あらゆる場所でサッカーをしていたよ。家でも、学校でも、道でも…いつでもサッカーをしていたね。両親の話では、まだ歩き始める前から、すでにボールで遊んでいたらしいんだ。弟のウーゴ(ベンフィカ所属)が生まれてからは、いつも父と一緒にサッカーをしていたね。とても素敵な時間だったし、一生忘れられない時間だよ」
ヴィゼウで幼少期を過ごしたフェリックスは、2007年に地元にあるクラブ、オス・ペスティニャスに入団。翌年からポルトのユースチームに加わったが、週5日、自宅から練習場まで往復200キロを移動したことなどが、キャリアの中で最も過酷な時期の1つだったことを明かした。
「ポルトに入団したときは、少し大変だった。学校が終わると父が私を学校に迎えに来て、車でポルトの練習場まで行き、トレーニングが終わるとヴィセウに帰るという生活だったんだ。家に着くのは夜の11時くらいで、翌日は朝7時半に起きて学校に行っていたね。決して楽な時期ではなかったけど、その甲斐あって今がある。両親も報われたと思う。
そして、11歳のときに1人でポルトに引っ越したんだ。最初の夜、泣いて父に電話したのを覚えているよ。『ここにいたくない、家に帰りたい』とね。父は、『迎えに行くけど、もう二度とトレーニングには連れて行かないよ。大変なのはわかっているけど、もうちょっと頑張って、それでも家に帰りたくなったら迎えに行くよ』と言われたんだ。だから、その晩は残ることにした。そして、それから3年間滞在することになった。
最初の頃は本当にうまくいっていたんだけど、最後のほうはチームでうまくプレーができなかったんだ。痩せすぎて、背も高くなかったから大変だった。だから14歳か15歳のときに、『ここを出て他のクラブに行きたい、故郷でプレーしたい』とクラブに伝えた。ただ、楽しくプレーしたかったんだ。そして、ベンフィカに行くチャンスが訪れ、それを受け入れたんだ」
-ジエゴ・コスタとの思い出-
パドロエンセにローンで半年間在籍した後、15歳のときにベンフィカに移籍。順調に成長したフェリックスは、2018年夏にトップチームに昇格。公式戦43試合に出場し、20ゴール・11アシストを記録するなど、素晴らしい成績を残したことで、多くの欧州クラブが注目。2019年夏にアトレティコマドリードが1億2600万ユーロの移籍金を提示し、この移籍を受け入れた。
「(移籍は)少し難しい決断だった。当初はベンフィカに残りたかったけど、正しい選択をしたと思っているよ。自分には成長が必要だったし、ベンフィカからアトレティコへの移籍は、自分にとって快適な環境から抜け出すという意味があった。後悔はしていないし、自分にとってよかったと思う」
そして、彼がアトレティコマドリードで過ごした最初のシーズンは、チェルシーに在籍し、同クラブに復帰を果たしたジエゴ・コスタと攻撃のコンビを組むことが多かった。
「彼は僕にいろいろなことを教えてくれたんだ。良い人間で、面白くて、一緒にいるのが好きだったね。残念ながら、彼とは1年間しか一緒にいられなかったけど、素敵な時間を過ごすことができた。ジエゴ・コスタは今でも私の友人。家族も彼のことが大好きだし、特に父と仲がいいんだ」
とコスタとの思い出を話してくれた。
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2019年夏から2022年12月まで公式戦131試合に出場し、34ゴール・18アシストを記録していたが、今シーズンは出場機会が少なくなっていたこともあり、2023年1月の移籍市場でチェルシーへの移籍(今シーズン終了までのローン)を決断する。
「僕はいつもベストを尽くそうとしているけれど、うまくいかないこともあるから、状況が変わるかどうか確かめるために、変わらなければならなかった。だから、このレンタル移籍は僕にとって重要なことなんだ。未来は誰にもわからないし、僕は試合に集中するだけ。何が起こるかわからないが、グループはとても大きく素晴らしい。クラブのみんなはとても良い雰囲気なので、僕はここにいられて幸せ。この新しいチャプターに上手く適応しているよ」
と現在の心境を明かしたフェリックス。彼の将来がどうなるかは分からないが、ロンドンでサッカーを楽しんでいるのは事実。好調を維持し続ければ、きっと翌シーズンもチェルシーでプレーしているはず。そしてファンもそれを望んでいるだろう。
(※Source:ChelseaFC、Fabrizio Romano)
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