FFP規則を遵守するため選手の売却を計画しているチェルシー。今夏の放出候補選手は?

FFP規則を遵守するため選手の売却を計画しているチェルシー。今夏の放出候補選手は?

昨夏にロマン・アブラモビッチ氏からトッド・ベーリー氏らの共同コンソーシアムが買収し、新体制のもと、夏・冬と2度の移籍市場で約6億ポンド(約1000億円)を費やし、ラヒーム・スターリング、カリドゥ・クリバリ、ウェズレイ・フォファナ、ミハイロ・ムドリク、エンソ・フェルナンデス、マルク・ククレジャなど22名を獲得。

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夏にはティモ・ヴェルナー、冬にはジョルジーニョらを放出したが、加入選手が多く30人以上の選手がトップチームに在籍。そのような状況にもかかわらず、リーグでは31試合を終え11位、4位ニューカッスルユナイテッドとの勝点差は17と、CL出場権を獲得するのは絶望的。また5、6位に与えられるヨーロッパリーグへの出場権も難しい状況となっており、来シーズンは国内(リーグ、FAカップ、リーグカップ)の戦いだけになる可能性が非常に高くなってきている。

来季は欧州大会にも出場できないことから、チェルシーはUEFAのファイナンシャル・フェアプレー(FFP)規則を遵守するため、6月30日までに選手を売却する計画を立てているようだ。その中で、どの選手がチェルシーから移籍する可能性があるのか。放出候補選手をまとめた。

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エドゥアール・メンディ

2020年夏にチェルシーに加入したメンディ。そのシーズンのチャンピオンズリーグ決勝では正ゴールキーパーを務め、優勝に貢献した。しかし、今シーズンは指の骨折もあり、公式戦11試合のみの出場に止まっている。また契約延長が難航していることで、クラブは別のゴールキーパーを探し始めたとも報じられている。

クリスチャン・プリシッチ

 2019年冬に移籍が決まり、同年の夏からチームに加入したプリシッチ。公式戦142試合に出場し、26ゴール・21アシストを記録しているが、筋肉系の怪我が多く、シーズン通して起用できないところがネガティブな要素となっている。契約が2024年夏までとなっているが、契約延長の話し合いは行われておらず、今夏にチームを去る可能性が高くなっている。

ハキム・ツィエク

2020年夏にチェルシーに加入したツィエク。ここまで公式戦103試合に出場し、14ゴール・11アシストを記録している。モロッコ代表では、カタールW杯でベスト4入りに貢献するなど、素晴らしい活躍を見せたが、チェルシーでのシステムに中々フィットせず、出場時間が少なくなっている。今年1月にはPSGへのローン移籍が決定的となっていたが、書類の不備で破談。今夏も出場機会を求めることが予想される。

ピエール=エメリック・オーバメヤン

2022年夏にバルセロナから加入したオーバメヤン。ドルトムントで共に仕事をしたトーマス・トゥヘル氏の要望で獲得したが、その直後にトゥヘル氏が監督を解任されてしまい、厳しい立場に追いやられてしまった。ここまで公式戦19試合に出場し3ゴール・1アシスト。バルセロナなどが関心を抱いており、新天地に行くことが確実となっている。

ロメル・ルカク

2021年夏にインテルからチェルシーに加入したルカク。当時、得点力不足に悩んでいたチェルシーのラストピースと言われるほど、大きな期待が寄せられていたが、インテルに戻りたいという趣旨のインタビューを許可なく受けてしまったことで、クラブや監督との関係性に亀裂が走り、わずか1年でインテルにローンで復帰。今夏にはチェルシーに戻ってくるものの、イタリアでのプレーを熱望していることから、チェルシーでプレーする可能性は低いと考えられている。ただインテル側も完全移籍で獲得するわけではなく、あくまでローンを希望。140億円以上の移籍金を費やしたチェルシーは、完全移籍での売却を目指していることから、他の買い取り先も模索しているようだ。

メイソン・マウント

6歳でチェルシーのU-9チームに加入したマウント。フィテッセやダービーカウンティへの期限付き移籍を経て、2019年8月にトップチームデビュー。ここまで公式戦195試合に出場し、33ゴール・37アシストを記録するなど、チームの勝利に大きく貢献してきた。しかし、2024年夏までの契約となっているマウントとクラブの契約延長交渉が難航していることから、リヴァプール、ニューカッスルユナイテッド、アーセナル、バイエルンミュンヘンなど、多くのビッククラブがその動向を注視している。ただ、チェルシーも残留を望んでいるため、ベーリーオーナーが直接マウントにチームでの重要性と残留の想いを話し、引き留めを画策している。

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その他にも、2024年夏に契約が切れるキャプテンのセサル・アスピリクエタやマテオ・コバチッチ。そして、ユース出身のコナー・ギャラガー、ルベン・ロフタスチーク、カラム・ハドソン・オドイ(レバークーゼンにローン中)なども放出候補にあげられている。

スタンフォードブリッジで行われたチャンピオンズリーグ準々決勝(4月18日)には、ブライトンのオーナーであるトニー・ブルーム氏、バルセロナのスポーツディレクターであるマテウ・アレマニー氏のほか、スポルティングリスボンやアタランタの関係者らもスタジアムに訪れ、選手の移籍などについて話し合いを行ったようだ。

またPSGやトッテナムで指揮を務めたマウリシオ・ポチェッティーノ氏が、チェルシーの新監督に就任することが有力となっており、彼の意向も反映されることは間違いない。

※データは2023年4月25日時点。Source:Evening Standard、The Athletic、Sky Sports