メインスポンサーを務める『3』が契約停止を決断。‟今”チェルシーができる事・できない事は?

メインスポンサーを務める『3』が契約停止を決断。‟今”チェルシーができる事・できない事は?

3月10日、チェルシーフットボールクラブに激震が走った。イギリス政府がチェルシーのオーナーであるロマン・アブラモビッチ氏に制裁を科したと発表。これにより、資産を凍結され、イギリスの個人・企業との取引禁止や渡航禁止などの措置が取られることになった。

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1週間前には情勢の悪化を受け、クラブを売却するという決断をし、スイスの実業家ハンスユルグ・ウィス氏やドジャースの共同オーナーを務めるトッド・ベーリー氏、トルコの実業家ムーシン・バイラク氏などが購入に興味を示しているなど、売却の進展を見せていたが、ここにきて事態は急変してしまった。

今回の制裁により、2022年3月11日の時点でチェルシーは以下のことが禁止になっている。

・新規チケットの販売

・グッズの販売

・選手の獲得

・新契約の締結

新契約の締結ができない状態が続けば、今夏で契約が満了となるリュディガー、クリステンセン、アスピリクエタと交渉を進めることができず、退団となってしまう。そして、来シーズンに向けての補強もできないという八方ふさがりの状態に。

加えて、昨シーズンに年間4000万ポンド(約61億円)の契約を締結したユニフォームのメインスポンサーを務める『3』が、チェルシーとの契約停止を決断。ユニフォームとスタジアム周辺からブランド名を取り除くことを含めた、クラブとのスポンサーシップを一時的に停止することを要請。そして、肩にロゴマークが入っている韓国自動車メーカーの『ヒュンダイ』や『ナイキ』もチェルシーのスポンサーから撤退する可能性が出てきている。

イギリス政府は、この措置に対して、アブラモビッチ氏がチェルシーから得る利益を剥奪するのが狙いだと説明した。

そのような中、チェルシーができることを以下にまとめた。

・イギリス政府が特別ライセンスを発行。試合などクラブの活動は続行

・チケット購入済みの人、シーズンチケットを持つ人のみ試合観戦が可能

・給与の支払い、納税やメンテナンス、警備、飲食提供などの一部出費は可能

・試合遠征費用は1試合当たり2万ポンド(約300万円)

クラブが売却されれば、この問題も解決に向かっていくが、現在のところアブラモビッチ氏やロシアに利益をもたらさないことを条件に、売却自体は進めることができる見込みとなっており、売却プロセスを進めるために、クラブはイギリス政府と話し合いを行っている状態。しかし、時間を要する可能性が高いとBBCなどが報じている。

厳しい状況に追い込まれたチェルシー。難しい中ではあるが、監督や選手たちは、目の前の試合に集中して勝利を目指すことが仕事であり、少しでもその環境を作ってほしいと願う。そしてサポーターたちは、何が起きてもチームをサポートする気持ちに変わりはない。1日も早く、この現状が好転する事を切に願う。